画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2024:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 クワトロリゴ INGOT 3の魅力を語る
画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2024:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 クワトロリゴ INGOT 3の魅力を語る

2024年のオートサウンドウェブグランプリでブロンズアワードを獲得したイタリア、クワトロリゴのパワーアンプINGOT 3(インゴット・スリー)。A級動作のモノーラルパワーアンプ2台のセットで販売されるモデル。同社の25周年記念の特別モデルである。ここでは選考会で各賞を確定した直後の座談会を紹介する。[編集部]

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー
[石田功、鈴木裕、長谷川圭、藤原陽祐、黛健司、脇森宏]
(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2024:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 クワトロリゴ INGOT 3の魅力を語る

Auto Sound Web(以下ASW):ブロンズアワード獲得となりましたクワトロリゴのモノーラルパワーアンプINGOT 3(インゴット・スリー)についてお話をうかがってまいります。2台セットの販売で、価格は税込88万円です。定格出力110Wとなります。このモデルはA級動作のパワーアンプですね。全世界125セットの数量限定販売となります。日本市場向けには在庫が確保されているとのことです。石田先生からうかがいます。

石田 功(以下、石田):このアンプは、小型の筐体という見た目で侮っていたんですが、 聴くととてもリアルな音がしていました。ヴォーカルとかストリングスとか、前に出てくるんです。とても……良かったです。低域が割と深くて、けっこうズーンとくるものがあって素晴らしかったです。

ASW:途中、ためましたね(笑)。 それほど良かったですか。

画像: 石田功氏

石田功氏

石田 功:はい、これはいいものです。

ASW:ありがとうございます。では、次に藤原先生お願いします。

画像: 藤原陽祐氏

藤原陽祐氏

藤原陽祐(以下、藤原):アンプとしての質の高さはあると思うんですけれど、どこかリッチな華やかな香りを感じさせる音という風に感じられました。大らかに優雅に聴かせてくれるんだけれど、いい意味で香りがあって、音がとても楽しいですね。神経質な音じゃない。そういう良さがあると思います。

ASW:ありがとうございました。では、鈴木先生はいかがだったでしょうか?

画像: 鈴木裕氏

鈴木裕氏

鈴木 裕(以下、鈴木):A級らしいというか聴き心地の良さがあって、Hi-Fiの枠を飛び出さないという印象のアンプです。そしてモノブロックという構成だけあって、物理的な特性の良さも存分に感じられました。

ASW:ありがとうございます。では、続きまして脇森先生の印象をお聞かせください。

脇森 宏(以下、脇森):このINGOT 3は、これぞモノーラルという音です。立体感はあるし。左右チャンネルそれぞれ独立したアンプだからというのはあるんですが、音の出方そのものがやはり、2CHや4CHのアンプとはまるで違うぞと、すごく気持ちがいい。音の一つ一つが素晴らしいうえに、音場全体がすごく立体感に富んで色彩感も持っている。個人的にもいまモノーラルっていいなぁと思っているんですけれど、そこに魅力的な一台が出てきて嬉しく思っているところです。

黛 健司(以下、黛):私もモノブロック構成による高音質に唸りました。ホームのハイエンドオーディオの世界では、モノブロック構成のパワーアンプが数多く存在し、ステレオ構成機に対しての優位性は確立している。しかしカーオーディオの世界では、一台の筐体で、いかに多チャンネル化するかが、製品としてのメリットと受け止められているようにも感じています。

 そんな「カーオーディオの常識」に反旗を翻すようなINGOT 3に拍手を贈りたい。この音は、モノブロックでなくては出せない音でしょう。広大な音場空間の再現は、左右チャンネルが独立したことによる最大のメリットだと感じました。

画像: 黛健司氏

黛健司氏

この音と比べると、ステレオ機や4チャンネル機は、どうしても音場が狭いと感じてしまう。贅沢を知ってしまうと、なかなか普通には戻れないものですが、この音を聴いてしまうと、これが当たり前で、この音で聴くためなら、モノブロックによる不便さやインストールの難しさは、なんとか克服しようと思う。よい音を聴くためなら、努力を惜しまない「オーディオマニア」の挑戦意欲を掻き立てる製品ですね。

藤原:モノーラルの良さという点は、僕もとても感じたんですが、ややもすると難しさもあるじゃないですか別々に鳴るというところ、一体感に欠けるというかね、そういうのを感じさせない鳴り方していました。

石田 功:2台のモノーラル機ですけれど、マッチングがとても良かったですね。

脇森:個人的には見た目がもうちょっと……。

長谷川 圭(以下、長谷川):金の延べ棒みたいで好きですけどね、モデル名もインゴットですし(笑)。 私はこのモデル名と見た目で好きになってました、シャレが利いてます。

脇森:インゴットの名前がいいですね(笑)

画像: 脇森宏氏

脇森宏氏

長谷川 圭:見た目の話をふくらませると、筐体の上面に文字がプリントされてるんですよね。で、何が書いてあるんだろうとよくみると、どうやら文章になってる。目がチカチカしてくるので何が語られているかまでは解読に挑みませんでしたが。

石田 功:このアンプ、2台を連結してブリッジ動作させることもできますね。ひどいよね(笑)

長谷川:ひどいは酷い言い方じゃありませんか(笑) 限定生産品で、そうそう数を揃えることが容易じゃないということでしょうけど、言うに事欠いてひどいは酷い。

ASW:INGOT 3のブリッジ接続時の出力は、4Ω負荷時で380W出せるそうです。2Ω負荷だと640Wだそうです。

長谷川:すごいですね。ちょっと聴いてみたい。

石田 功:でもペアマッチがとてもよくとれているのに、ブリッジにしたらもったいないですよね。

長谷川:たしかに。ブリッジにしなくてもこれほど評価されていますしね。

画像: 長谷川圭氏

長谷川圭氏

 少し私からも音の話をさせていただくと、このモデルはどんなスピーカーを組み合わせても鳴らしきるんじゃないかという気にさせませんでしたか? 昨年のグラウンドゼロのULTRAというモデルもすごかったけれど、でっかいアンプがドヤ顔でスピーカー動かしているのってどこか当たり前に見えてきてしまって、逆にこのINGOT 3のようにコンパクトな製品がスピーカーの実力の底までさらけ出すとなると、俄然かっこいいと思ってしまうんです。

 A級動作だから当然と言えば当然ですけれど、たくさん電流流してる音してますよね。石田さんがおっしゃったリアルな音、ぴったりな表現だと思います。これを手に入れらた方はラッキーですね。

ASW:限定生産モデルということで、日本市場に入る数がどのくらいかわかりませんので、気になる方はまずは取り扱っているフェリースソニード社へご確認いただくのがよろしいかと。みなさんありがとうございました。

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