画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2023:ケンウッド 彩速ナビType M Grand Prixスペシャルレビュー

グランプリを獲得したケンウッドの彩速ナビType M、その魅力とは。ここでは選考委員から長谷川圭氏と脇森宏氏のレビューを紹介する。

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2023:ケンウッド 彩速ナビType M Grand Prixスペシャルレビュー

中域が充実した芯のあるサウンドは、まろやかかつ骨太な印象
なによりもヴォーカルは男声でも女声でも潤いを感じさせる

文=長谷川 圭

 JVCケンウッドの彩速ナビType Mは本グランプリの常連となって久しい。例年、着実に進化を感じさせる実力機ながら並みいる高級機の中において比較的リーズナブルな販売価格というのは、本機を推す身としてうれしい。2023年モデルは、ナビ機能面で音声操作機能が強化されるなど、オーディオ機能や性能面でのブラッシュアップは特に公表されていない。だが、実際に音を確認すると前年モデルよりも質の向上を感じるのである。

 ただ、その音についての印象を言葉にすると、“普通にいい音”が最も適しているのではないかと思うのである。どんなジャンルの曲でも、そつなく鳴らす。しかもボリュウムの大小も関係なく。そして、細かい情報まですべて描けている感じではないものの、音楽の構成要素は過不足なく再生している。なにより見事だと思うのはその音楽性に富んだ表現力だ。この印象は、彩速ナビType M歴代モデルに通じている美点と認識していて、実はこうした能力を失わずに進化を重ねるのは簡単ではないはずで、確乎たる技術の上に成立しているのだと信じている。レコーディング技術がフィードバックされた同社独自のK2テクノロジーの威力なのかもしれない。オールインワンコンポーネントの優秀機ということができるだろう。 

 AVナビ市場において、BluetoothのハイクォリティモードLDACに対応したり、MQAの再生を可能とし、DSD対応も果たすなど、デジタルファイルの高音質再生能力を充実させている点も見逃せない。

耳当たりのよさが印象的な音だが、浅薄さは微塵もなく
音楽の抑揚やダイナミズムもしっかり伝えてくる

文=脇森 宏

 “彩速”をキャッチフレーズに掲げるケンウッド-カーナビの最上位機種。9型の大画面ディスプレイを採用するフローティング機構採用モデルで、幅広い車種への装着を可能にしている。同ブランドのナビはなんといっても総合力の高さが魅力だが、その要素のひとつが彩り鮮やかな大画面ディスプレイの強みを生かした表示性能。ナビはもとよりさまざまな表示画面において、優れた視認性が的確かつスムーズで迷いのない操作を可能にしてくれる。Androidスマートフォンとのワイヤレスミラーリングにも対応、さまざまなコンテンツを高画質で楽しむこともできる。「ハイ彩速」と声をかけ候補ワードを発するだけでナビの操作ができる音声操作は業界トップクラスの全108操作、242ワードに対応。“速”の性能を強力にサポートしている。

 サウンド面では、すべてのソースを192kHz/32bitのデジタルデータにアップコンバートした後に音楽信号に変換する機能に加え、CDや圧縮音源の音の欠落や劣化を補正するK2テクノロジーを搭載。WAV/FLAC/DSD等のハイレゾ音源にも対応している。

 音はきめ細やかでスムーズ。仄かな温かみを宿した音が心地よい。一聴、耳当たりのよさが印象的な音だが、浅薄さは微塵もなく、音楽の抑揚やダイナミズムもしっかり伝えてくるあたりが同ブランドの音作りの真骨頂。K2テクノロジーはソースによって効果の度合いが異なるが、補正が有効なソースは音の深みと艶が向上する。純正スピーカーでも本機の特質は発揮できるだろうが、できれば良質なユニットと組合せてより良いサウンドを追求したい。

画像1: 耳当たりのよさが印象的な音だが、浅薄さは微塵もなく 音楽の抑揚やダイナミズムもしっかり伝えてくる

ケンウッド KENWOOD
AV Navigation
MDV-M910HDF、他 彩速ナビType M
オープン価格

SPECIFICATION
MDV-M910HDF
●AV一体型メモリーナビゲーション
●画面:9V型HD静電容量方式タッチパネルフローティングディスプレイ
●外形寸法:W178×H100×D158mm(本体)、W251×H137×D22mm(パネル部)
●重量:2.2kg(本体)、1.2kg(パネル部)
MDV-M910HDL
●AV一体型メモリーナビゲーション
●画面:9V型HD静電容量方式タッチパネル
●外形寸法:W234×H134×D190mm
●重量:2.6kg
●車種専用機
ー以下共通ー
●内蔵パワーアンプ最大出力:50W×4
●プリアウト最大レベル:2.2V
●再生メディア(フォーマット):地上デジタルTV、DVDビデオ、CD(MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA対応・最大PCM192kHz/24bit)、Bluetooth(音声コーデック・LDAC/SBC/AAC)、USB(USB1.1/2.0HighSpeed、最大供給電流・1A、FAT16/FAT32/exFAT、MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA、DSD対応・最大PCM192kHz/24bit、DSD最大11.2MHz/1bit)、SD(最大2TB対応、MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA、DSD対応・最大PCM192kHz/24bit、DSD最大11.2MHz/1bit)、SMART USEN(スマートフォンアプリ経由)、
■DSP・スタンダード時
●デジタルイコライザー:13バンドグラフィックイコライザー
●ホールシミュレーション:プリセット・6モード(反射音のレベル3段階、ディレイタイム3段階調整可)
●ミュージックバスブースト:OFF〜3段階
●ミュージックラウドネス:OFF〜2段階
●DRIVE Equalizer+:OFF〜3段階
●K2テクノロジー機能
●リアライザー:OFF〜3段階
●サウンドライザー:OFF〜3段階
■DSP・プロモードEQ時
●ピーキングフィルター
●ハイパスフィルター、ハイシェルビングフィルター、ローシェルビングフィルター、ローパスフィルター
●デジタルイコライザー:9バンド+2バンド+2バンド+1バンドパラメトリックイコライザー
●付属品:GPSアンテナ/地上デジタルTV放送専用フィルムアンテナ/ハンズフリー通話用マイク/取付部品一式

画像2: 耳当たりのよさが印象的な音だが、浅薄さは微塵もなく 音楽の抑揚やダイナミズムもしっかり伝えてくる

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