画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2021:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 ダイヤトーン DS-G400 スピーカーの魅力を語る

オートサウンドウェブグランプリ2021のブロンズアワードを獲得したダイヤトーンの2ウェイスピーカーDS-G400。ナノカーボン技術を独自に昇華させたNCV(ナノカーボンヴェロシティ)コーンの最上級型であるDS-SA1000と同仕様のMCV-Rコーンをウーファーに採用。そして、トゥイーターにもこのNCV-R素材を使ったドーム&コーンダイアフラムを採用。アッパーグレードの製品に用いられていた素材を使いながら、価格を税込11万円という戦略価格で販売するという快挙をやってのけたG400。グランプリ選考メンバーはこの新スピーカーをどう聴いて、どのように評価したのか、ここにご紹介しよう。[編集部]

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画像: オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー
[石田功、鈴木裕、藤原陽祐、黛健司、脇森宏、長谷川圭]
(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2021:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 ダイヤトーン DS-G400 スピーカーの魅力を語る

ASW:Auto Sound Web Grand Prix 2021のブロンズアワードを獲得となりました、ダイヤトーンの「DS-G400」2ウェイスピーカーについて、皆様のお話を伺いたいと思います。DS-G400の登場にともなって、既存のDS-G300(8万8千円[セット/税込])は生産が終了となっていますから、事実上のモデルチェンジという事になろうかと思います。こちらの製品、評価したポイントをうかがわせてください。まず鈴木先生からお願いします。

鈴木 裕(以下、鈴木):まず鳴り出した音を聴いて『なんと鮮度感が高くて、瑞々しくて、ツヤッツヤしてて、こんなに、なんか、あの、剥きたての卵のような音があるんだろうか』という驚きがありました。同時に音の剛性感といったところもしっかりしているんですけれども、それが重たくて固いのではなくて、言ってみれば骨格がたくさん張り巡らされていて剛性感を出しているのではなくシェル自体がとても薄くて固くてといったイメージの俊敏さをともなっています。これは聴いたことが無い次元の音に到達しているなと感じました。

 調べてみると、NCV-RというDS-SA1000のウーファーに使っている素材を、このG400のウーファーに採用、というかほとんど振動板そのものを流用している感じですが、これをトゥイーターにも使っているんです。出音にその良さが溢れているんです。とても鳴らしやすい印象もありましたし、特にポップスなど、ひとつひとつの楽器を録ってミックスダウンしたような楽曲だと、美しいオブジェを見ているような気になってくるんです。日本のオーディオはここまで来たのかと思わせられたスピーカーでした。

 余韻が凄く綺麗で、反応が良いという評価にもつながるんですけれど、演奏のタイム感とかグルーブ感というのがとてもよく出てきて、そこが音楽を聴く楽しさにつながるんじゃないのかなと思います。この11万円はとてもお買い得ですよ。凄いスピーカーです。

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ASW:ありがとうございます。石田先生はいかがでしたか?

石田 功(以下、石田):2ウェイで、それぞれのユニットで同一素材の振動板を使っている良さというのがとても出てましたね。上から下まで本当に音色が統一されているのがよくわかります。そして分解能がとても高く、情報量も多く聴くことができる。普段聴き慣れた楽曲でも、このスピーカーを聴いて初めて気付いた音というのもあって、情報量の多さに驚かされました。鈴木さんもおっしゃっていた鮮度感には、僕もびっくりしました。

 試聴室で音を確認した時、このDS-G400の後に高額なスピーカーが続いたわけですけれど、これに勝るモデルが現れることがなかった……(笑)。

一同:(笑)。

石田:それくらいでしたので、そうとう良かったという印象です。で、これが11万円ですからね……。

鈴木:これは……ねぇ……。

石田:ちょっとこれは、価格破壊というか、もはや高いスピーカーいらないだろうと思ってしまうほどのパフォーマンスでしたね。

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ASW:ありがとうございます。続いて黛先生のご意見を聞かせてください。

黛 健司(以下、黛):ダイヤトーンのカーオーディオ用スピーカーって、振動板素材に凝って、他のメーカーでは使えないようなものを導入していたりしてきましたけれど、リリースされる製品に波があるなという印象を持っているんです。最初のボロンを使っていたDS-SA1の頃にすごくいいなと思っていたけれど、その後少し停滞期のような物もあったように感じていたんです。それがこのDS-G400を聴いて、ダイヤトーンを名乗ってはいるものの、音は大きく様変わりをしたと感じるくらい良くなっていました。

 DS-G400を聴いてみると、これまでのダイヤトーンというのは表現力の幅が狭かったのだろうなと思うんです。このスピーカーは、そうとう懐広く深く、いろいろなものを全部……演奏家の想いまでも音として伝えてくれるだけの能力を持っていると思うんです。この音を聴きながらはじめて、今まではどこかが欠けていて、それがゆえに僕は何か不満を持ってダイヤトーンを聴いていたんじゃないかと気付かされました。そういう意味では、ここ何年かのダイヤトーンのスピーカーでは圧倒的に完成度が高いです。余談ですがアルパインのAVナビで聴いてみたかったな。

鈴木:そうなんですよね!

:時間が無かったこともあって、その組合せの音を聴くことは叶わなかったんですけどね。鈴木さんもおっしゃってましたけど、日本の製品の音って独特なものがあるじゃないですか。でもそれが、完成度が上がってきたから……以前はどうしても輸入製品のものの方が魅力度という面で勝っていることが多かったですけれど、日本製品でなければ出せない精緻な音というのが音楽の魅力につながるようになってきた成果が、このDS-G400やアルバインのビッグXなどで凄いレベルに達したなと感じられますね。

 日本の製品じゃないと出せないような繊細な音というので、良い音というのをこの不達を組み合わせたらどう聴かせてくれるのか、できればクルマに着けて聴いてみたいと思ってます。

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鈴木:おっしゃるとおりです。僕も聴きたい。

ASW:熱の籠もったお話ありがとうございます。では次に脇森先生、お願いします。

脇森 宏(以下、脇森):僕はDS-SA1というモデルをずっと使っているんですけれど、それと比べるとやはり凄く洗練されています。情報量という面ではSA1でもけっこうあるんですが、あと振動板がトゥイーターとウーファーで違っているとかね、そのあたり聴感上気になるところもある。そういうのがありつつ、長く聴いているとそこが楽しくなってくるという一面も持っているんです。

 それはさておき、DS-G400では、振動板素材が統一されていて全帯域の音がスムーズにつながっていて、これはダイヤトーンというブランド内での第2のステップというかね、新たな世代へ行ったのだろうなと思いました。フラッグシップのDS-SA1000は、すごく値段も高くてなかなか手が出せないのだけれど、これならSA1000が持っているポテンシャルやニュアンスがこの値段で手に入る。誠に結構なことですねと言いたくなるわけです。いいスピーカーに仕上げましたよね。

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ASW:ありがとうございました。それでは藤原先生、お願いします。

藤原陽祐(以下、藤原):この内容でこの値段は、ほんとにアレですよ……。

一同:(笑)。

藤原:今まで買った人は……。

鈴木:それを言っちゃあ……(笑)。

藤原:これまでのモデルを買った人はどう思うかなと心配になりますね。でも、それほど出来が良い。応答性の良さとか、ピシッとくるフォーカス感とか、表現力が凄く鮮度の高い音がパッと出てくる感じは、とても新鮮な体験でした。とはいえ、これは個人的な好みになってしまうんですけれど、僕はどちらかというと紙に近い素材の音が好きで、このナノカーボンの振動板から飛んでくる音は、すごいんだけれど、好み的にはちょっと……。少し固さというか独特なものを感じるんです。でも、好みから少し外れていてもスピーカーとしても能力の高さはすごくあるので、評価したいと思いました。

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ASW:ありがとうございます。最後に長谷川先生はいかがでしょう。

長谷川 圭(以下、長谷川):このDS-G400になって、ようやくダイヤトーンがNCVという素材を使いこなせるようになったのかなと思いました。

石田:じつは僕、最初このモデルを見くびっていたんですよ。この前のモデルが300でその前が500で20というのもあって、モデルナンバーだけ見るととても期待できると思えなかった。

長谷川:私もそう思ってました。ところが鳴らしてみると、すごくマトモじゃんと思って、どうしたダイヤトーンと思ったくらいでした。こまかな音の印象は、すでに皆さんがおっしゃった通りなので、繰り返しませんが……。これまでダイヤトーンは手頃な価格の製品を作ると、どうしても“それなり”なパフォーマンスという印象を持っていました。G500がなくなり、10万円を切ったG300が終わってこのG400で、少し価格は上がったけれど、大丈夫だろうかと心配すらしていたんです。ところがG500よりもG400の方が断然印象が良いんです。

石田:明らかに500より良いですよ。

長谷川:500も、それ以前のものと比べたらだいぶ良いスピーカーだったんですけれど、それをはるかに上回るパフォーマンスだと感じました。ダイヤトーンがナノカーボンを使って出したかった音が、ようやく出せたんじゃないのかなと思いました。

石田:ウーファー振動板はSA1000と同じでしょう。

長谷川:バスケットフレームがキャストから樹脂に変わってますよね。高密度の樹脂フレーム……。

鈴木:これは、金属よりも適しているのかもしれないですね。

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長谷川:もしかすると、価格を下げたくてこのフレームを採用したというよりも、最適解がこのフレームで、より良いパフォーマンスが発揮できるという結論が先にあって、作ってみたら価格が下げられたということかもしれないですね。ひじょうにお買い得だと思います。

 DS-SA1000は、ユニットの性能がとても高いのはわかるんですけれど、あのスピーカーは鳴らしにくいという記憶が……。

鈴木:鳴らしにくいですね。実際にSA1000を搭載したクルマを聴く機会は何度もあったんですけれど、良い音はしているけれど、それなりに苦労されているのがわかります。

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長谷川:そういった所を考えると、このDS-G400の方がより手軽に良い音が手に入るだろうと思いました。お勧めしたいですし、メーカーにも長く販売してもらいたいと思います。

ASW:みなさん、かなり熱の入ったトークになりましたが、それだけ良いスピーカーだということですね。ありがとうございました。

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