画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2021:マイクロプレシジョン7-Series MONO Amplifierパワーアンプが受賞した理由
画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2021:マイクロプレシジョン7-Series MONO Amplifierパワーアンプが受賞した理由

今回試聴したアンプの中では段違いの解像力の高さを持つ
楽器特有の良さが聴けるリアルな音を再生

文=石田 功

 クルマ好きならピンとくると思うが、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズと、なんだかBMWっぽいネーミングでパワーアンプのラインナップを展開するマイクロプレシジョン。やはりドイツ・メーカーの製品である。今回は最上位である7シリーズのモノーラル・アンプを聴いたのだが、ペア(ステレオ)で70万円を超える高額アンプだけあって、今回試聴したアンプの中では段違いの解像力の高さを持つ。たとえば今回試聴した曲の中で印象的だったのはピアノ、アコースティック・ギター、ヴォーカルのトリオによるバラード。この曲はところどころにアコースティック・ギターの短いフレーズが散りばめられているのだが、ともするとピアノの音に埋れてしまって聴き取りづらい部分もある。ところが、このアンプに替えて聴いたところ、細かいギターのフレーズがつぶさにわかる。音色も自然でアコギの柔らかさを出しながら音像がはっきりと浮かび上がってくるのだ。これはすごいとしか言いようがない。

 ヴォーカル音像の高さも印象的だ。通常ならおよそ20度ほど上を見上げた高さにヴォーカルの音像が現れるのだが、このアンプに限っては45度ほど見上げた高さにヴォーカル音像がはっきりと現れる。このあまりの高さが良いのか悪いのかは判断に悩むところではあるが、スピーカーの配置によっては音像が低くなりがちなカーオーディオでは有利に働くに違いない。

 もう1曲、試聴に使用したインストルメンタルでも芯のあるベースが良いし、左右に分けたツインドラムの細かいドラミングまでしっかりと聴こえて、なんだか音数が増えたような印象がある。そして驚いたのがシンセサイザーの音色。キーボーディストはドイツ製のモーグのシンセを使用していて、レコーディング中にも「あのシンセの音、すごく良いね」なんて話をしていたのだが、その音の良さがはっきりとわかるのだ。それだけ、音がリアルということ。楽しさとか力強さでいえば昨年のダモーレのほうが上の気がするが分解能や正確性、リアルさではこちらが上といえるだろう。

一切の妥協なく信号増幅のみを行っていることがわかる音
本機と優秀なスピーカーのマルチ駆動システムを聴きたいと思った

文=長谷川 圭

 マイクロプレシジョンのパワーアンプとして2作目となる7-Sereis MONO Amplifierは、そのモデル名のとおりのモノーラル機である。7-Seriesは同ブランドのフラッグシップを示すナンバリングで、スピーカーラインナップでは7、5、3と3つのグレードが設定されていることからうかがい知ることができる。

 本機は電源回路と信号増幅回路を別々の基板とした内部構造を採用、前作の4チャンネルモデル「Z-Studio 4ch Amplifier」と同様の設計コンセプトを踏襲している。また、入力感度調整には一般的な可変抵抗器ボリュウムを使用せず、DIPスイッチによるセレクター方式とするなど、こだわりのデザインとしている。このあたり、できうる限り正確な動作をするように検討した上で完成されたことがわかる。

 一切の妥協なく信号増幅のみを行うというのはこういうことなのだろうと納得させられる音。一聴して感じた偽らざる印象である。一つの筐体で単一チャンネルのみを処理するから当然なのだが、2機によるステレオ再生は整然かつ広大なサウンドステージを展開する。しかも、あらゆる楽器、声はそれぞれの個性となる倍音まで美しく再生する。そして、『この曲にはこんな音まで入っていたのか』と気付かされた。

 グランプリ2020に続く2年連続受賞を果たしたマイクロプレシジョンのパワーアンプ。ペアの税込み価格が¥704,000と、1チャンネル当たりの価格は4チャンネル機を上回ったが、それだけの価値は充分にある。このモデルでなくては聴くことのできない音世界を持っているのだ。

 聴き終えてから、このアンプと優秀なスピーカーユニットからなるマルチアンプドライブシステムに採用した音を聴きたいと思った。おいそれとプランニングできるカーオーディオシステムではないのだが、もし構築できたなら……心躍る自分がいる。

画像: 一切の妥協なく信号増幅のみを行っていることがわかる音 本機と優秀なスピーカーのマルチ駆動システムを聴きたいと思った

マイクロプレシジョン MICRO PRECISION
7-Series MONO Amplifier
¥704,000(ペア/税込[受注生産品])

SPECIFICATION
●定格出力:150W x 1(4Ω)、280W x 1(2Ω)、500W x 1(4Ωブリッジ/2台連結時)
●周波数特性:5Hz~80kHz(-2dB)
●全高周波歪率:0.004%
●SN比:112dB
●ダンピングファクター:2073(10W,4Ω負荷)
●入力インピーダンス:39kΩ
●動作電圧:9V~16V
●アイドリング電流:±0.45A
●外形寸法:W100×H65×D340mm(1台)
●重量:2.46kg(1台)

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