画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2021:ケンウッド「彩速ナビType Mシリーズ」AVナビゲーションが受賞した理由
画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2021:ケンウッド「彩速ナビType Mシリーズ」AVナビゲーションが受賞した理由

JVCケンウッドならではの高音質技術「K2テクノロジー」搭載機
歌声は手を伸ばせば触れられそうなほど生っぽく、ほんのりと温かい

文=藤原陽祐

 ケンウッドの「彩速ナビ」、最上位ラインとなるタイプMシリーズの9V型大画面モデル。新たにチューニングされた「新・HD描画マップ」が大きなセールスポイントとなるが、実は音質へのこだわりが半端ない。

 まずクルマ特有の振動の影響を抑えるために、本体パネルにクロス形状の絞り加工を施し、剛性をアップ。振動、共振を低減することで、音像の定位、奥行き感に大きな効果が得られるという。

 回路面で注目されるのは、音楽デバイスから入力部、32bitDACシステム、プリアンプ出力部といった各回路にアイソレーションアンプを投入していること。デジタルノイズやクルマ特有のグランドループノイズの低減に効果的で、結果としてシステム全体のS/N感に余裕が生れている。

 そして最後の仕上げは、伝家の宝刀、「K2テクノロジー」(以下K2)だ。周波数、ビット長の拡張により音質改善を図る技術は特に珍しいものではないが、K2はその域に止まらない。単に入力信号をアップコンバートするのではなく、スタジオ収録されたオリジナルマスターからCD化、あるいは圧縮音源化される過程で欠落した音楽信号を復元し、可能な限りオリジナルマスターに近づけ、再生を行うというもの。長年にわたり、音源の収録から編集、制作まで手がけてきたJVCケンウッドならではの技術と言っていいだろう。

 K2はハイレゾ音源はもとより、CD、DVDや音楽配信、さらには地デジ、ラジオなどにも有効。192kHz/32bitのデジタルデータにアップコンバートされ、本来あるべきクォリティに蘇らせるという魔法のような技術だ。

 まずは聴き慣れたCDをオリジナルの周波数で再生してみたが、中低域を盛り上げて、雰囲気良く聴かせるのではなく、フラットに、ワイドレンジを追求した、ハイファイ調の聴かせ方で、品位が高い。奥行き、高さ方向への空間の拡がりと、ピッチを正確に刻んでいくリズム感の良さが持ち味だ。

 そのままK2をオン。すると輪郭のきつさがフッと和らぎ、微小な響きがスピーカーから分離されるのが分かる。歌声は手を伸ばせば触れることができそうなほど生っぽく、ほんのりと温かい。K2のメリットも期待していた以上に大きかった。

多彩な音源を手軽に楽める高音質に貪欲なAVナビ
音楽の抑揚感が的確かつ充分に伝わってくる

文=脇森 宏

道案内から通信、車内でのエンターテインメントまで多彩な要求を一手に引き受けるAVナビは近年、各社一様に諸性能が向上しブランドによる差異や格差は少なくなっているようだが、それでもさまざまな機能を満遍なく高水準にまとめあげた総合性能重視派と、得意とする機能を追求した特定機能重視派に分かれるようだ。ケンウッドは前者の代表格。さまざまな機能を丁寧にブラッシュアップし、年を追うごとに着実な進化を遂げている。

MDV-M908HDFは、ケンウッド彩速ナビの最上位モデル。彩速ナビ史上最高画質というフローティング構造の9型HDパネルで“彩”を追求、独自の圧縮技術であるS3フォーマットやデュアルコアCPUの採用等により、ハイレスポンスな操作系を実現している。さらに本機は、俯角を1度単位で変更できる機能や新しい地図色を新たに採用、ナビ機能が一段と強化された。

“彩速”の名に隠れがちだが、オーディオ機能も従来から高水準にあるのは御存知のとおり。MP3をはじめとする身近なフォーマットからFLAC、WAV等の高音質フォーマットまで幅広く対応、多彩な音源を手軽に楽しむことができる。さらに今後、注目されるであろう高音質フォーマットのMQAや、Bluetoothが高音質で再生可能なコーデックLDACまで率先搭載するなど、高音質に貪欲だ。加えてCDやDVD、iPhone等からラジオに至るまですべてのソースを192kHz/32bitのデジタルデータにアップコンバートした後に音楽信号に変換する機能のほか、オリジナルマスターをCDや圧縮音源など制限のあるフォーマットに収める際に生じるデータの欠落や劣化を復元する独自のK2テクノロジー機能も搭載している。

音はスムーズかつ繊細。仄かな温かみを含んだ音色が心地よい。いささかスリムな音ながら、神経質なところは微塵もなく、端正な絹目のサウンドを楽しむことができる。それでいて、音楽の抑揚感が的確かつ充分に伝わってくるあたりが、同ブランドの音作りのうまさだろう。“彩速”に加えて、万人が納得するであろうこのサウンド。やはり総合性能重視派の旗手に相応しい。

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2021:ケンウッド「彩速ナビType Mシリーズ」AVナビゲーションが受賞した理由

ケンウッド KENWOOD
MDV-M908HDF/他、彩速ナビType Mシリーズ
オープン価格

SPECIFICATION
MDV-M908HDF
●AV一体型メモリーナビゲーション
●画面:9V型HD静電容量方式タッチパネルフローティングディスプレイ
●外形寸法:W178×H100×D159mm(本体)、W258×H137×D22mm(パネル部)
●重量:2.3kg(本体)、1.2kg(パネル部)
MDV-M908HDL
●AV一体型メモリーナビゲーション
●画面:9V型HD静電容量方式タッチパネル
●車種専用機
MDV-M808HDW
●AV一体型メモリーナビゲーション200ワイドパネル
●画面:7V型HD静電容量方式タッチパネル
●車種専用機
MDV-M808HD
●AV一体型メモリーナビゲーション2DINモデル
●画面:7V型HD静電容量方式タッチパネル
●車種専用機
ー以下共通ー
●内蔵パワーアンプ最大出力:50W×4
●プリアウト最大レベル:2.2V
●再生メディア(フォーマット):地上デジタルTV、DVDビデオ、CD(MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA対応・最大PCM192kHz/24bit)、Bluetooth(音声コーデック・LDAC/SBC/AAC)、USB(USB1.1/2.0HighSpeed、最大供給電流・1A、FAT16/FAT32/exFAT、MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA、DSD対応・最大PCM192kHz/24bit、DSD最大11.2MHz/1bit)、SD(最大2TB対応、MP3、AAC、WMA、WAV、FLAC、Vorbis、MQA、DSD対応・最大PCM192kHz/24bit、DSD最大11.2MHz/1bit)、SMART USEN(スマートフォンアプリ経由)、
■DSP・スタンダード時
●デジタルイコライザー:13バンドグラフィックイコライザー
●ホールシミュレーション:プリセット・6モード(反射音のレベル3段階、ディレイタイム3段階調整可)
●ミュージックバスブースト:OFF〜3段階
●ミュージックラウドネス:OFF〜2段階
●DRIVE Equalizer+:OFF〜3段階
●K2テクノロジー機能
●リアライザー:OFF〜3段階
●サウンドライザー:OFF〜3段階
■DSP・プロモードEQ時
●ピーキングフィルター
●ハイパスフィルター、ハイシェルビングフィルター、ローシェルビングフィルター、ローパスフィルター
●デジタルイコライザー:9バンド+2バンド+2バンド+1バンドパラメトリックイコライザー
●付属品:GPSアンテナ/地上デジタルTV放送専用フィルムアンテナ/ハンズフリー通話用マイク/取付部品一式

This article is a sponsored article by
''.