画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2019:Gold Award獲得カロッツェリア サイバーナビの魅力を語る

オートサウンドウェブグランプリ2019で、最高評価のゴールドアワードを獲得したカロッツェリアのサイバーナビ。インターネット環境をフル活用できる新たな機能を搭載し、“つながるナビ”を実現。9V型に拡大した画面はHDクォリティとし、観やすさも格段に向上させている。サウンド面に関しても、昨年モデルからの大幅な改善を果たしたという。ここでは、オートサウンドウェブグランプリの選考メンバーによる座談会をご紹介する。サイバーナビの音の印象をはじめ、その魅力がどのように語られたのか、じっくりお読みいただきたい。[編集部]

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2019:Gold Award獲得カロッツェリア サイバーナビの魅力を語る

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー
[石田功、鈴木裕、藤原陽祐、黛健司、脇森宏、長谷川圭]
(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

画像: 受賞製品の魅力を語り合うオートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から鈴木裕氏、脇森宏氏、長谷川圭氏、石田功氏、藤原陽祐氏、黛健司氏。

受賞製品の魅力を語り合うオートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から鈴木裕氏、脇森宏氏、長谷川圭氏、石田功氏、藤原陽祐氏、黛健司氏。

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2019:Gold Award獲得カロッツェリア サイバーナビの魅力を語る

ASW:みなさん、グランプリの選考お疲れさまでした。早速ですがゴールドアワードを獲得しましたカロッツェリア サイバーナビの魅力についてお話をうかがわせてください。石田さんからお願いします。

石田:まず、このサイバーナビが車内のWiFiスポットになることによって、AmazonのFire TVが見られるようになったり、YouTubeが見られるようになったりします。通信容量が無制限というのも素晴らしいですよね。音の良さということの前に、この新しいコンセプトがすごい。よくここまでやったなと思います。それからカッコもいいじゃないですか、ボタンを無くして……。

画像: 石田功氏

石田功氏

ASW:フラットパネルデザインになってハードキーが消えましたね。

石田:そう。そのおかげか、あまりデカく見えないですよね。スッキリしたデザインになったせいでしょう。今までのナビと違った印象があって素晴らしいと思います。

ASW:鈴木さんはいかがですか?

鈴木:この1年で、他社のナビと比べてこれほどまでに差が付くものかと感じたのが率直なところです。S/Nの良さというのが音全般に効いていて、“音がよく聴こえてくる”し、音楽の演奏のニュアンスが素晴らしかったです。昔のカロッツェリアχの持っていたシャープさであるとかHi-Fiの凄味というか、そういうものの片鱗を聴かせてくれる部分もあり、『あぁ、AVナビもここまできたか』という感じがしましたね。

 たとえばUSBメモリーを接続する、CDを聴くのはもちろんですけれど、自宅にあるNAS……ミュージックサーバですね、今のところアイオーデータとバッファローに限られますが、そのNASのデータを再生して『こんなに音がいいのか』という体験は驚きでした。

 そもそも、ナビのライバルというのはスマートフォンであって、そのスマホにできないことを最大限徹底的にやってきたようですね。地図の自動更新にしても4年間無料でできたり、音の良さ、画面の美しさといった要素です。スマホを超える、スマホでできないことをいっぱいやるという戦略みたいなものが徹底されていて、うまく造り込まれていますね。

画像: 鈴木裕

鈴木裕

石田:19年サイバーナビは、従来機と比較してライン出力のノイズのフロアレベルが8dB下がっているんですよね。

ASW:内蔵アンプでも4dBも下がっていますね。

石田:8dB下げるって凄いことですよね。

藤原:凄いよね。-3dBで半分だものね。

鈴木:聴いて明らかな違いが出てましたね。一聴して『サイバーナビ、こんなに音がいいんだ!?』ってなりました。

藤原:ネットワークスティックが同梱されたDCモデルで、docomo in car connectに対応しているという、いわゆる“つながる”ナビなわけです。内容的にはPCにひじょうに近い造りになっていて、きっとノイズの対策なんかも大変だと思うんですけど、それと一緒にオーディオもキチッと作ってきたというのは大したものですね。しかもノイズフロアをあれだけ低減させてきたわけで、それをまとめてやっているというのが見事です。はじめ、こういうのを立ち上げるときというのはどうしても技術的に先行する部分というか、ナビ部分のところに手がかかってなかなかオーディオまで回らなくてその次に(次期モデル)でやりますというケースがひじょうに多いんですけど、これは一緒にレベルを上げたというのは大したものだなと思いました。鈴木さんがおっしゃったように、自宅のNASが快適に呼び出せたり、DIGAレコーダーの中身まで観られるんですよね。ネットワークスティックをつければ、ネット環境があるのでNETFLIX、YouTube、AMAZON VIDEO……などが観られて、もうこの快適さは家に居るのとそう変わらないくらいのレベルです。

 しかも、このdocomo in car connectがけっこう安いんですよね。月額で1,000円相当(注:1年プランでチャージした場合)ですものね。

画像: 藤原陽祐

藤原陽祐

長谷川:サイバーナビでdocomo in car connectを契約するからその値段で利用できるんですね。日産新型スカイラインでも利用できますけれど、日産コネクトへの加入が必要になります。

石田:でも、4年目には12,000円の更新用SIMカードを買う必要があるので、実質利用料は高くなりますね。

藤原:とはいえ、地図データを有料で更新しようとなると、同じくらいのコストがかかりますよね。それを考えるとかなり良心的と言えそう。

石田:とても良心的ですね。

鈴木:ネット環境が本格的に導入されたことで、とても画像が綺麗だったり音がよかったりすると「もう5Gの時代ですからね」とい言われがちなんだけれど、これ5GじゃないんですよLTEなんですよね。3年後……そんなにかからないかもですけど……5Gに変わってなきゃいけない話と言えますよね。

藤原:そういうコネクテッド技術導入の入り口というか、先駆けということですね。音のことを言うと、内蔵アンプが凄いね。昨年、グランプリを受賞したAVナビも素晴らしいものがありました。カロッツェリアで言うとサイバーナビχシリーズも良かったけれど、少し線が細い印象もあった、もうちょっとドライブ力が欲しいみたいな……。そのへんが、今年のサイバーナビはとても洗練されてますね。S/Nがいいということなんだろうけど、音の艶とか、ちょっとざらついたところがない……パイオニアらしい音になった気がする。このパイオニアらしいというのはホーム用のコンポーネントで聴けるパイオニアの音です。馬力でグイグイやるよりも、しっとりというか艶のある、聴き心地のいい音を出すというのが僕のパイオニアの音のイメージなんですけど、とてもそれに近い音が出ているなと思いました。

 プリアウトも大したもので、今回特別賞になったブラックスのMATRIX MX4 PROと組み合わせて聴いたりもしたんですが、驚くような音が出てきますよね。

脇森:うん、そう。出てくるね。

鈴木:あれは確かに驚く音って言っていいでしょうね。

藤原:WiFiが使える高い機能性とパイオニアらしいサウンドクォリティというのが高次元でバランスされたいいモデルだなと思います。

:クルマの中にプログラムソースを持ち込まなくても音楽や映像が楽しめるようになったということで画期的な製品だと思います。

 プリアウトの回路にバッファーアンプを設けるなど、デジタルプロセッサー機能を大いに活かす姿勢なども評価できますね。内蔵アンプの音をよくしていながら、外部パワーアンプとの組合せを考慮しているのはこのモデルの注目点のひとつだろうと思います。

画像: 黛健司

黛健司

石田:2018年だと『あ、内蔵アンプ、意外といいね』だったんですけど、今年は『お、パワーアンプいいじゃん』と思いましたね。

脇森:ここまでネット接続についての話題などは皆さんがお話ししてくれたので、僕は音について。2019年のサイバーナビは音に関する気懸かりがなくなったような印象です。去年までのモデルだといい音なんだけど、やっぱりちょっとなんか途中で絞られているような感じあったと思うんです。今年になってそれがなくなってとてもスムースに流れるようになった感じがします。再生しているソースの音が、ばーんとそのまま出ているようなね。そのぶん内蔵パワーアンプの力も充分に発揮できているんだろうし、そんな音を聴いて『まだやるべきことがあったんだ……』と、去年に引き続き今年も感じました。だからこれだけの物ができてきてますから、よりスピーカーを見直して欲しいとも思います。「みなさん、もっとスピーカーに目を向けましょう」と言いたい。そのきっかけになるようなモデルが出てきたのかなと……。

長谷川:AVナビがクルマのソースユニット、音の送り出しのメインになって久しいかと思いますが、近年では送り出し側の音質向上というのが若干減速していたかなと感じていたりもしたんです。各社の新製品は、確実に良くはなっていたけれど、“ナビにしては”という文句が頭の中にありました。カロッツェリアで言えばカロッツェリアχで聴けるCDの音って、格別にいいもので、それとAVナビは直接比較できるものじゃありませんでした。それが、この2019年サイバーナビは、“ナビにしては”が取り払われた気がしました。それほど音のクォリティが高いと思いました。

藤原:それで言うと、他社でも音質は向上していて、特に内蔵アンプを聴くとプリアウトで外部アンプを使わなくても充分楽しめるなというくらいに良くなっていたりするんですね。でも、このサイバーナビは内蔵アンプもプリアウトも両方飛躍的に良くなっているから凄いなと思わせるんですよね。

長谷川:音はもちろんですけれど、個人的にサイバーナビが凄いなと思った所は……、石田さんが先ほどおっしゃったフラットパネルデザインになった事に触れましたけれど、ハードキーを無くしてデザイン性を向上させました。他メーカーでも画面周辺のベゼル部分を細くして表示面積を広くとったりという設計を推し進めました。ハードキーもパネルの下あごに必要最小限に配置したりという設計が主流なんですね。でも、最近のAVナビにはワイヤレスリモコンが付いていないんです。でもサイバーナビにはコントローラーが着いています。これを同梱しているということの素晴らしさを強調したいです。

 パイオニアでは……他メーカーもですが、走行中の操作をしないようにと謳っています。でも地図の縮尺を変えるといった操作は走行中にやりたくなりますよね。サイバーだとワイヤレスコントローラーでできます。他社製品でこの操作をしようと思うと、画面に表示されている地図縮尺変更ボタンを確認して、そこに狙いを定めて指を伸ばさなければならないわけです。あるいはスマホのようにピンチイン/ピンチアウトのアクションをしなければならないんですが、これが正確に作動するナビが結構少ない……。

藤原:それって結構ストレスフルな操作だよね。ダイヤルでできたらその方がいい。

長谷川:そうなんです。ですから、ドライバーが使う製品であることを常に考えて開発されたユーザーインターフェイスという点でも、サイバーナビは優れていると、評価しています。

石田:タッチパネルは直感的ではあるけれど、どうしても画面が汚れるしね。手油だらけになっちゃう。

長谷川:音については、鈴木さんもおっしゃいましたが、私もカロッツェリアχを彷彿とさせる部分を感じました。USBもSDもCDもついでにiPhoneを接続してストリーミングなども試したりして……。聴いているウチにどんどん楽しくなってきてしまって、気付くとずいぶん長時間聴いてました。試聴取材でこういう感覚になったのは久しぶりのことでした。この音体験は、多くの方にお勧めしたいと思いました。

脇森:その時にはぜひスピーカーをいいもので聴いて欲しいですね。

:あ、言い忘れてました。フラットデザインになったモニターですけれど、画質が素晴らしかったです!

全員:(笑)

鈴木:唐突に!(笑)

:地図もとても見やすくて、老人には優しいナビでした。

ASW:大事なことですね。ありがとうございます。

画像: 脇森宏

脇森宏

脇森:AVナビはここまできたけれど、クルマに純正装着されているスピーカーはどれもプアなので、ここで評価されているナビも純正ナビも違いが出にくい。残念ながら。なので何度も言うようだけれど、ここまでの製品を使うのであればスピーカーにも気をつけてそちらにも予算を割いてくださいと付け加えたいですね。

 車種別にサウンドチューニングデータがプリセットされているモデルもあるけれど、それだけでは乗り越えられない壁があるのも事実。やはり、それなりのスピーカーを持ってきてきっちり鳴らしたいですね。

ASW:いいAVナビだからこそ、いいスピーカーと合わせてその実力を発揮した音で聴いて欲しいということですね。

■問合せ先
パイオニア カスタマーサポートセンター
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