アンカー・ジャパンは昨日、都内でプレスイベント「ANKER Power Conference2026」を開き、今後の取り組みや各種新製品を発表した。主な新製品は下記の通り。ここではイベントの模様と、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「Soundcore Liberty 5 Pro」、および「Soundcore Liberty 5 Pro Max」について紹介したい。
●新製品
<モバイルバッテリー>
・Anker Nano Power Bank(MagGo,Plus) 夏頃発売 ¥11,990(税込)
<ポータブル電源>
・Anker Solix S2000 Portable Power Station 9/23発売 ¥179,900(税込)
<完全ワイヤレスイヤホン>
・Soundcore Liberty 5 Pro 5/27発売 ¥26,990(税込)
・Soundcore Liberty 5 Pro Max 5/27発売 ¥36,990(税込)
・Soundcore AeroFit 2 Pro 5/27発売 ¥26,990(税込)
・Soundcore C50i(ピカチュウモデル/イーブイモデル) 7月上旬発売 ¥13,990(税込)
<アクセサリー>
・Anker Style Pouch 5/27発売 ¥4,990(税込)
・Anker トラベルポーチ ピカチュウモデル 7月上旬発売 ¥3,990(税込)
さて、会の冒頭には同社CEOの猿渡氏が登壇して、直近の動向と今後の方針や各種新製品の特長について説明してくれた。簡潔にまとめると、2013年に日本法人を立ち上げて以降、充電器をメインにユーザーのラフスタイルを豊かにすることをサポートしてきた結果、国内での累計の製品の出荷台数が1億台を突破したという。例えれば、一人一台、アンカー製品を持っている計算になる。また、2025年の売上げは830億円を記録したそうで、前年よりも100億円以上もの伸長を果たしていて、1000億円も視野に入ってきた、ということだ。


一方で近年は、モバイルバッテリーが事由になる発火事故も多発しており、モバイルバッテリー市場で大きなシェアを誇るアンカーとしては、より安全性を高めた製品の必要性を強く感じ、それに対応する製品を開発、今夏より順次投入していくとしている。それが「Neo Lithium-ion Battery」となる。
モバイルバッテリーは、セル(箱?)の中に電気を貯めておく媒体(大まかに言うと、正負の電極が電解液に浸っている)を充填しているが、そのセルを強化するだけでは不十分だとし、電極と電解液に溶かす電解質、その両方の不純物を徹底的に排除し、経年変化に対する耐性を高めるとともに、アクシデント(穴があくなど)による酸素発生時にも副反応(ショート)を大幅に抑制することに成功したという。ちなみに不純物はこれまでの製品(?)に対し、667万分の1にまで低減しているそうだ。


加えて、筐体にも難燃性の素材を用いているほか、制御(マネジメント)システムについても改良を行ない、セルの監視精度の向上、異常検知時の対応(該当セルをロック)、経年使用による充電電圧の変化に対応した調整といった項目を管理・監視するようにすることで、バッテリーにくぎを刺すという過酷なテストにおいても、100%通過(つまり発火しない)する性能を備えるに至った、と自信たっぷりに話していた。

モバイルバッテリーへの釘挿しテスト。右は新仕様の新製品。挿しても発火しません、の展示
この第一弾商品が上述の「Anker Nano Power Bank(MagGo,Plus)」となる。予約自体はすでに可能で、発売は夏頃の予定だ。スペックは不明だが(すみません)、スマホを2回充電できるそうだ。


続いては、オーディオジャンルSoundcoreブランドの新製品「Soundcore Liberty 5 Pro」について紹介したい。Liberty 5 Proは、同サブブランドの中ではフラッグシップになるモデルで、現行の「Soundcore Liberty 5」や「Soundcore Liberty 4 Pro」に対して形状や機能が大きくことなることから、6 Proと命名してもいいような気がするが、何か狙いがあるのだろう。イヤホンの形状はBOSEに近くなり、収納ケースにはタッチ式のディスプレイが付き、各種操作・設定を手元でできるようになる。上位の5 Pro MAXでは、JBLのような大型ディスプレイとなった。

一番の進化点は、オーディオチップに、独自開発の「Thus」を搭載したこと。担当者の弁では、これまでのチップでは、演算処理を行なう際、使われる電力の約90%が、CPUとメモリー間のデータの移動に使われていたといい、つまり音響などの処理に使われる電力はたったの10%ということで、ここを改良することで、消費電力を大幅に下げられることに気付いたという。そこで、CPUとメモリーを一体化した、AI対応の新チップを開発。結果として、電力を抑えるとともに、演算能力をおよそ150倍に高めることに成功したという。

この高い演算処理と、8マイク搭載によって、ノイキャン機能の強化、通話NRの強化、さらにはドルビーアトモスへの対応も果たしている(ヘッドトラッキングにも対応。ただし、アトモスをオンにするとLDACは排他となる)。さらに、伝送によって劣化した音声を補完してくれる「AIサウンド補正」機能も搭載された(こちらもLDACとは排他)。


さて、「Soundcore Liberty 5 Pro」の上位モデルとなる「Soundcore Liberty 5 Pro MAX」も発表された。某ITメーカーのような命名だが、こちらは収納ケースが変わり、上述のように大型ディスプレイが付いたほか、アンカーでは発表済で6月に発売予定のAIボイスレコーダー「Soundcore Work(64GB)」と同様のAIボイスレコーダー機能が搭載されている。まだ細かいテストはできていないが、5 Pro MAXは、イヤホンと収納ケース両方をスマホに接続させる必要があり、AIボイスレコーダーを使うには(各種設定を済ませたうえで、ケースとスマホをBluetoothで接続し)ケースにて機能をオン(録音開始)すると、ケースのマイクを通して収音された会話がスマホへ送られ(録音され)、録音終了後にそのデータがクラウドへと送られて、文字起こしデータが生成される、という流れとなる。後日、その精度をテストしてみたい。

イヤホン部分は、5 Proと5 Pro MAXは同じで、音調としては、LDACで聴くと繊細さを感じるもので、ボーカルの分離感もよく、スッと歌い手の声が聞こえてくる。低音についてはノイキャンオフの状態でも低音は強めで、ノイキャンをオンにすると(NR量はマックスの5)低音はかなり強くなる。ノイキャンは新チップの恩恵か、かなり効果は高く、人の声も消してしまうので、電車内で使う場合は、NRの効きを調整したい。ちなみに、LDACはアプリでオンにすると、アプリの入っていないプレーヤーと接続してもLDAC接続は保持されていた。

「ドルビーアトモス」をオンにすると(LDACは排他なので、AAC接続)、スッと中高域が強調されるようで、上方空間が拡大するのが分かった。音楽コンテンツでも動画コンテンツでも楽しめそうだ。「AIサウンド補正」(こちらもLDACは排他なのでAAC接続)は痩せた音を補完してくれるようで、主に中域の密度感の向上を感じた。AACやSBCで聴いている人は、常にオンでもいいだろう。


ピカチュウモデル





