芸人で作家の又吉直樹が考案した「失恋カルタ」を元に創作されたオリジナルラブストーリー「失恋カルタ」が、MBS/TBS深夜ドラマ枠「ドラマイズム」にて、3月31日よりオンエア中だ。トリプル主演の体制で、梅澤美波(乃木坂46)、西垣匠、加藤小夏が、それぞれ27歳の等身大の若者を演じ、恋に悩みもがき続ける姿を繊細な演技と演出で魅せる注目のドラマとなっている。ここでは、3人の中で恋愛を冷めた目で見ている、ある種特異な人物の野田彩世(のだ あやせ)を演じた加藤小夏にインタビューを実施。役作りの苦労から今後の抱負まで、話を聞いた。

――よろしくお願いします。「失恋カルタ」への出演おめでとうございます。出演が決まった時はいかがでしたか?
 ありがとうございます。オファーをいただいて出演が決まるということが、すごくうれしかったです。加えて、又吉(直樹)さん大好きでしたので、原案が又吉さんと聞いて、脚本を読む前にすぐ、“やります、やりたいです”って返事をしました。しかも、企画書と一緒に送られてきた「失恋カルタ」を見て、まるで自分の記憶を思い起こしているような感覚になってもう、胸が引き裂かれるようでした。また、経験がないものでも、かつて経験したような感覚になって、すごく面白かったです。

――実際に、全話の脚本を読んでいかがでしたか。
 短い尺の中で3人のストーリーが展開していくので、初めは、果たして描き切れるのかなっていう心配もありましたけど、じっくりと読み進めていくと、一人一人のキャラが濃密に表現されていて、それぞれがそれぞれに生きていくんだろうなって思いました。個人的には、私演じる彩世の実家で過ごす3人の時間の流れが好きですね。

――彩世家の雰囲気は、室内のデザイン・両親のキャラ含めて、すごく昭和テイストでした。
 そうなんですよ。私もびっくりしました。

画像1: 等身大のラブストーリー作「失恋カルタ」、絶賛オンエア中。トリプル主演の一人「加藤小夏」にインタビュー

――次に、加藤さんが演じられた野田彩世の印象や役作りについて教えてください。
 彩世は、とてもネガティブなので、私とは似ていないと思いつつ、サバサバしている部分は、近しいところがあるのかなと感じました。私は常にポジティブだし、誰に対してもそうありたいと思っているのですが、彩世はそれができない。ただ、正直なところはいいなって思いました。

――主役の3名は みな、恋愛をこじらせていますね。
 そうなんですよ。行き過ぎる人(千波)と、行かなすぎる人(光)、そして内に籠ってしまう人(彩世)。内に籠っている時間が長いと、人と話す時に、自分でも思ってないような言葉が出てきてしまう。私も、初めましての人と話す時は、そうなってしまうことがあるので、分かる分かるって思いながら演じていました。

 その意味では、メインキャスト3人の中での彩世はかなり独特な存在で、自分の中で整理が出来ていないのに喋り続けてしまい、結局、何を言っているんだろうとなってしまうところは、しっかりしているように見えて、ギャップがあるなと思いました。

――役作りでは、何か参考にしたものはありますか?
 特に参考にした人・作品とかはないんですけど、完成した1・2話を見て、井樫(彩)監督を取り入れようとしていたのかなって気づきました。

――井樫 監督にはそういう雰囲気があるのですか。
 いえ、彩世に(性格が)似ているというわけではないんですけど、撮影が終了した後に井樫 監督にお会いした時に、ちょっとした動きというか雰囲気が彩世っぽく感じたので、当時は、それを取り入れようとしていたのかなと思いました。

 感情に関しては実際、分からないことも多かったので、行動やセリフを箇条書きにして、この時はこうだろうみたいな感じで、いろいろ書き出していました。

――彩世は、見た目と発言から、つっけんどんな感じも受けますが、基本、可愛いですよね。少しネタバレすると、後輩の村田から告白された時の反応に、それが表れていました。
 そうそう、恋愛というか人付き合いに慣れていないんですよ。どうしたらいいか分からない状態で生きているから、ずっとこじらせているんだろうな、と。

 ただ、恋愛をしてこなかったわけではないので、誰かを想う気持ちは、誰よりも知っているし、村田の真っすぐさは理解しているんです。村田の行動には、そうした葛藤・こじらせを超えて、その気持ちに応えたいと思わせてくれるものがあった。そんな村田の存在はいいなと思ったし、いい出会いだったと感じました。

――もし続編ができたら、二人のその後を見てみたいですね。
 ねっ、私も見たいです!

――さて、彩世だけでなく、千波も、光も、光の彼氏の陸も、本当にみんな、悩み通しています。
 そうですよね、千波は次々と新たな恋愛をしていきますが、ずっと地雷しか踏んでないし、光は光で気持ちをうまく口にできない。(光の恋人の)陸は陸で、自分が何に悩んでいるのかも分かっていないんでしょうね。悩んでいる湿度だけは感じましたけど。ただ、その先に未来があるはずなので、みんな早くその先に行きたいんですけど……超えられるのかな?

――超えてほしいと思いつつ、登場人物たちはみな、意外とメンタルが弱いので……。
 本当にそうでなんです。でも、それがいいんですよ。登場人物全員に、ちょっと矛盾しているところがあって、恋愛って、ただの被害者じゃなくて、加害者にもなり得るところがある。それがきちんと描かれているのがいいですよね。

――少しネタバレしますけど、後半では、仲良し3人組の間にも少し波風が立ちます。
 撮影はすごく嫌でした。苦しいし、本当に芝居したくなかったんです。基本、セリフ覚えはいい方なんですけど、芝居をしたくないせいで、セリフが抜けちゃうんです。段取りの時にセリフが全然出て来なくなってしまって……。本当に言いたくない言葉を発する時って、人はこうなるんだって、初めての感覚でした。

 芝居をしていてもすごく辛くて、みんなとずっと一緒に仲良くしていたいという気持ちが、心の中で渦巻いていました。今思えば、それだけ役に入り込んでいたのかなと感じています。

――映画のような被写界深度の浅いシーンも多く、映像の綺麗さとともに、感情移入もしやすかったです。
 そうですよね。考える余白がずっとある絵でした。そんなところまで見ていただいて、すごくうれしいです。

画像2: 等身大のラブストーリー作「失恋カルタ」、絶賛オンエア中。トリプル主演の一人「加藤小夏」にインタビュー

――加藤さんの中で、印象に残ったシーンはありますか?
 それこそ余白になりますけど、2話のラストで、光が陸の背中を見つめているシーンがあるんです。自分の中で言語化されていないんですけど、この感情知ってるぞ、すごいって感じました。

 台本を読んだ時から気になっていて、映像で見てさらにいいシーンだなって感じました。まあ、そもそもあの二人は言葉が少ないんですよ。あまりにも少ないので、うまくいかないのがもう分かってしまうんです。だから、見ていても苦しくなってしまって……。

――脚本を含め、監督、撮影監督、スタッフ、演者、総合力の結果ですね。
 ありがとうございます。本当にそう思います。又吉さんもインタビューで「女性が多い現場にしてほしい」と仰っていたので、その結果が出ているんだなって思いました。

――話を飛ばしますが、原案の“失恋カルタ”の中で、好きな句はありますか?
 「れ」(連絡しないでね、本当に、本当に)がいいですね、本当に大好きです。まず“連絡しないでね”って言っている時点で、連絡(着信)にめちゃくちゃ意識が行っているじゃないですか。どれだけ連絡を待っているのだろう、と。その子のこれまでの時間の経過もすごく感じるし、結果として、連絡が来ても来なくても、苦しい、と。その長く苦しい時間を、その一句で感じられるところが好きです。

――そういう経験が?
 ありますよ、若い時ですけど。連絡しないでほしいと思いながら、すごく連絡を待ってしまう。だから私は、その時のことがトラウマになってしまって、連絡が嫌いになって、アプリの通知を全部オフにしているんです。そうしたら、今度はその設定が変えられなくなってしまって(笑)。未だに通知がオフのままなので、誰からも連絡が来ない前提で生きています。

――月並みな質問になりますが、加藤さんのおススメポイントをお願いします。
 この作品は、今の時代にすごく合っていて、恋愛に悩む若者の姿が繊細に描かれているので見やすいと思いますし、先ほどもお話したように、恋愛ってどちらか一方が悪いのではなく、加害者にも、被害者にもなり得るんだっていうことが表現されているところに注目してほしいです。と言いつつ、ずっと苦しい感じが続きますけど、個人的にはそれがいいなと思うので、最後まで見届けてください。

――最後に今後の抱負をお願いします。
 作品に多く出演することで、今日こうしてインタビューしていただいているように、仕事だけでなく人とも繋がっていけるという経験が、13年この業界にいて、最近増えてきたように感じています。こういう縁をずっとずっと続けていけるのは、この仕事の良さだと思いますし、それをもっともっと広げていけたらいいなと思っています。

 加えて、最近ファンの方との距離が近くなって、応援してくれる声が多く届くようになったんです。それがすごくうれしくて! なので、ファンの方たちにもっともっと応援して良かったって思ってもらえる存在になりたいです。頑張ります。

画像3: 等身大のラブストーリー作「失恋カルタ」、絶賛オンエア中。トリプル主演の一人「加藤小夏」にインタビュー

ドラマイズム「失恋カルタ」

2026年3月31日(火)初回放送スタート
MBS:3月31日(火)より 毎週火曜24:59~
TBS:3月31日(火)より 毎週火曜25:26~

配信
・TVerで一週間の見逃し配信あり
・FODで見放題独占配信

<出演>
梅澤美波(乃木坂46) 西垣匠 加藤小夏
若林時英 伊藤絃 荒井啓志 桜木雅哉(原因は自分にある。) 阿部顕嵐 深水元基

<スタッフ>
原案:『失恋カルタ』句/又吉直樹 絵/たなかみさき
監督:井樫彩、富田未来
脚本:開真理、牧五百音
プロデューサー:米田理恵、尹楊会、村山えりか
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作:「失恋カルタ」製作委員会・MBS
(C)「失恋カルタ」製作委員会・MBS

公式HP
https://www.mbs.jp/shitsuren/

●加藤小夏 プロフィール
1999年6月26日生まれ。東京都出身。A型
スカウトされて芸能界デビュー。以後、映画、ドラマ、CMと各方面で活躍。主な出演作に「I"s」「大河ドラマ 鎌倉殿の13人」「ウイングマン」などがある。昨年発売のサイコロジカルホラーゲーム「SILENT HILL f」の主人公(深水雛子)のモデルとなったことでも話題を集めている。

公式サイト
http://suurkiitos.com/artist/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%B0%8F%E5%A4%8F

ヘアメイク:鷲塚明寿美

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