フランスの作家・アニメーターのウーゴ・ピヤンヴニュが温かみのある手描きアニメーションで創り上げた『ARCO/アルコ』が、いよいよ4月24日から日本でも公開される。アカデミー賞 長編アニメ映画賞にノミネートされたほか、アヌシー最高賞、アニー賞、ヨーロッパ映画賞、セザール賞ほか名だたる映画賞を席巻するなど注目の1作。

 物語は、近未来を舞台に、孤独を抱えながらも懸命に生きている少女イリスと、空から落ちて来た少年・アルコが繰り広げる、心温まるファンタジー作となっている。ここでは、そのアルコとイリスの吹替を担当した黒川想矢堀越麗禾の両名に加え、アルコを追う謎の集団の一員ドゥギーを担当した山里亮太の3名にインタビューを実施。作品の魅力からアテレコの苦労について、話を聞いた。

画像1: フランス発のファンタジーアニメーション『ARCO/アルコ』が待望の公開。日本語吹替キャスト「黒川想矢」「堀越麗禾」「山里亮太」にインタビュー

――よろしくお願いします。今回は、フランス発のアニメーション作『ARCO/アルコ』への出演おめでとうございます。出演が決まった時の感想をお願いします。

黒川想矢 ありがとうございます。出演が決まった時に、企画書と一緒に送られて来た映像をすぐに拝見して、こんなに素敵な作品に出演できるのかと思って、すごくうれしくなりました。元々アニメーションはあまり見ないのですが、『ARCO/アルコ』はすぐに大好きな作品になりました。

堀越麗禾 私も、出演が決まってすぐに映像を拝見して、描かれている風景や特に虹の映像の綺麗さと温かい物語に、冒頭からすぐに引き込まれました! すごく素敵な作品だなって感じましたし、イリス役で出演させていただけることにワクワクしました。

山里亮太 僕はおそらく、この容姿からドゥギー役への起用が決まったと思うので、この容姿をしていて良かったなと思いましたね(笑)。映像も、手描きの良さが存分に出ていて、温かみを感じられるところがいいですよね。加えて、ドゥギー・ストゥイー・フランキーの凸凹トリオがいい味を出していて、素敵な物語であればあるほど、この3人が活きてくるんじゃないでしょうか。

――物語やご自身が演じられた役の感想をいただけますか。

黒川想矢 脚本を読んでまず、ものすごくセリフが優しいなと思いました。何気ない会話も多くて、作品世界の日常もより深く感じられました。アルコは、未来から来た少年ではあるけど、イリスの時代の子どもと変わらずに、どこにでもいる普通の子どもなのかなって思いました。声色については、(役柄を)あまり意識せず、地に近い感じでやりました。

画像2: フランス発のファンタジーアニメーション『ARCO/アルコ』が待望の公開。日本語吹替キャスト「黒川想矢」「堀越麗禾」「山里亮太」にインタビュー

堀越麗禾 イリスは、その年代の子ども特有のモヤモヤした気持ちがあって、ある願い事をしますけど、それがアルコやドゥギー達と出会うことで、実現するところにとても温かくて、うれしい気持ちになりました。

画像3: フランス発のファンタジーアニメーション『ARCO/アルコ』が待望の公開。日本語吹替キャスト「黒川想矢」「堀越麗禾」「山里亮太」にインタビュー

 イリスとしては、序盤のシーンで、アルコを見つけて追いかけていくところがすごく印象的で、好奇心旺盛で行動力がある女の子、という性格がよく出ていると思います。空から何かが落ちてくることって、なかなか想像できないですし、そこに興味を持って見に行ってしまうところは、私が作品から感じたワクワク感と、イリスの興味津々のワクワク感が相まって、よりその雰囲気が出せたと思います。声色については、黒川さんと同じで、作り込むというよりかは、地に近い感じで演じました。

山里亮太 僕がもう、地声そのままでやりましたけど、三人組の楽しい雰囲気を感じてもらえるようにというのは意識しました。でも、その中で時々見える本音であったり、二人を見つめる優しい気持ちを表現したいと思いながら演じました。作品としても本当に素晴らしくて、綺麗な絵と合わせて、素敵な物語が紡がれていくのがいいなと思いました。

――ドゥギーたち三人がかけているメガネもいいですね。

山里亮太 そうですよね。舞台挨拶があったら用意しておきたいですよ(笑)。

画像4: フランス発のファンタジーアニメーション『ARCO/アルコ』が待望の公開。日本語吹替キャスト「黒川想矢」「堀越麗禾」「山里亮太」にインタビュー

――次に、収録について伺います。収録の模様や苦労、現場で相談したことなどがあればお願いします。

黒川想矢 監督からは、掛け合いのところは、二人の距離感を意識してほしいとリクエストされましたので、そこは確認しながらやっていました。加えて、芝居(役)の熱量についてもお互いに合わせながらやっていました。

堀越麗禾 本当にそうでしたね。このシーンをどうしようというよりは、掛け合いの熱量の高さを維持することに気を付けていました。

――距離感の表現というのは、具体的には?

黒川想矢 距離感を出すには、物語の世界を想像することが大事なんだなって思いました。収録だと目の前にマイクがあるので、そこへ向けて(マイクまでの距離を意識して)声を出しがちなんですけど、相手(イリス)はもっと遠くにいることもありますから、その距離を想像しながら相手に届く大きさの声を出すのは難しかったです。

堀越麗禾 本当にそう感じました。イリスの場合終盤で、アルコに向かって叫ぶシーンがあるんですけど、アルコは結構高い(遠い)ところにいるので、空に向かって大きな声で叫ばないといけないんです。アルコまでどのぐらいの距離があって、向こうに届かせるためにはどのぐらいの大きさで声を出せばいいんだろうっていうことを意識しながらの収録は、本当に難しかったです。

――山里さんはお一人での収録だったそうですね。

山里亮太 そうなんですよ。しかも、三人組のほかの二人は原語(フランス語)のままだったし、口調も似ているので、今誰が喋っているんだろうって、自分(ドゥギー)の話すきっかけを見つけるのに苦戦しましたけど、まあタイムを見ながら頑張りました。

――ご自身でこだわった点などありますか。

山里亮太 こだわりを出そうにも、とにかくついていくのに必死だったという感じです。

――話は変わりますが、イリスは自分の正体を明かさないアルコに対して、「じゃあ一人で頑張ってね」と少し突き放すような態度を見せるシーンもありました。その年齢の女の子らしさが出ていて印象に残りました。

堀越麗禾 ありがとうございます。ちょっと意地悪っぽく見えますけど、私の中では意地悪というよりかは、ちょっかいをかけている感覚でした。弟がいるんですけど、結構そういうことしちゃうんですよ(笑)。そういうところがちょっと似ているなって思いながら、“早く言いなさいよ”っていう感じでやっていました。

――続けて、物語の中で、みなさんの印象に残ったシーンがあればお願いします。

堀越麗禾 最後にアルコの質問に答えるシーンですね。それはちょっとした会話なんですけど、イリスにしてみたら、ずっと抱えていたモヤモヤした気持ちが一気にパッと晴れたかのような感じだったので、すごく印象的でした。

黒川想矢 子守用ロボットのミッキが、アルコたちを追いかけて警官ロボットの制止を振り切って火事の中に入っていくシーンが印象に残っています。僕は将来、AIとかロボットに世界を乗っ取られてしまうんじゃないかっていう恐怖があるんですけど、このシーンを見ると、人間とロボットはうまく共存できるのかもしれないと思えて、すごくうれしい気持ちになりました。

画像5: フランス発のファンタジーアニメーション『ARCO/アルコ』が待望の公開。日本語吹替キャスト「黒川想矢」「堀越麗禾」「山里亮太」にインタビュー

山里亮太 僕は終盤の、ドゥギーたち三人が二人(アルコ・イリス)のために動くところが好きですね。凸凹トリオなんですけど、やる時はやるっていうのがいいですよね。素敵です。

――今、ロボットのミッキが話に出てきましたけど、ロボット・車・バイクといった機械ものの造形を含め、キャラクターのデザインもフランス的に感じました。みなさんはこの造形を見てどんな印象を持たれましたか。

黒川想矢 確かに、日本のアニメでは見ないデザインだと思いましたけど、素敵ですよね。

山里亮太 僕らの世代からすると懐かしいデザインで、昔見た未来のロボットっていうイメージがありますけど、ある意味、一周回って新しく感じました。

堀越麗禾 私は、虹が綺麗だなって思いました。あと、イリスの弟が入っている透明な箱みたいな装置は、最初はこれ何だろうって思いましたけど、よくよく考えると機能的だし、なんだか可愛らしいですよね。

――今回はアニメ作の吹替ですが、今後、こんな作品の吹替をしてみたいというのはありますか。

黒川想矢 僕は「Mr.ビーン」が大好きで、辛いことがあったらすぐ見るんです。だから、機会があればビーンをやってみたいです。でも、彼は喋らないんですよね(笑)。

堀越麗禾 やってみたいというより、やらせていただけるものだったらなんでもやってみたいです。最初は不安になるかもしれませんけど、やってみたら今回のように全部が楽しくなっちゃうので、いただけるものを全力でやって、楽しい気持ちになりたいです。

山里亮太 僕はもう「ARCO 2」に期待したいですね。スピンオフでもいいので、とにかくドゥギーが大活躍する話をお願いしたいです。

――ちなみに、アルコたちのように時間旅行ができるとしたらどの時代に行きたいですか。

山里亮太 恐竜が好きなので、やっぱり恐竜時代に行きたいですね。映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』にも出ていましたけど、大好きなモササウルスを直に見てみたいです。

堀越麗禾 私は過去に戻ってピラミッドが見たいです。あとは弥生時代もいいですね。弥生っていう言葉の響きが綺麗なので、きっと綺麗な風景が見られるんだろうなって思います。卑弥呼にも会いたいです。

黒川想矢 僕は昭和時代に行ってみたいです。観ていない(昭和の)映画がたくさんあるので、公開当時の風景の中で観たいです。

――では最後に読者へメッセージをお願いします。

黒川想矢 ちょっと近未来の話で、ワクワクするストーリーに加え、街並みとかロボットたちのデザインはすごく可愛らしくて素敵なので、ぜひご家族で観ていただいて、そのワクワクな感じを味わってもらえたらうれしいです。よろしくお願いします。

堀越麗禾 イリスのお母さんとお父さんのように、遠くにいる人があたかも同じ空間にいるかのようにバーチャル映像で再現されているところに、未来ってこうなるのかなっていうワクワクを感じられると思うので、未来のことを想像しながら楽しめる作品になっていると思います。ぜひ観ていただきたいです。

山里亮太 素敵な絵と物語なので、本当にもう、ただただ劇場に行って、その世界にすっと入っていただければいいなと思います。本当に素敵な映像なので、劇場に行くと、ひょっとしたら自分もそこにいるかのような没入感を味わえると思いますので、アルコの一員になって楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします。

映画「ARCO/アルコ」

2026年4月24(金)より、TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国公開

監督・脚本:ウーゴ・ビアンヴニュ 脚本:フェリックス・ド・ジヴリ 製作:フェリックス・ド・ジヴリ、ソフィー・マス、ナタリー・ポートマン アニメーション監督:アダム・シラード 編集:ナタン・ジャカード 音楽:アルノー・トゥロン

吹替キャスト:アルコ/黒川想矢 イリス/堀越麗禾 ミッキ/梶裕貴 ドゥギー(赤)/山里亮太 フランキー(黄)/落合福嗣 ストゥイー(青)/前野智昭 ほか

2025年|フランス|88分|カラー|ビスタ|5.1ch|原題:ARCO|字幕翻訳:浜本裕樹|映倫:G
配給:AMGエンタテインメント ハーク
(C)2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA

黒川想矢 プロフィール
2009年生まれ、埼玉県出身。5歳から芸能活動を開始し、是枝裕和監督の映画『怪物』で主人公の麦野湊役を好演。その高い演技力は世界的に注目され、第66回ブルーリボン賞 新人賞、日本アカデミー賞 新人賞など数々の賞に輝いた。その後も、ドラマ・映画『からかい上手の高木さん』で主演を務めるなど、話題作への出演が続く。2026年3月には初の写真集『コバルト』を発売。繊細な表現力と唯一無二の存在感を併せ持ち、次世代を担う実力派として確固たる地位を築いている。

公式サイト https://tachipro.jp/members/kurokawa/

堀越麗禾 プロフィール
2011年生まれ、東京都出身の女優、舞踊家。日本舞踊市川流の舞踊家としては四代目市川ぼたんの名跡を持つが、俳優やタレントとしての活動では本名の「堀越麗禾」を使用している。父は十三代目市川團十郎、母は小林麻央、弟は八代目市川新之助という芸能一家に育った。主な出演作にドラマ「ブラックペアン」「キャスター」、ディズニー映画「ザ・クリエイター」などがある。4月にはファッションイベント「Rakuten GirlsAward 2026 SPRING/SUMMER」への出演が予定されるなど、活動の幅を広げている。

衣装協力:To b. by agnes b.

公式サイト https://www.blooming-net.com/blooming-agency/horikoshi-reika/

山里亮太 プロフィール
1977年生まれ。千葉県出身。吉本興業所属のお笑いタレントで、お笑いコンビ 南海キャンディーズのツッコミ担当。ほか、司会者、声優、ナレーター、ラジオパーソナリティなど多彩な活動を展開している。赤いメガネがトレードマーク。

公式サイト https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=135

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