4K UHD BLU-RAY SHORT REVIEW - WEAPONS - 短評
| タイトル | WEAPONS/ウェポンズ |
|---|---|
| 年 | 2025 |
| 監督 | ザック・クレッガー |
| 製作 | ザック・クレッガー ロイ・リー J・D・リフシッツ ラファエル・マーグレス マリ・ユーン |
| 製作総指揮 | ピート・キアペッタ アンドリュー・ラリー ジョシュ・ブローリン ミシェル・モリッシー アンソニー・ティッタネグロ |
| 脚本 | ザック・クレッガー |
| 撮影 | ラーキン・サイプル |
| 音楽 | ヘイズ・ホラディ ライアン・ホラディ ザック・クレッガー |
| 出演 | ジュリア・ガーナー ジョシュ・ブローリン オールデン・エアエンライク ケイリー・クリストファー エイミー・マディガン オースティン・エイブラムズ ベネディクト・ウォン |
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| Title | WEAPONS |
|---|---|
| Released | Oct 14, 2025 (from Warner Bros.) |
| Run Time | 2:08:32.246 (h:m:s.ms) |
| Packaging | Slipcover in original pressing |
| Codec | HEVC / H.265 (Resolution: Native 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible) |
| Aspect Ratio | 2.39:1 |
| Audio Formats | English Dolby Atmos (48kHz/24bit/Dolby TrueHD 7.1 compatible), English Dolby Digital 5.1, Spanish Dolby Digital 5.1, French Dolby Digital 5.1 |
| Subtitles | English SDH, French, Spanish |
| Video Average Rate | 78366 kbps (HDR10) / 72 kbps (DOLBY VISION 0.09 %) |
| Audio Average Rate | 3374 kbps (English Dolby Atmos / 48kHz / 24bit / English) |

4K UHD SCREEN SHOT
深夜2時17分・・・
ペンシルベニア州の小さな町。ある日の深夜、子供たちが家を飛び出し、暗闇の中へと姿を消した。その朝、学校教師ジャスティン(ジュリア・ガーナー)が教室に入ると、生徒のアレックス(ケイリー・クリストファー)だけが着席していたが、ほかの生徒たちの姿がない。謎の失踪を遂げたのは、彼女が受け持つクラスの17人の生徒たちであった。保護者からは失踪事件への関与を疑われ、町の中で孤立していくジャスティン。一方、行方不明の子どもの父親アーチャー(ジョシュ・ブローリン)は、警察の捜査がほとんど進展しないことに苛立ち、独自の捜査を開始するが・・・。製作・監督・脚本は高い評価を得たホラー『バーバリアン』のザック・クレッガー。今年8月に劇場公開されて全米絶賛、世界興収2億4500万ドルを稼ぎ出したスマッシュヒット作(製作費3800万ドル)。

4K UHD SCREEN SHOT
本作品には『バーバリアン』を思わせる演出が散見されるものの、より独創的で野心的、より大胆なジャンル映画に仕上げており、クレッガーがホラー界の次世代を担うという栄誉を正式に獲得した作品でもある。ストーリーや作品構成をこれ以上語ると、128分間に繰り出されるサプライズが台無しになってしまうので、作品紹介はここまで。
『バーバリアン』のポストプロダクションに取り組んでいた時、親友のトレヴァー・ムーア(『お願い!プレイメイト』をクレッガーと共同監督)を酷い事故で失った。悲しみを乗り越えようと、約2週間かけて猛烈な勢いで脚本を書き始めた。最初の文は『これは実話だ。故郷の半分の子供たちが、みんな逃げ出した』だった。最初から書き始めたわけじゃないし、子供たちがどこへ行ったのかもわからない。『よし、始めよう。解決できるか試してみよう。何が起こったのか?彼らは誰だったのか?何が残されたのか?どんな気持ちなのか?』って感じだった。監督ザック・クレッガー

4K UHD SCREEN SHOT
準備段階ではALEXA 35(デジタル)とARRICAM LT(フィルム)を使い、日中の屋外、窓越しのショット、家の中のショット、露出不足のショットなど、さまざま照明設定で出演者たちのポートレート撮影を行った。その後、すべての素材を映画館で投影した。私とザックは、フィルムとデジタルの長所短所、そして両者の利点について話し合い、最終的にALEXA 35に落ち着いた。肌の描写が非常に面白く、フィルムの肌の描写をもっともよく再現できたからだ。これはフィルムの魅力と、それをデジタルにどう活かせるかについて話し合うためのリサーチでもあった。撮影監督ラーキン・サイプル

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デジタルは本当に良くなっている。テストを比較した時、必ずしも昼と夜の違いが際立ったわけではない。私が気づいたのは、フィルムは色を巧みに解像するということ。露出した肌から影へと移り変わるような色のグラデーションでも、非常に美しく自然に表現できる。一方、デジタルでは、そのような状況で画像が崩れたり、不安定になる傾向があった。特にワイドショットで顕著だ。リサーチではガンマカーブの難しい部分で色をレンダリングする方法を確認できた。そこで『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でも一緒に仕事をした、カラリストのアレックス(ビッケル)と協力して、陰影やグラデーションに肉付けをした。くすんで見えたり、鈍く見えたりしていた箇所に、赤やオレンジといった質感を少し加えるなど、デジタルの短所を補正し、長所をより強化するためのLUT(Look Up Table)を作成した。撮影監督ラーキン・サイプル

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ARRI ALEXA 35/3:2オープンゲート/アナモフィック撮影/ARRIRAW 4.6K収録。アナモフィックレンズ特有のボケ味や質感はそのままに、高い描写力を誇る画調。グレインはデジタルで付加される。高S/Nではあるが、決して先鋭・高解像を狙った絵作りではない。主に室内は暖色系、屋外はニュートラルな色調で表現される。全体的にピーク輝度は抑えられており(HDR10のピーク輝度は164 nits、平均輝度42 nits)本作品で必要とされる不気味で暗鬱なトーンを増幅させるのに役立っている。デイシーンでも低照度ショットがふんだんに使われており、とりわけライティングによる様式性を排したナイトシーンの低照度ショットは観応えがある。ALEXA 35搭載の高感度モード(Enhanced Sensitivity Mode/露出補正値EI 2560からEI 6400まで高感度設定可能)を駆使して撮影されたという低照度ショットの数々は、高い感度と拡張されたダイナミックレンジ、そして迷光抑制を実現しており、あらゆる露出レベルにおいて低ノイズと優れた色再現性を視認できよう。

4K UHD SCREEN SHOT

4K UHD SCREEN SHOT
本作品のストーリーは重なり合うチャプターで構成されているが、各章での広角やズームなどのレンズの使い分け、アングルの違いに注目しながら鑑賞されたい。また登場人物ごとにフレーグや構図を変えており、孤立するジャスティンを捉える被写体越しや肩越しショットなどは非常にパラノイア的だ。深く豊かな黒は、恐怖の瞬間に観客を引き込むのに重要な役割を果たしている。BLU-RAY版は別売となり、映像平均転送レートは36.2 Mbps(UHD BLU-RAYのおよそ半分)。BLU-RAYとの比較では、やはりナイトショットや低照度の室内ショットにUHD BLU-RAYの優位性を視認できる。BLU-RAYではバンディングノイズ等のアーティファクトが散見され、字幕の発光も映像の旨味を阻害する(ちなみにUK BLU-RAYは日本語字幕を収録)。

HD SCREEN SHOT - BLU-RAY

4K UHD SCREEN SHOT - 4K UHD BLU-RAY
音響エンジニアは『IF I HAD LEGS I'D KICK YOU(A24が放つ話題の新作)』のフィリップ・メセダー(サウンドデザイン/リレコーディングミキサー)『ヴィランズ』のルチアーノ・ヴィニューラ(編集監督/リレコーディングミキサー)ほか。全編を通じて抑制の効いた、しかし迫真性と没入感に長けた、観る者に苦痛を誘うサウンドミックスを披露。緊張の一瞬一瞬を高める、引き締まった輪郭の発声。バランスの取れた遠近感と確かな奥行き。優れたチャンネルセパレーション。随所に仕掛けられたジャンプスケアは、強靭な低音域と相まって体中の毛穴を開かせる衝撃を持つ。有機的な効果音を重層的に配置したアトモストラックは、オブジェクトをベッドチャンネルとシームレスにブレンド、息継ぎも許さない怪奇ムードと不穏な緊張感に浸漬させる。

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音楽はヘイズとライアン・ホラディ兄弟の作曲デュオが担当し、かつては彼らとバンドを組んでいたザック・クレッガーも参加している。小規模な音楽制作でありオーケストレーションは折衷的だが、楽器の数を絞り込むことによって音質を立たせている。シンセサイザー、パーカッション、弦楽器の効果音的使用(張り詰められた音色の力感)に加え、終盤で披露されるハープの音色が響かせる絶え間ない恐怖感。まるで郊外を舞台にしたグリム童話のようなムードを演出しているかのようだが、常にトップチャンネルとサラウンドチャンネルが使用され、その効果は絶大だ。

4K UHD SCREEN SHOT
UHD PICTURE - 4.5 /5 SOUND - 4.5 /5
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