完全ワイヤレスイヤホンの世界では、ここ数年オープン型イヤホンに注目が集まる一方で、粛々とコンスタントにリリースされているのがカナル型イヤホン。装着感を含め既に完成の域に達していると思われるカナル型においても、なにかと進化をし続けているようだ。搭載するドライバーのサイズしかり、ドライバーの個数しかり。今なお不動の人気を誇るカナル型イヤホンにおいて、最新モデルの使い勝手やサウンドはどんな感じなのか、試す機会に恵まれたので、使用感を含めてお伝えできればと思う。

今回試聴したSOUNDPEATS「Air5 Pro」について

 今回のレビュー記事で試聴したのは、今年の4月にSOUNDPEATSから発売された「Air5 Pro」というモデル。10㎜径のダイナミックドライバーを搭載しており、PU+PEEK複合振動板に、高磁力ネオジムN50マグネットの採用で磁力をアップさせ、高い剛性と軽量性を両立したパーツ構成によって、そのサウンドは、低域の迫力に富み、中域の厚みはもとより、より高域までの再現を可能にした、としている。

画像: ブラックモデル

ブラックモデル

画像: ホワイトモデル

ホワイトモデル

 音質は、単に低域を重視したのではなく、全帯域で歪の少ない、バランスを重視したチューニングにしているのが特徴。これにより量感のある低音が楽しめるだけでなく、クリアでナチュラル、そして音の広がり感に富んだサウンドが楽しめるようになっている。これによりライブ音源からアニソン、ゲームBGMなどなど、さまざまなジャンルのコンテンツを品位の高いサウンドで楽しむことができる。

 通信規格はBluetooth 5.4、対応コーデックはAAC、SBCに加えLDAC、さらには、ロスレス伝送が可能なaptX Losslessをサポートするなど、ハイレゾ級の原音再現を実現するとしており、完全ワイヤレスイヤホンとして、高音質でさまざまな楽曲を楽しめ、さらには映像配信やゲーミングなど、エンタメ系も妥協することなく体験できる、と謳っている。

画像: 今回試聴したSOUNDPEATS「Air5 Pro」について

 サウンドに没入できるよう、ノイズキャンセルには同ブランド最高クラスの技術を投入。AI適応型(アダプティブ)ノイズキャンセリングとして、最大55dBの騒音低減を実現。周囲の環境音を抑えて、小さな音のニュアンスまで聴き取ることができるし、”AI適応型”ということで、装着状況を検出するとノイズキャンセリングの効果を自動的に”最適化”してくれるのもポイントだろう。ノイズ低減レベルは、最大で-55dBを実現しているので、電車の走行音から飛行機のジェット音まで、気になる雑音を低減してくれる。

 なお、ノイズキャンセルは、ANCオン(ノイズキャンセル)、ANCオフ(ノーマル)と外音取り込み(ヒアスルー)が用意されており、イヤホンのタッチ操作で切り替え可能(トグル)。専用アプリを使えばワンタッチでモードの切り替え・セレクトが可能。周囲の状況に応じてセレクトすれば、騒音に悩まされることなく快適に音楽を楽しむことができる。

画像1: 【製品レビュー】SOUNDPEATSのカナル型イヤホン「Air5 Pro」を使ってみた! aptX LosslessとLDAC対応でハイレゾサウンドが楽しめる
画像2: 【製品レビュー】SOUNDPEATSのカナル型イヤホン「Air5 Pro」を使ってみた! aptX LosslessとLDAC対応でハイレゾサウンドが楽しめる

実際に試聴してみる

 カナル型は、個人的に自身の耳穴が小さいことから、これまであまり好んで使用してこなかった。短時間であれば問題もないのだが、1時間以上となると、耳穴が痛くなることから、積極的に使用してこなかったという経緯がある。そのため、今回の試聴においては、少なからず不安を抱いていたのも事実だが、実際に使用してみると、すんなりと装着することができたから、正直驚いている。ということで、ここからは、実際に使用してみた感想を述べていこう。

【装着性】

 まずは装着感から。前述した通り、カナル型にいささか不安を覚えつつ、装着を試みる。イヤーピースは、付属するS、M、Lの中から、もともと装着されているMサイズをそのまま使用する。音の放射口が楕円形状なっていることと、イヤーピースがそれに合わせて楕円になっていることから、取り付けはすんなりと行なえた。耳への装着は、耳の中にねじ込むといったこともなく、ほんの少し回転させながら挿し込むだけで、なんともスムーズに行なえたのは、ちょっとした衝撃だった。これまで、幾度となく、カナル型イヤホンを試してみたが、数えるほどしかピタッと装着できるモデルには出会えなかったので、これだけでも画期的な製品だといえる(個人的に)。

画像: イヤーピースは、S・M・Lの3種類が用意されており、もともと装着されているは、Mサイズになる

イヤーピースは、S・M・Lの3種類が用意されており、もともと装着されているは、Mサイズになる

画像: イヤホンの放射口が楕円形になっていることからイヤーピースも少し楕円形になっている

イヤホンの放射口が楕円形になっていることからイヤーピースも少し楕円形になっている

 試聴すること1時間、ねじ込むことなく、すんなりと耳穴に収まってくれた「Air5 Pro」は、その後もポロリと外れることもなく、しっかりと耳穴に装着された状態を保ってくれた。耳穴から落ちてしまうことがないのは、それだけで安心感が違う。安心感が高まるとストレスが軽減され、よりサウンドに集中することができることから、音質への期待感も高まった。

画像: 装着感は、個人差はあるものの、ねじ込むような装着ではなく、耳穴に吸い付くような装着感が心地よかった

装着感は、個人差はあるものの、ねじ込むような装着ではなく、耳穴に吸い付くような装着感が心地よかった

【サウンド】

 装着性が良いと、サウンド面への期待値が上がる。「Air5 Pro」は、Qualcomm社製の最新世代チップとなる「QCC3091」を採用、ハイレゾ対応コーデックのLDACと、ロスレス伝送が可能なaptX Losslessに対応する。最大990kbpsの高ビットレート伝送が可能で、サウンドの細部までクリアに再現できることから、スタジオクオリティのサウンドが楽しめるというので早速、手持ちのスマートフォンにBluetooth接続して、馴染みの音楽を試聴してみた(試聴はLDAC)。

 単にBluetoothで接続しただけで、アプリを使ったイコライジング(EQ)調整をしていない状態にも関わらず、癖のない素直なサウンドを聴くことができた。カナル型は、耳穴に密着させることから、低音が強調されがちな印象があるが、こと「Air5 Pro」においては、全域において、バランスのよいナチュラルなサウンドを奏でてくれた。バランスがいいというと、低音が物足りないんじゃない? と思われがちだが、決してそういうことはなく、程よく、しかししっかりと再現される低音が、聴く音楽の品格を上げてくれる、そんな印象だ。

 試聴した音源は、クラシック、JAZZ、ロック、ポップスとさまざまで、それぞれのジャンルのサウンドの特徴が良く出ていると感じた。例えば、クラシックでバイオリン協奏曲を聴くと、バイオリンの高音と、チェロやコントラバスの低音などをそれぞれしっかりと聴くことができたし、JAZZにおいても、ベースの奏でる低音をしっかりと重心低く描き出しながら、ピアノの高音もそれに追従する形で煌めき感のあるサウンドとして聴かせてくれた。さらには、ドラムのシンバルの細かな高音も心地よく外耳道に響きわたるなど、絶妙なバランスで聴くことができた。ロックやポップスにおいては、特に低音を楽しみたいという人でも、満足のいく迫力のある低音を発してくれるので、決して物足りなさを感じることはないだろう。

【専用アプリを試す】

 専用のアプリには、あらかじめプリセットされたサウンドモードが12種類用意されており、試聴するジャンルに合わせて自由にセレクトできるし、カスタムEQ機能もあるので、自分の好みに合わせた音調を作ることもできる。もちろん、調整したEQは保存できるので、曲やジャンルごとにいくつか作っておくのも良さそうだ。

画像: 12種類のプリセットモードが用意されている

12種類のプリセットモードが用意されている

画像: カスタムイコライザーによって好みに合わせて調整することも可能。イコライジングしたデータは、保存しておくこともできる

カスタムイコライザーによって好みに合わせて調整することも可能。イコライジングしたデータは、保存しておくこともできる

 そして面白いのが、適応型EQ(アダプティブEQテスト)というもの。これは、自分の耳の聴こえ具合を、周波数帯と音量で測定してくれる機能。自分の耳の聴こえ方に適したEQを作ってくれるので、測定したEQを適用させると、全体的に厚みのあるサウンドになるように感じた(聴こえづらい帯域を補ってくれるため)。これは、aptX LosslessやLDACコーデックで接続している際にも適用可能なので、いろいろなコンテンツを試してみて、適宜選択するといいだろう。ちなみに、適応型EQテストは、健康診断で行なう聴覚テストのようなもので、音が聴こえたら画面をタッチするという仕組み。騒がしいところではなく静かなところで測定した方が、より自身にあった正確なEQカーブができそうだ。

画像: LDACはメニューから切り替える(機能をオン)方式。マルチポイントとは排他使用

LDACはメニューから切り替える(機能をオン)方式。マルチポイントとは排他使用

画像: このアダプティブEQテストが、健康診断の聴覚テストによく似ていると感じた

このアダプティブEQテストが、健康診断の聴覚テストによく似ていると感じた

【ANCモードとヒアスルーモードを試す】

 サウンドに没入して楽しみたいのであれば、アクティブノイズキャンセル機能は必須だろう。周囲の騒音がなくなり、まさしくイマーシブ感を堪能することができる。かつてのANC(初期のANC)では、耳が圧迫され脳内に張り付くような印象を感じることもあったが、本「Air5 Pro」においては、そんなことはなく、ひとたび楽曲が流れはじめると、シーンと静まり返った中で、澄んだサウンドだけを楽しむことができる。特にクラシック音楽で協奏曲を聴くと、各楽器の音をハッキリと聴きとれるだけでなく、少しボリュームを上げると、演奏者の息遣いまで聴こえてきそうで、まるで、コンサートホールで聴いているかのような臨場感を味わうことができた。決して派手さはないが、実直な音作りをしていることがうかがえる。

 次に外音取り込みモード(ヒアスルー)を試してみた。一昔前であれば、電気的な要素が介入しているような印象を強く感じたものだったが、「Air5 Pro」においては、まるでオープン型イヤホンを装着しているかのような自然な聴こえ方だったのがとても良かった。ある程度静かな環境で、周囲の音・声を確認する必要がある場合(リモートワークなど)には役に立つだろう。

 個人的にはANC オン時の音質の印象がよく、ボリュームを少しずつ上げていくと、より粒立ちの良いサウンドが広がり、楽曲に没入できる感じがたまらなく良かった。常時オンでいいだろう。

【デザイン及びカラー】

 ブラックを基調にした本体は、タッチ操作部分にマットなダークブラウンを使用し、ロゴの部分に艶を施すなど、シックで落ち着いが雰囲気が印象的だ。デザインは、完全ワイヤレスイヤホンのカナル型としてはオーソドックスな形状ながら、少し角ばっていることで指に馴染んで、とても持ちやすく、耳への装着性も高かい。また、ケースは、上部が開閉するのではなく、前面部分から開閉するので、イヤホンの取り出しがとてもラクに行なえる。塗装は、マット調で手持ちでも指紋が気にならないのも好印象だ。

画像: オーソドックスな筐体デザインながら、装着感は抜群で、ねじ込まなくても吸い付くように耳に装着できた

オーソドックスな筐体デザインながら、装着感は抜群で、ねじ込まなくても吸い付くように耳に装着できた

画像: 前面からパカッと開くので、イヤホンの取り出しがとてもラクに行なえる

前面からパカッと開くので、イヤホンの取り出しがとてもラクに行なえる

【バッテリー性能】

 バッテリーの持ちは、一回の充電で約7.5時間(単体)、充電ケースとの併用で37時間の使用が可能だから、通勤・通学以外でも丸一日楽しめそうだ。一日7時間使っても、1週間充電不要なのは便利。また、わずか10分の充電で2時間の再生が可能だから、外出先で急にバッテリーが切れてしまっても、ほんの少し充電ができれば、再び使用できる。

まとめ

 今回久方ぶりに、カナル型イヤホンを使用してみたが、まさか自分の耳にピタリとはまるイヤホンが現れるとは、思いもよらなかった。これまで数えきれないほどのイヤホンを試聴してきたが、私の特殊な耳に装着できるイヤホンは、数えるほどしか存在しなかった。そのうちの一つに数えることができた「Air5 Pro」は、それだけで優秀なイヤホンだと言いたい。とはいえ、イヤホンの試聴レビュー記事なので、音について触れないわけにはいかない。装着性に優れているからとて、サウンドも優れているとは限らず、その辺りを今回じっくり試すことができた。

 結論を申し上げると、「Air5 Pro」は、私の期待を裏切らない、それどころか私の期待の上をいくサウンドを楽しむことができた。装着性に優れていたことで、長時間の使用でも耳が痛くなることがなかったのは、プラスの要因として大きく作用していることは否めないものの、それだけではなく、やはりバランスに優れた音づくりがあったからこその結果だ。

 ここのところ、オープン型イヤホンの試聴が続いたが、今回の試聴レビューを通して改めてカナル型の良さを実感することができた。

 今後は、オープン型とカナル型の2台体制で、と思いながらも、「Air5 Pro」であれば、それが1台で事足りそうだ。ということで、しばらくは「Air5 Pro」で音を楽しんでみようと思う。

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