真空管オーディオアンプ/ギターアンプの前段回路、プリアンプやフォノイコライザーアンプで活躍する電圧増幅管。ギターアンプの世界ではプリ管と呼ばれ、差し替えで音を作るキーデバイスとしても親しまれる存在です。そのなかでも代表的な、MT型双3極管12AX7をはじめ、数多くの管種や銘柄が現在でも生産され、稀少なヴィンテージ球は高い人気を集めています。
伝統的なMT型真空管を軸に、近年登場した新機軸の小型管まで視野を広げ、歴史と構造の解説や音質比較など、多角的な視点から「小型電圧増幅管=プリ管」の魅力に迫る一冊。新規取材と『管球王国』誌の再録記事を通して、プリアンプやフォノイコライザーアンプでの差し替え試聴による音質リポート、アンプビルダーにとって気になるローノイズな使い方の解説など、小型電圧増幅管で音を深める真空管趣味に誘います。
12AX7/ECC83図鑑

RCA、GE、ムラード、テレフンケン、松下や東芝などヴィンテージ銘球と現行生産の12AX7(ECC83)を目で味わうグラビアページ。電極構造も様々です。
鈴木茂 LP『BAND WAGON』でプリ管12AX7を聴き比べる

ギタリスト鈴木茂氏が、シュアー製ヴィンテージフォノイコライザーM65で新旧の12AX7を差し替えながら、リリース50周年を迎える『BAND WAGON』LPを再生。音楽評論家の高橋健太郎氏、ヴィンテージオーディオ専門家の杉井真人氏とともに、ソロデビューアルバムの音作りと12AX7の音の違いを語り合います。
電圧増幅管12AX7=フォノイコライザーによる21種聴き比べ

NFB回路の影響を受けないCR型フォノイコライザーを使って、21種の12AX7の音の素性に迫ります。主な同類管の互換リストも盛り込んだ、『管球王国』の再録記事です。