Belkin(ベルキン)は、4月9日にUSB-Cハブを3モデル発売した。それぞれ5、6、7個のポートを備えており、用途や目的に応じて選びわけできる。
Connect 5-in-1 USB-C Multiport Hub ¥5,490(税込)
●USB-A×2、HDMI、Micro SDカードスロット、SDカードストット
Connect 6-in-1 USB-C Multiport Hub ¥6,990(税込)
●USB-C(100W PD)、USB-A×2、HDMI、SDカードストット、LAN
Connect 7-in-1 USB-C Multiport Hub ¥6,345(税込)
●USB-C(100W PD)、USB-A×2、HDMI、Micro SDカードスロット、SDカードストット、3.5mmヘッドホン出力

写真左上から「Connect 7-in-1」「Connect 6-in-1」「Connect 5-in-1」
3モデル共通の特長として、Micro SD/SDカードスロット(Connect 6-in-1はSDカードスロットのみ)にDDR200対応チップセットを搭載して、従来の約2倍の転送速度を達成している。昨今デジタルカメラやオーディオデバイスのデータ保存用にMicroSD/SDカードが多く使われている。しかも近年発売されているMicroSD/SDカードは転送速度104Mbps以上をクリアーしたものがほとんどだそうだ(高性能UHS-Iと呼称)。
しかしカード側がDDR200に対応していたとしても、PCやカードリーダーが非対応では実力が発揮できない。実際数世代前のPCのSDカードスロットではDDR200に非対応のものもあるという。今回の3モデルは200Mbps(実測値で170Mbps)でのデータ転送が可能なので、大容量データをコピーする場合でも待ち時間は少ないという。さらに複数のメモリカードを同時認識でき、メモリカード間でのデータ転送にも対応している(Connect 6-in-1は除く)。

品質面についても1000時間のフル負荷テストを実施する。フル負荷テストとはすべてのスロットにデバイスをつないで負荷をかけた状態で動作させるもので、業界平均の24〜36時間に対して、同社では今回1000時間のテストを行っている。
さらに一般的なプラスチック素材のハブと比較し、アルミニウム合金のメタルボディとすることで、デザインに優れるだけでなく高い放熱性を実現した。長時間の使用による基板損傷を防ぎ、高い負荷の環境でも安定した動作が可能という。
2系統のUSB-Aは、5Gbpsの高速データ転送に対応、HDMI端子は4K/60Hzの出力をサポートするなど、こちらも最新スペックを備えている。Connect 7-in-1とConnect 6-in-1はPD3.0対応のUSB-Cも搭載する。

3モデルの側面。対応接続機器によって端子数が異なる。Micro SD/SDカードスロットやLAN端子は写真左側面に搭載
各製品のポイントとしては、Connect 7-in-1は3.5mmアナログヘッドホン出力を搭載する。DACとして96kHz/24ビットのリニアPCMに対応しているので、ハイレゾストリーミングなどもこの品質で楽しむことができる。
Connect 6-in-1はRJ45のLAN端子を搭載し、最大1GbEの有線接続をサポートする。実はこの機能はワールドワイドでみても日本市場が一番要望が多いとかで、大容量の画像データなどを送受信する際にはより安定した有線接続を希望するユーザーが根強いということだろう。
Connect 5-in-1はもっともベーシックな仕様。厚さ1.6cm、縦4.7cm、横10.4cmで重さ50gと小型・軽量なので、外出時にノートPCと一緒に持ち運部といった使い方も想定しているようだ。本体ケーブル(直出し)は21cmで、PC スタンドなどを使う際にも問題ない。

「「Connect 7-in-1」」をMacbook Airにつないで外部音声デバイスとして使ってみたところ、96kHz/24ビットのハイレゾとして再生していることが確認できた
Connect 7-in-1のデモ機を使い、SDカードの読み出し速度と3.5mmアナログジャックの動作を確認した。
まずデータコピーでは、Macbook AirにConnect 7-in-1をつないで、約981.8Mバイトの写真データをデスクトップ上から標準UHI-I(転送速度104Mbps以下)と高性能UHS-IのSDカードそれぞれにコピーした。その結果、所要時間は前者が約48秒、後者は約15秒とほぼ半分まで短縮されていた。日常使いを考えるとこの差はきわめて大きい。
続いてMacbook AirにつないだConnect 7-in-1の3.5mmアナログジャックから、音がどう再生されるかを確認した。再生ソフトAudirvana Studioを立ち上げると、Connect 7-in-1はDAC内蔵デバイスとして認識されている。この状態で192kHz/24ビットファイルを再生すると96kHz/24ビットで出力されていた。試しに44.1kHz/16ビットファイルを選ぶと、こちらはそのままの品質で再生されている。
ファイナルの有線イヤホン「B1」で音を確認すると、44.1kHz/16ビット音源では輪郭のキレのよさや押し出し感が出てくるし、192kHz/24ビット(96kHz/24ビット)ではトランペットが伸びやかで、音の艶も感じられる。飛び抜けて高品質を狙った音作りではないが、ソースの違いを確認できる品質は備えているようだ。

Belkin INTERNATIONAL Associate Director of MarketingのCrystal Chuさんが同社の取り組みを紹介してくれた
ベルキンでは今回のようなUSB-Cハブの他に、より大型で多機能なUSB-Cドックもラインナップしている。それらについては設置場所や目的に応じて使い分けてもらいたいとのことだが、実際にConnect 7-in-1を試してみると、ノートPCとこれがあれば、ほとんどのニーズを快適に処理できると感じた次第だ。ご自分がよく使うアイテム数に応じて3モデルの中からぴったりのハブを探してみてはいかがだろう。