TVS REGZAは、昨日開催した2025年春の新製品説明会で、同ブランドとして初となる(東芝ブランドで液晶プロジェクターを発売していたことはある)、4K DLPプロジェクターを2モデル発表した。
まず、TVS REGZA株式会社 取締役副社長の石橋泰博さんから、なぜ今、プロジェクターを発売するのかについて語られた。

TVS REGZA株式会社 取締役副社長の石橋泰博さん
同社は昨年末にゲーミングモニターを発売するなど、“テレビ” 以外の製品もラインナップしている。近年よく言われているように、家庭でのテレビ放送の視聴時間は減っているそうだ。その一方で、動画配信やYouTube、ゲームなど、テレビ放送以外の映像コンテンツの視聴時間は増えているという。
通常はスマホやタブレットなどのデバイスが使われることが多いが、それらは小型サイズが中心だ。TVS REGZAではそういったコンテンツも迫力ある大画面で楽しんでもらいたいという狙いから、プロジェクターをラインナップしたとのことだ。
プロジェクターというカテゴリーを選んだ理由は、本体も比較的小型で設置の自由度が高く、画面サイズの割には導入しやすいという点に注目したそうだ。この特長を活かして、リビングルームや寝室などで大画面を楽しむという市場を作っていきたいとのことだった。

今回は上位モデルの「RLC-V7R MAX」と弟機の「RLC-V7R」をラインナップ。どちらも投写デバイスはDLPで、いわゆる画素ずらし方式により、スクリーン上で4K相当の解像度を再現する。光源には日亜化学工業製のRGB3色レーザー光源を採用することで、カラーブレイキングノイズの目立ちにくい大画面を目指している。
レーザー光源&DLPということもあり、RLC-V7R MAXでは最大輝度約3000ルーメン、RLC-V7Rでは同2000ルーメンという明るさを獲得している。このスペックであれば明かりを残した環境でもくっきりした映像が実現できるので、気軽な大画面という目的にもあっているかもしれない。なお、どちらもBT.2020カバー率98%という広色域を備えている。
プロジェクターとしての絵づくりはTVS REGZAのスタッフがチューニングを行ったそうで(システムの根本から手を入れているとか)、映像モードとして、「ダイナミック」「標準」「スポーツ」「PC/ゲーム」「映画」「FILMMAKER MODE」の7種類が準備されている。各モードから映像の微調整も可能なので、自分の好みにあった使いこなしも楽しめそうだ。

RLC-V7R MAXは光学ズーム機能も搭載済みで、2.7mあれば最大120インチ、3.6mなら最大150インチの映像を投写できるという。なお両モデルともチルトスタンド一体型で、画角やフォーカスの自動調整機能も付いているので、設置自体はひじょうに簡単だ。
Google TV機能搭載で、各種配信サービスも簡単に楽しめる。HDR10、HDR10+(RLC-V7R MAXのみ)、HLG、Dolby Visionの信号も再生可能で、IMAX Enhancedにも対応しているから、コンテンツのパフォーマンスも最大限に引き出してくれる。
さらに近年のリビング向けプロジェクターらしく、スピーカーも内蔵している(RLC-V7R MAXは2.1ch、RLC-V7Rは2.0chとパッシブラジエーター)。Dolby AudioやDTS Virtual:Xにも対応しているので、包囲感のあるサウンドで楽しむこともできそうだ。

背面上側に接続端子を備える。USBメモリーに保存した動画ファイルもダイレクトに再生可能
接続端子はHDMIが2系統(1系統はeARC)、USB端子2系統、光デジタル入力、LAN端子を準備し、パッケージソフトも簡単に楽しめる。eARC機能を活かしてレグザサウンドシステムとつなぐことで、より迫力ある大画面体験もできるだろう。
なおデジオンの動画再生アプリ「DiXiM Play」をインストールすれば、同一ネットワーク上のPCなどに保存しているコンテンツも視聴できる。加えてレグザのタイムシフトマシン録画や通常録画番組もネットワーク経由で再生可能という。つまり、リビングのレグザで録画した番組を別室で120インチで楽しめるわけで、“もうひとつのレグザ” としても活躍してくれることだろう。