TVS REGZAは昨日、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で、2025年春の新製品説明会を開催した。
冒頭、TVS REGZA株式会社 取締役副社長 石橋泰博さんから新製品の紹介が行われた。石橋さんは、「TVS REGZAは2024年に会社としてひじょうに大きなマイルストーンを達成できました。今年は、前年同様に全方位・ツートップ戦略を継続していきます。また新しいテレビの使い方を提案し、テレビの復権を目指していきたいと考えています」と宣言した。

TVS REGZA株式会社 取締役副社長の石橋泰博さん
実際、同社製品は販売も好調で、店頭でのシェアも伸ばしているそうだ。100インチ前後の大画面モデルも予想以上の反響があったと聞いている。そんな市場に投入されたのは、4Kレグザの4シリーズ10モデルと、2台のDLPプロジェクターというラインナップだ。以下では4Kレグザについて紹介する。
新製品4Kレグザは、有機ELの「X9900R」シリーズとMini LEDバックライト液晶の「Z970R」「Z770R」シリーズ、そして直下型LEDバックライトの「Z670R」シリーズという構成で、液晶テレビには85/75インチの大型サイズも準備している。
この選択肢の多さが、石橋さんの言う “全方位” で、さらに高画質モデルとして有機ELのX9900RとMini LED液晶のZ970Rを揃えている点が “ツートップ” ということだ。もちろん、ふたつの高画質モデルには独自の映像エンジン「レグザエンジンZRα」が搭載されており、様々な高画質・高音質技術を搭載済みだ(Z770RとZ670RはレグザエンジンZR)。

「4スタック有機ELパネル」
特筆すべきは、どちらも新世代パネルを採用していることで、X9900Rには「4スタック有機ELパネル」が、Z970Rには「ファインMini LED液晶パネル」が搭載されている。
4スタック有機ELパネルとは、有機EL発光層をレッド、ブルー、グリーン、ブルーの4レイヤー(スタック)に重ねて白色を得る仕組みだ。従来の3層(レッド、イエロー/グリーン、ブルー)方式と比べると発光層がすべて原色なので、より純度が高く、X9900N比で約1.1倍の広色域を得られたという。また同じくX9900N比で約1.3倍の輝度向上を実現している。ちなみに4スタック有機ELパネル搭載機は、X9900Rシリーズが日本で最初に発売される製品になるようだ。

「ファインMini LED液晶パネル」
ファインMini LED液晶パネルは、Mini LEDバックライトに広色域量子ドットフィルター、広視野角ワイドアングルシートを組合せた構造は従来と同じだが、Z970Nから輝度が1.2倍に、バックライト分割数も約1.4倍になったことで、コントラスト再現性が格段に向上している。
もうひとつのMini LEDバックライト搭載機であるZ770Rは、前年比でピーク輝度、バックライト分割数とも約2倍になったとかで、こちらも黒の再現性が向上している。

2025年の「レグザインテリジェンス」は、4つの機能で構成されている
さらにレグザ2025年モデルでは、AIを活用した “新しい価値創造によるテレビの復権” も宣言している。石橋さんによると、「テレビはもともとくつろいで見るものです。しかし最近のコンテンツの増大もあって、作品選びで疲れてしまうこともあります。そんな前のめりの使い方は本来の姿ではないと思いますので、リラックスしたイマーシブ体験を提供します」とのことだ。
そのための機能が「レグザインテリジェンス」で、生成AIと連携して以下の4つの機能を実現した。
AIボイスナビゲーター
「30分で楽しめるものない?」「80年代に流行ったロボットアニメを見たい」といったあいまいな言葉や会話で、AIがお勧めコンテンツを探してくれる。

AIボイスナビゲーターのデモ。Aiにおおまかな要望を伝えることで、気分にあったコンテンツを楽しめるという
AIリコメンド
生成AIが苦手とする最新のコンテンツ情報について、独自の「見るコレ」の情報と統合し、ユーザーの履歴、嗜好と合わせてお勧めを提案する。
AIシーン高画質
AIが部屋の明るさや視聴位置、シーンなどを判別し、最適な画質に調整する。新たに「ライブステージ」が追加され、7種類のコンテンツに対応する。

「AIシーン高画質」に新たに加わったライブステージのデモ映像。オフ(左)とオン(右)ではライトを浴びた肌の再現や、衣装のきらびやかさに違いが現れている
AI快適リスニング
エッジAI技術を応用したもので、音声を解析・分離してユーザーの好みの比率で再構築する。スポーツなどで解説と歓声の割合を自在に調整できる。
これらはいずれもテレビの使い勝手を改善するもので、しかもユーザーが能動的に働きかけなくてもメリットを得られるという特長もある。従来から画質のよさに定評のあるレグザがさらに進んだ利便性を手に入れることで、どんな快適な体験を実現してくれるのか楽しみだ。