海外盤発売情報
米国盤『ラストタンゴ・イン・パリ』2025年4月29日リリース
LAST TANGO IN PARIS - 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION
4K DIGITAL RESTORATION
米インディーズ・レーベル、ディストリピクスから届いた4K UHD BLU-RAY『ラストタンゴ・タンゴ・パリ』(1972)リリース・アナウンス。35mmオリジナルカメラネガからの最新4Kデジタルレストア/HDRグレード。HDRはHDR10とドルビービジョンHDRをサポート。監修を務めたのは本作品の撮影監督ヴィットリオ・ストラーロである。4月になって情報解禁となり、米メーカー・オンラインショップ(ヴィネガー・シンドローム、およびメリュジーヌ)で予約販売が開始。リリースはスタンダード・エディションとスリップケース限定エディション。後者はスポットグロス・ハードスリップケース + スリップカバー仕様で、40ページの小冊子を同梱。前述オンラインショップと一部のインディーズ小売店でのみ入手可能(大手小売店での販売はなし)で、各ショップ限定2000部リリースとなっている。スタンダード・エディションはamazon.comで購入可能(発売日は1か月遅れの5月27日)。
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官能の美学か、絶望の愛か・・・
パリでアパルトマン探しをしていたジャンヌ(マリア・シュナイダー)は、訪れた空き部屋でポールという中年男(マーロン・ブランド)と衝動的に関係を持つ。ジャンヌにはトムという映像作家の恋人(ジャン=ピエール・レオ)がいるが、ポールとのセックスが忘れられず、ふたたび空き部屋を訪れる。一方ポールは、妻の突然の自殺によって、人生に絶望しきっていた。ふたりは互いの名も知らぬまま、空き部屋で肉体を貪るように求め合うが、その果てに切ない結末が待っていた・・・。監督はベルナルド・ベルトリッチ。70年代、イタリア映画界から一躍国際舞台に躍り出た映像作家には、エルマンノ・オルミ、タヴィアーニ兄弟、リナ・ウェルトミューラー、リリアーナ・カヴァーニらがいたが、なんと言っても世界中でセンセーショナルな話題を呼んだのはベルトリッチであった。62年にパゾリーニ原案の『殺し』でデビューしたベルトリッチには、69年『暗殺のオペラ』70年『暗殺の森』のような傑作があったが、本作品で世界中の脚光を浴びることとなった。
VINEGAR SYNDROME - LIMITED EDITION SLIPCASE(2,000 UNITS)
SPOT GLOSS HARD SLIPCASE
SLIPCOVER
40-PAGE PERFECT BOUND BOOK
ベルトリッチはスタジオ撮影を嫌い、パリ中をロケハンして回った。地図上の距離感と食い違う実景を組み合わせ、ベルトリッチだけのパリを作り出している。重要な舞台となるアパルトマンの所在地も「パッシー」の「ジュール=ヴェルヌ街」となっているが、地図上ではまったく異なる場所に位置している。要するに、アパルトマンは架空の街に存在することになる。それはベルトリッチが創出した銀幕だけの空間であり、がらんとした殺風景な空き部屋がヴィットリオ・ストラーロの手によって、官能的な映像空間となる。本作品の4K UHD/HDR化において、ストラーロの光彩色彩美術画こそが最大のハイライトとなるはずだ。乞うご期待!
MÉLUSINE - LIMITED EDITION SLIPCASE(2,000 UNITS)
SPOT GLOSS HARD SLIPCASE
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OVERVIEW
SPECIAL FEATURES - 4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
- NEW 4K RESTORATION FROM THE ORIGINAL 35MM NEGATIVE, under the supervision of Vittorio Storaro
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- "From Parma to Paris (via Rome)" (30 min) - an interview with long-term Bertolucci collaborator Francesco Barilli
- "Our Last Tango" (12 min) - an interview with editor Roberto Perpignani
- "Before the Tango" (28 min) - Roberto Perpignani on his early collaborations with Bernardo Bertolucci
- "A Conversation with Bernardo Bertolucci" (30 min) - an archival interview with Bernardo Bertolucci
- "Location Scouting for the Tango" (7 min) - featurette looking at the locations of Last Tango in Paris as they are now
- 40-page perfect bound book with essays by Allison Anders, Heather Drain and Jim Hemphill
- English SDH subtitles
FILM & DISC SPECS
タイトル | ラストタンゴ・イン・パリ |
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年 | 1972 |
監督 | ベルナルド・ベルトリッチ |
製作 | アルベルト・グリマルディ |
脚本 | ベルナルド・ベルトルッチ フランコ・アルカッリ 《翻案》アニエス・ヴァルダ |
撮影 | ヴィットリオ・ストラーロ |
音楽 | ガトー・バルビエリ |
出演 | マーロン・ブランド マリア・シュナイダー ジャン=ピエール・レオ マッシモ・ジロッティ カトリーヌ・アレグレ カトリーヌ・ブレイヤ ヴェロニカ・ラザール |
Title | LAST TANGO IN PARIS |
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Released | Apr 29, 2025 (from Distribpix) |
SRP | $49.98 |
Run Time | 129min |
Codec | HEVC / H.265 (Resolution: Native 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible) |
Aspect Ratio | 1.85:1 |
Audio Formats | English DTS-HD Master Audio 1.0 (48kHz/24bit) ※other format(s) TBA |
Subtitles | English, English SDH ※other subtitle(s) TBA |
本作品でマーロン・ブランドの相手役を務めたマリア・シュナイダー。その人生を彼女のいとこである記者ヴァネッサ・シュナイダーが綴った、ノンフィクション「あなたの名はマリア・シュナイダー 悲劇の女優の素顔』の映画化作品『ビーイング・マリア』(2024)がBLU-RAY化。主演は『あのこと』のアナマリア・ヴァルトロメイ。ブランドにマット・ディロン、監督ベルトルッチにジュゼッペ・マッジョ。あの胸がムカつく原作をどう料理しているのだろうか。BLU-RAY only。5月27日。
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