海外盤発売情報
米国盤『プレゼンス 存在』2025年5月20日リリース

PRESENCE - 4K UHD BLU-RAY with DOLBY ATMOS

米インディーズ・レーベル、デカール・リリーシングから届いた4K UHD BLU-RAY『プレゼンス 存在』(2024)リリース・アナウンス。ドルビーアトモス・サウンドトラック収録。

画像2: プレゼンス 存在【世界映画Hakken伝 from HiVi】

本当に怖いのは人間か、幽霊か。
クリス(クリス・サリヴァン)とレベッカ(ルーシー・リュー)のペイン夫妻は、ふたりの兄妹と共に郊外の一軒家に越してきた。だが夫婦関係は冷え切っており、クリスはレベッカと別れることを考えていた。職場でトラブルを抱えるレベッカは、競泳の有望株の息子タイラー(エディ・マデイ)を溺愛し、娘のクロエ(カリーナ・リャン)にはほとんど注意を払わない。そのクロエは親友のナディアの死を悲しみ、精神状態が不安定になっていた。クリスはそんなクロエが心配でたまらず、ことあるごとに彼女を気にかけていた。そしてこの家には、ペイン一家に広がっていく亀裂を見つめる存在がおり、クロエはそれ"プレゼンス"を感じ取る・・・。

監督ソダーバーグは、しばしばピーター・アンドリュースという名義で自ら撮影監督を務めるが、全編を主観映像(幽霊の視点)で構成した本作でも撮影監督を務め、編集も行っている。ソダーバーグは狭い空間で本作を撮影するために、軽量のハンドヘルドシステムを必要としていた。そこでSONYデジタル一眼レフカメラA(Alpha)7Ⅲを使用して撮影。使用レンズは同社Gマスター/FE 14mm F1.8 GMプライムレンズで、開放F値1.8を誇る大口径35mm超広角単焦点レンズは幽霊に全知の「存在感」を与える効果があり、その解像性能や美しいボケ味は予告編からもその実力が伺えよう。本作の主観ショットには「カメラは決して屋外に出ない」というプロットに則ったルールがある。映画で描かれる出来事はすべて家の中で起こり、観る者に監視の感覚を伝えている。家に執着し、家の中の出来事や家の周囲に細心の注意を払っているかのような視点。シーンは長いショット(長回し)、衝動的に動くショット(視点誘導)で展開され、幽霊が単なる受動的な観察者ではなく、警戒心が強く活動的な存在であることを印象づけている。主観ショットは明確な意志を持ち、従来の商業映画の慣習を無視するかのように動く。時には登場人物を置き去りにして家の中をうろつき、好奇心を満たすために部屋に侵入するのだ。徐々にその理由が明らかとなるのだが、それは観てのお楽しみ。

画像: IMDBにはSONY「A9」と記されているが、すべてのインタビューでソダーバーグは一貫して「A7 」と語っている

IMDBにはSONY「A9」と記されているが、すべてのインタビューでソダーバーグは一貫して「A7 」と語っている

撮影手法は奇抜でも、本作はミステリを扱った伝統的なジャンル映画であり、しかも良質なミステリであるため、当然のことながらネタ晴らしは面白さの半減に直結する。一方で本作は、2度、3度と繰り返して鑑賞する価値がある。全体に散りばめられたディテイルや伏線は、随所で観る者の読解力を試すかのように仕組まれており、繰り返して鑑賞することでより深い理解を得ることができるはずだ。死者たちのバックストーリーや家族への脅威は実に恐ろしいものであるが、実のところ本作は堂々たるプロット中心の映画であり、スタジオ黄金期の娯楽作品と同様に緻密なミステリとなっている。ソダーバーグの独創的な視点ショットの連続性を「ジャンル映画の最高傑作を作り続けた巨匠ヒッチコック作品と重なる」と論ずる向きがあるが、それはあながち間違いではなかろう。

音楽は『バーニング・ブライト』『クリスマス・プリンス(Netflix配信ドラマ・シリーズ)』で知られるザック・ライアン。本作ではジャンプスケアなどの効果を狙ったステレオタイプの楽曲スタイルから離れ、代わりに悲しみ、喪失、家族の不和など、物語の感情の深さに焦点を当てたスコアを披露している。音響エンジニアは『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』『ドリームプラン』のジョッシュ・バーガー(レレコーディングミキサー)。音響制作の工程でもソダーバーグはイニシアティブを握っており(実質的なサウンドデザインと音響編集監修)ミニマルな空間における緊張感や不穏なムードに焦点を当て、不安を煽るサウンドトラックに仕上げている。

画像: - YouTube youtu.be

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この映画は観客を誘導したり、ダイレクトな恐怖を与えたりするものではない。観客は状況を注意深く見守り、恐怖が徐々に増していくのを感じる映画だ。そのためサウンドは映像の効果を左右する大きな要因となっている。幽霊は生きている人間と違って、物理的に世界と関わることができない。そのため幽霊の存在はかすかな音の合図で伝えられる。遠くの囁き声、環境のかすかな変化、日常の音の歪みなど、すべてが映画の不穏な雰囲気を醸し出している。恐怖はより心理的で没入感のあるものとなり、その結果、観客に孤立した感覚を伴った不安な感情を抱かせる。それは幽霊を恐れるものではない。視線の先にある人間に対してだ。音響エンジニア:ジョッシュ・バーガー

SPECIAL FEATURES

  • DOLBY VISION/HDR PRESENTATION OF THE FILM
  • DOLBY ATMOS AUDIO TRACK

It seems no bonus materials will be included. This info is based on the back packaging image.

画像: When viewing this trailer, please set resolution to 2160p/4K.

When viewing this trailer, please set resolution to 2160p/4K.

FILM & DISC SPECS

タイトルプレゼンス 存在
2024
監督スティーヴン・ソダーバーグ
製作ケン・マイヤー ジュリー・M・アンダーソン
製作総指揮デヴィッド・コープ コーリー・ベイズ
脚本デヴィッド・コープ
撮影スティーヴン・ソダーバーグ(ピーター・アンドリュース名義)
音楽ザック・ライアン
出演ルーシー・リュー クリス・サリヴァン カリーナ・リャン エディ・マデイ ウェスト・マルホランド ジュリア・フォックス
TitlePRESENCE
ReleasedMay 20, 2025 (from Decal Releasing)
SRP$39.98
Run Time85min
CodecHEVC / H.265 (Resolution: Native 4K / HDR10)
Aspect Ratio1.78:1
Audio FormatsEnglish Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible), English DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz / 24bit) ※other format(s) TBA
SubtitlesEnglish SDH, Spanish ※other subtitle(s) TBA

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バックナンバー:2025年5月のクライテリオン

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