パナソニックから、テクニクスブランドの完全ワイヤレスイヤホンの新製品「EAH-AZ100」が発売された。
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上の記事でも紹介しているように、AZ100はテクニクスブランドの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルとして、数多くの技術やノウハウが投入されている注目の製品だ。ここではいよいよ発売された同機のレビューをお送りしたい。
まずは開封の儀だが、箱を開けると、すぐに目に入ってくる収納ケースは思いのほか小さく、このサイズのケースの中に、よくお団子型(Budsタイプ)のイヤホンが入るなあと少し感心してしまった。加えてケースの蓋側は金属(メタル)製で、硬い質感と、金属らしいひんやりとした触感が素敵で、所有欲も高めてくれる。ケースの蓋を開けると、中央部分の少しスペースはあるものの、イヤホン本体はケースのフチフチまでぴったりと入っており、そこからも本機開発陣の意気込みが伝わってくるよう。
まずは、試聴の前にアプリ(Technics Audio Connect)と接続して、ファームウェアのバージョン(状態)を確認すると、さっそくアップデートが入っているので、それを実行する(10分程度)。その後、LDACコーデックをオンにして、いよいよ試聴開始。再生機はスマホではなくAndroidウォークマン(ZX707)と組み合わせている(試聴はLDACにて)。イヤホンのサウンドモードは「ダイレクト」。
まずはCDクォリティのコンテンツをいくつか聴いてみたが、ボーカルがとてもクリアで、曲によってはとても身近に感じられるもの(自分の目の前で歌ってくれているよう)。定位感もよく、自分の目の後ろあたりにスッと音像が立つ印象となる。音場感も良好で、上方向に広い音空間を創造してくれるのが心地よい。一方で、低音は少し強め
実は、磁性流体を採用した「EAH-TZ700」の音調はあまり好みではなかったので、AZ100の音質はどうなのかなという心配もあったのだが、杞憂に終わったようだ。
コンテンツをハイレゾにすると、音の密度感が向上し、音数が増え、音空間がより広がり、響きが豊かになり、ボーカルの艶やかさが向上するなど、情報量に即した再現性の向上が聴き取れ、LDACの恩恵を存分に感じられるサウンドが楽しめた。
ちなみに、ANC機能をオンにすると、空間が狭くなり、音数が減り、細かい音がなくなるものの、ANCによる音の変化は、ANCモデルの中では最小と感じた。あえて言えば、ハイレゾがCDクォリティになる程度か。
また、mp3コンテンツでも、低域の再現は若干強めで、レンジの狭さは感じるものの、繊細な再現によって聴き疲れしないサウンドが楽しめた。
EAH-AZ100は、テクニクスが培ってきた完全ワイヤレスイヤホンの音質を、さらに一歩進め、繊細で豊かなサウンドが楽しめる製品と言える。