海外盤発売情報
米国盤『アマデウス』2025年2月25日リリース
AMADEUS - 4K UHD BLU-RAY with HDR10 - 4K DIGITAL RESTORATION
ワーナーから届いた4K UHD BLU-RAY『アマデウス』(1984)リリース・アナウンス。35mmオリジナルカメラネガからの最新4Kデジタルレストア/HDRグレード版。HDRはHDR10 only。リマスターDTS-HD MA 5.0サウンドトラック収録。UHD BLU-RAY化は160分劇場公開版のみ(詳細は下欄を参照)。また同時期リリースのUK UHD BLU-RAYは特典同梱のスチールブック限定コレクターズ版となる(スタンダード版もリリース)。
あなたが聞いた噂は、すべてが真実だ
18世紀の初め、ウィーンの精神病院に、自殺を図ったひとりの老人が収容された。彼の名はアントニオ・サリエリ。かつてウィーンの宮廷楽長を務めた男であった。天才作曲家として名高いモーツァルトを殺したのは自分だ。そう主張するサリエリは、病室を訪ねてきた神父にモーツァルトとの確執を語り始める・・・。原作・脚本は英国の劇作家ピーター・シェイファー。下敷きはアレクサンドル・プーシキンによる1830年の戯曲『モーツァルトとサリエリ』。これは4編からなる短編戯曲作品『小悲劇』の1篇で、嫉妬をテーマとした2幕構成。1825年に死んだサリエリがモーツァルトを毒殺したという噂を元にしており、サリエリの独白からなる作品である。『モーツァルトとサリエリ』にインスピレーションを得たシェイファーは、独自の解釈を加えて戯曲化、映画の脚色も手掛けている。
監督は『カッコーの巣の上で(オスカー受賞)』『ヘアー』『ラリー・フリント』のミロス・フォアマン。撮影はフォアマンの故郷である、17世紀の街並みと風情を残す古都プラハで行われ、ハリウッドに招かれ『カッコーの巣の上で』で成功を収めたフォアマンが錦を飾るロケとなった。映画はアカデミー賞の10部門でノミネートされ、作品・監督・主演男優・脚色・美術・衣装デザイン・メイクアップ・音響賞を受賞。主演男優賞ではトム・ハルスとF・マーレイ・エイブラハムがWノミネートされる快挙となったが、オスカーはエイブラハムの手に渡っている。
撮影監督は『ヘアー』『プリティ・リーグ』のミロスラフ・オンドリチェク。パナビジョン・パナフレックス/35mmアナモフィック撮影。音楽監督(監修・指揮)は英国の名指揮者でヴァイオリニストのネヴィル・マリナー。オスカー音響賞受賞の面々は、『エクソシスト』『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカーに輝く "同録の魔術師" クリストファー・ニューマン(録音)『SF/ボディ・スナッチャー』『ドラゴン ブルース・リー物語』のジョン・ナット(編集)『地獄の黙示録』『ライトスタッフ』『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカー受賞のマーク・バーガー(リレコーディング)。
SPECIAL FEATURES
- 4K RESTORATION FROM THE ORIGINAL CAMERA NEGATIVE(THE THEATRICAL CUT OF THE FILM)
- HDR PRESENTATION OF THE FILM
- The Making of Amadeus - Featurette
- AMADEUS The Making of a Masterpiece -Featurette
2023年、『アマデウス』をはじめ『カッコーの巣の上で』『イングリッシュ・ペイシェント』など、アカデミー賞受賞作品を多数所有するソウル・ゼインツ・カンパニーが、同社設立者で本作のプロデューサーでもあるソウル・ゼインツの甥ポール・ゼインツ所有の製作会社テアトロ・デラ・パーチェ・フィルムズに売却された。これを機にテアトロ・デラ・パーチェ・フィルムズは、アカデミー・フィルム・アーカイヴと共同で、映画公開40周年を記念して『アマデウス』(劇場版、およびディレクターズカット)の4Kデジタルレストア・プロジェクトを正式に始動させた。2024年、修復・復元作業は完成、5月にアカデミー映画博物館で限定上映されている。
ソウル・ゼインツは配給契約をスタジオとしか結ばなかった。作品の権利を所有していたのはソウル・ゼインツ・カンパニーで、スタジオは所有していなかった。『アマデウス』がDVD化される時、ソウルと監督のフォアマンはディレクターズカットとして販売される新しいバージョンを作りたいと考えた。ソウルはディレクターズカットを作るために、オリジナルネガを入手して編集を行った。2001 年以来、オリジナルのカメラネガはディレクターズカットでしか存在していなかった。2014年にソウルは他界し、いまでは甥のポールが会社を所有している。ポールは常に、3時間8分のディレクターズカットよりも、2時間40分のオリジナル版を好んでいた。だから私たちは、皆が望む方法で団結した。ポールは『アマデウス』公開40周年を記念した配給を行いたいと考えていたし、私たちアカデミーもアカデミー会員がオスカーを授与したバージョンを望んでいたのだ。(アカデミー・フィルム・アーカイヴ監修ディレクター:マイケル・ポゴジェルスキー)
幸運なことに、オリジナルネガは汚れや傷があるものの、かなり良好な状態だった。しかもオリジナルネガから何も削除されておらず、編集されたネガの前後のフレームが失われただけで、私たちは失われた映像をほとんど探さずに済んだ。その前後ふたつのフレームを複製する必要があったが、35mmインターポジを使用してその部分を復元することができた。(アカデミー・フィルム・アーカイヴ保存担当:テッサ・アイドルワイン)
私はオリジナル版の修復を熱望していた。その理由は『アマデウス』が史上最高の映画のひとつだからだ。創造の営みと、神が誰を指差すのかを描いている。モーツァルトが何の苦労もなく音楽を創造するシーンでは、私たち観客はただただ畏敬の念を抱きながら彼のやっていることを見つめるしかない。豪華なセット、衣装、モーツァルトの音楽が満載の『アマデウス』は、本質的にはふたりの登場人物が織りなす親密な作品だ。ディレクターズカットには良いところがたくさんある。でも私は最優秀作品賞バージョンの方が好きだ。それは、より軽快な感じがするからだ。『アマデウス』の素晴らしいところは、壮大な作品でありながらも軽快なところだ。ディレクターズカットを作った時、ミロスはそれをとても気に入っていた。だがその後、オリジナル版を観客に届けることが難しくなってしまった。私がアカデミーの歴史・保存担当副会長を務めていたころ、ポゴジェルスキーや技術担当副会長のランディ・ハバーカンプと何度も話し合い、ミロスの未亡人マルティナとも話し合いの場を設け、修復の実現にも関わってきた。(脚本家/プロデューサー/監督:ラリー・カラゼウスキー/ミロス・フォアマン監督作『ラリー・フリント』の脚本を、スコット・アレクサンダーと共に執筆。ふたりとも『アマデウス』の修復に関わっている)
FILM & DISC SPECS
タイトル | アマデウス |
---|---|
年 | 1984 |
監督 | ミロス・フォアマン |
製作 | ソウル・ゼインツ |
製作総指揮 | マイケル・ハウスマン ベルティル・オルソン |
脚本 | ピーター・シェイファー 《原作戯曲》 ピーター・シェイファー |
撮影 | ミロスラフ・オンドリチェク |
メイクアップ | ディック・スミス |
音楽 | ネヴィル・マリナー |
出演 | F・マーレイ・エイブラハム トム・ハルス エリザベス・ベリッジ ロイ・ドートリス サイモン・キャロウ ジェフリー・ジョーンズ クリスティーン・エバーソール チャールズ・ケイ ケニー・ベイカー ヴィンセント・スキャヴェリ シンシア・ニクソン リチャード・フランク |
Title | AMADEUS |
---|---|
Released | Feb 25, 2025 (from Warner Bros.) |
SRP | $29.49 |
Run Time | 160min |
Codec | HEVC / H.265 (Resolution: Native 4K / HDR10) |
Aspect Ratio | 2.39:1 |
Audio Formats | English DTS-HD Master Audio 5.0 (48kHz/24bit), Spanish Dolby Digital 5.1, French Dolby Digital 5.1 ※other format(s) TBA |
Subtitles | English SDH, Spanish, French ※other subtitle(s) TBA |
バックナンバー:世界映画Hakken伝 from HiVi
バックナンバー:2025年3月のクライテリオン