恐怖のメロディ／アイガー･サンクション／真昼の死闘【世界映画Hakken伝 from HiVi】

海外盤発売情報
米国盤『真昼の死闘』『恐怖のメロディ』『アイガー･サンクション』
2024年11月5日リリース

TWO MULES FOR SISTER SARA／PLAY MISTY FOR ME／THE EIGER SANCTION
- 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION
4K DIGITAL RESTORATION

キーノ･ローバーから届いた4K UHD BLU-RAYリリース･アナウンス。1971年、ドン･シーゲル監督作『ダーティハリー』の成功とともに、マネー･メイキング･スタアのトップに躍り出たクリント･イーストウッド。その成功の前後に公開されたイーストウッド作品（公開順に）『真昼の死闘』（1970）『恐怖のメロディ』（1971）『アイガー･サンクション』（1974）が、11月にキーノからUHD BLU-RAYリリースされる。いずれも35mmオリジナルカメラネガからの4Kデジタルレストア／HDRグレード。HDRはHDR10とドルビービジョンHDRをサポート。

TWO MULES FOR SISTER SARA／真昼の死闘

フランス干渉戦争（フランス･メキシコ戦争）下のメキシコ北部。流れ者のホーガンは男たちに暴行されそうになっている尼僧サラを助けた。メキシコ革命軍のために活動しているというサラは、革命軍の駐屯地にたどり着くまでの間、ホーガンに護衛を頼んだ。こうしてスゴ腕ガンマンとワケあり尼僧の珍道中が始まるが･･･。1968年『マンハッタン無宿』で初コンビを組んだ監督ドン･シーゲルとの2度目の顔合わせとなり、『ダーティーハリー』ヒット前夜の痛快西部劇。共演は『アパートの鍵貸します』『あなただけ今晩は』の演技で高い評価を受けていたシャーリー･マクレーン（オープニング･クレジットでは彼女の名が先に出る）。彼女にとって初めての西部劇出演であるが、その魅力はイーストウッドを喰ってしまうほど。撮影は『イグアナの夜』『火山のもとで』のガブリエル･フィゲロア。音楽は御大エンニオ･モリコーネ。UHD BLU-RAYには114分インターナショナル版（ノーカット）、BLU-RAYに104分短縮版を収録。

SPECIAL FEATURES

DISC 1（4KUHD）- INTERNATIONAL CUT

DISC 2（BLU-RAY）- DOMESTIC CUT

PLAY MISTY FOR ME／恐怖のメロディ

1971年はイーストウッドにとって画期的な年となった。まず監督シーゲルと三たび組んだ『白い肌の異常な夜』が公開。ショッキングな結末が待っているスリラーに出演、話題を呼んだ。そして続く本作で、いよいよ監督業に初挑戦。ローカル局のDJであるデイヴは、いつも決まってエロル･ガーナーの名曲「ミスティ」をリクエストしてくる女性イブリンと偶然酒場で出会い、遊び半分で一夜を共にした。ところがイブリンは翌日からいそいそとデイヴの部屋に入り込んできて、わがもの顔で振る舞い出す。一夜を共にした女性に付け狙われるDJの恐怖を描き、イーストウッドの演出ぶりは高い評価を得た。ストーカーという概念自体が浸透していない公開当時、ストーカー行為をスリラー映画として扱った点で先進的な映画でもあった。共演はジェシカ･ウォルター。『グループ』や『グラン･プリ』で堅実な演技を見せていた彼女が大役に抜擢された映画であるが、本作以降は作品に恵まれていないのが残念である。撮影は『白い肌の異常な夜』のブルース･サーティースで、1985年『ペイルライダー』まで大半のイーストウッド監督作を担当することになる。音響エンジニアは『スティング』『大地震（オスカー受賞）』のロナルド･ピアース。

SPECIAL FEATURES

DISC 1（4KUHD）

DISC 2（BLU-RAY）

原作はジョー･ヘイムズ。本名ジョイス･ヘイムズは元モデル、ダンサーでもある女流脚本家である。60年代に独立系や大手映画スタジオの両方で幅広いジャンルのテレビや映画の脚本家としてクレジットされるようになったヘイムズは、1967年、ユニバーサル･スタジオで『マンハッタン無宿』を撮影中のイーストウッドと知り合い、良好な友人関係を築いていった。翌年には本作の脚本を書き上げ、それを高く評価したイーストウッドの勧めで、ユニバーサルに権利を高額で売却。プロジェクトはしばらく棚上げられた状態であったが、イーストウッドがユニバーサルと3本の映画契約を結んだ際に、彼は脚本を買い取り、『マンハッタン無宿』の脚本家ディーン･リースナーに改訂を依頼している。ヘイムズによれば「イブリンのキャラクターは、自分の知っている女性に基づいて造形した」ものだという。ちなみに本作に続く『ダーティハリー』の脚本制作にノンクレジットで貢献したのも彼女である。73年にはイーストウッド監督作『愛のそよ風』の脚本を担当。だが1975年、乳がんと診断され病に倒れ、78年に48歳で他界した。

THE EIGER SANCTION／アイガー･サンクション

『恐怖のメロディ』『荒野のストレンジャー』に続くイーストウッド監督第3作。スイスのチューリッヒで起きたCIA諜報部員が惨殺をきっかけに、表向きは大学教授、美術鑑定家、登山家の顔を持ち、いまは一線を退いているスゴ腕の殺し屋ジョナサン･ヘムロックがふたたび動き出す。舞台をアイガー北壁に移し、正体不明のターゲット暗殺に挑むヘムロックの姿を描いた山岳スパイ･アクションである。トレヴァニアン（テキサス大学の映画教授ロドニー･ウィリアム･ウィテカーのペンネーム）による1972年の同名スリラー小説の映画化。出版から間もなくユニバーサルが権利を買い、ポール･ニューマン主演でプロジェクトを始動させる。脚本をTVシリーズ『マッシュ』のハル･ドレスナーと、トレヴァニアンがロッド･ウィテカーの名で共同執筆するが、最終的にニューマンは「暴力的すぎる」という理由で降板、プロジェクトは一時休止となる。その1年後の1973年後半、『JAWS／ジョーズ』のプロジェクトを進行中だったリチャード･D･ザナックとデヴィッド･ブラウンが、イーストウッドにこのプロジェクトを持ち掛け、実現に至っている。脚本に改良の余地があるとしたイーストウッドは、ベストセラー･シリーズ『デストロイヤー』（85年『レモ／第1の挑戦』が映画化）で知られる小説家ウォーレン･B･マーフィーに改訂を依頼している。

撮影は『ダーティハリー2』『サンダーボルト』のフランク･スタンリー。アイガー北壁での撮影中に転落して負傷し、治療の間は『ダーティハリー』などのカメラオペレーターであるウィリアム･N･クラークが撮影監督を務めている。音楽は御大ジョン･ウィリアムズ。イーストウッドがジェリー･フィールディングと組み始める前夜、ウィリアムズのジャジーな楽想を楽しめた最後期のスコアが披露される。音響エンジニアは『JAWS／ジョーズ』でオスカーを受賞したロバート･ホイット、ロジャー･ヒーマン･Jr、アール･マドリーのトリオ。

SPECIAL FEATURES

DISC 1（4KUHD）

DISC 2（BLU-RAY）

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