ターミネーター【世界映画Hakken伝 from HiVi】

海外盤発売情報
米国盤『ターミネーター』11月5日リリース

THE TERMINATOR - 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION and DOLBY ATMOS
4K DIGITAL RESTORATION

ワーナーから届いた4K UHD BLU-RAY『ターミネーター』（1984）リリース･アナウンス。35mmオリジナルカメラネガからの4Kデジタルレストア／HDRグレード。HDRはHDR10とドルビービジョンHDRをサポート。リミックス･ドルビーアトモス･サウンドトラック収録。

冷酷！非情！残虐！史上最強《悪》のヒーロー！
監督ジェームズ･キャメロンの粗削りでハイテク満載のB級アドベンチャーに、スティーヴン･スピルバーグ的な小綺麗さはゼロ。アーノルド･シュワルツェネッガー扮する殺人マシンが執拗にヒロインを追うという、基本的にはそれだけの話だが、真っ向からスピード感を追求し、スポーツ競技にも似た潔さすら湛えた傑作エンタテインメント。

前作『殺人魚フライングキラー』で苦杯を嘗めたキャメロンが会心の逆転打を放ったばかりか、シュワルツェネッガーを一躍スタアダムに押し上げ、爆発的なヒットとなった『ターミネーター2』を含めて5作の続編劇場映画が製作されている。共演はリンダ･ハミルトン、マイケル･ビーン。

撮影は『ゴースト／ニューヨークの幻』『ターミネーター2』アダム･グリーンバーグ。ARRIアリカム35シリーズ／35mm球面レンズ／1.37:1撮影。上映はソフトマット（上映フィルムのプリントの際に上下にマスクをかける）1.85:1ビスタサイズ。音楽は本作のスコアでハリウッドの表舞台に躍り出た『告発の行方』『瞳が忘れない／ブリンク』のブラッド･フィーデル。

オリジナルのサウンドデザイン／音響編集は、映像編集マンであり、『イナゴの日』『プラトーン』などの音響で知られるデイヴィッド･カンプリング。レストア／リミックス版のサウンドデザインは、『ターミネーター2』『ジュラシック･パーク』『タイタニック』『プライベート･ライアン』で4度のオスカーに輝くスカイウォーカーサウンドの重鎮ゲイリー･ライドストロム。

本作の萌芽はキャメロン自らが見たという悪夢。ジョン･カーペンターと彼の監督作『ハロウィン』に触発されたキャメロンは、その悪夢を出発点としてホラー調のシノフィスを書き上げた。その後、1950年代のSF映画、1960年代のテレビシリーズ『アウターリミッツ』、さらにカーアクション『ドライバー』（1978）や『マッドマックス2』（1981）の要素を織り交ぜながら草稿を書き上げている。草稿からの脚本化においては長年の友人である脚本家ウィリアム･ウィッシャーと共同で構想を練り、彼らの当初の概要では2体のターミネーターが過去に送られるというものだった。そのうちの1体は液体型マシンであったが、当時の技術では液体型を制作することはできず、このアイデアは『ターミネーター2』のT-1000登場で実現することになる。

アーノルドをターミネーター役に起用する案には反対だった。うまくいくはずがなかった。ターミネーターは潜入捜査官のような存在であるべきで、群衆の中にアーノルドのような容姿の男がいたらすぐに見つかってしまう。まったく意味がなかった。しかし、彼に会って考えが変わった。映画の美しさは、論理的である必要がないことに気がついた。もっともらしさがあればいいのだ。観客が好む直感的で映画的な出来事が起きているなら、それがあり得ないことであっても気にする必要がない。（ジェームズ･キャメロン）

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