シャープは、来る9月17日(火)〜18日(水)に、東京国際フォーラムで大規模技術展示イベント「TECH-DAY’24 INNOVATION SHOWCASE」を開催する。会期は9月17日(13:30〜19:00)〜18日(10:00〜17:00)で、入場は無料。同社特サイトから事前に参加登録をしておけば誰でも参加可能だ。
AI、EV、Green Energy、Industry、Communicationといった分野について、同社がNext Innovationとして生み出すソリューションと改革技術を展示する催しという。それに先立ち本日、事前説明会が開催された。
まず、シャープ株式会社 専務執行役員CTO 兼 ネクストイノベーショングループ長 種谷元隆さんから、「TECH-DAY’24 INNOVATION SHOWCASE」の概要が紹介された。
シャープでは、独自技術をベースに近未来の価値を提供していくということを目指してきた。そのためにはユーザーやステークホルダー、ベンダーと一緒になって世界を構築していくことが必要と考えているそうだ。
そのためにはこのような技術展を実施し、目指すべき世界観を共有したり、意見や協力を募ることで近未来のソリューション、商品開発を加速していく場を作りたいと思っているようだ。今年は5つのゾーンで、約50のテーマ(昨年からのアップデートと新提案が半々)で展示が行われる。
事前説明会では、代表的なテーマについても紹介された。
その第一が「生成AIへの取り組み」だ。シャープでは2015年からAIoTを提案、自社家電にワイヤレス機能をつけることで、機器がつながる世界を提唱した。続いて2017年にはAIoT 2.0として、複数の家電や他社製品、住設機器との連携を可能にした。今回はAIoT 3.0としてAI活用生活向上や対応機器の拡大、社会課題の解決への応用を目指していくという。
その生成AIで目指すのは「Act Natural」という価値だ。同社の生成AIコア技術であるCE-LLM(Communication Edge-Large Language Model)をベースに、生活関連、オフィス、ネットワーク、EVといった分野での利便性を提供し、生活そのものをより快適、自然にしていく。
今回はCE-LLMのエッジAI(デバイス内で処理を行うAI)のスペックを向上、クラウドAIにアクセスする頻度を必要最小限にすることで、セキュリティの改善や反応速度の向上を果たしているそうだ。
シャープではCE-LLMを様々なデバイスに搭載していくことで、ボタン操作をなくす、音声による操作でタッチ操作も不要にするといったことを目指していく。「使いこなしのために、人間が機械に合わせる必要がなくなります」と種谷さんは力説していた。
例えばテレビなら、生成AIの搭載による対話型UIの展開も可能で、自然な会話による操作や、ヘルスケア機能の活用なども期待できる。またPCのダイナブックとの組み合わせでXRソリューションも展開できるそうだ。会場には、XRグラスにAIの情報を表示するといったデモもあり、会話の内容をリアルタイムにテキスト化し、同時に英語に翻訳してXRグラスに表示するといったアプリも展示されていた。
もうひとつ、シャープがEV(電気自動車)に取り組むことも発表された。「TECH-DAY’24 INNOVATIONSHOWCASE」では「LDK+」と命名されたコンセプトカーも展示されるそうで、その後部座席には65インチディスプレイも搭載、車内シアターも楽しめるそうだ。
LDK+という呼称の通り、シャープではEVをリビングルームの拡張空間として捉え、停まっている時間にEVをいかに楽しんでもらうかを考えているのだろう。
なお今回のコンセプトカーはFoxconnと連携してEVのオープンプラットフォームをベースに企画・開発、フォロフライ株式会社の協力で実現したそうだ。シャープでは将来的にEV事業への参入も検討しているそうで、数年後を目処に具体的なビジネスモデルを構築していくという。