生活家電の開発・販売から流通サービス業まで展開しているドウシシャは、東京本社にて「2024年秋冬新製品発表 タッチ&トライ」を開催。同社が取り扱う各ジャンルの新製品を一堂に集めた一大発表会を行なった。ここでは、その中からオーディオ&ビジュアルに関係するものをメインに、記者が気になった新製品についても紹介したい。
まずは、大型のホーンが目をひく、ホーンスピーカー搭載のCD・ラジオ・Bluetooth一体型オーディオシステム「ORION Bluetooth搭載CDホーンスピーカー SMS4BT」(¥54,780税込)から。製品自体は、今月頭に発売されているが、実物を目にするのは今回が初めて。サイズは幅404、高さ506、奥行348mmという立派なもので、ホーンがなければ意外とコンパクトなのだが、そのホーンがあることで、結構な大きさとなっている。
開発担当者は、AVライティング商品ディビジョンという不思議な部署に所属する金谷氏。同社の人気商品「俺たちの青春ラジカセ」を担当しているその人だ。開発のきっかけは自宅での細君の一言だそうで、夜遅くても、小音量でも、いい音で「ikura(YOASOBI)」(が大好きだそう)のボーカルを楽しめるシステムがほしい。それを具現化したのが、SMS4BTということだ。リリースに記された製品特徴を記述すると、下記のようになる。
・歌い手が目の前に存在しているように聴こえるホーンスピーカー
・インテリアにもなる上質な存在感
・アナログレコードを彷彿させるCDプレーヤー
・Bluetooth接続、USB再生
リリースの通り、音質はなかなかのもので、ウーファー(バスレフ仕様)を加えた1.1chというモノーラルシステムながら、ボーカルの再現性はかなりのもので、しっかりと芯のある声・サウンドを楽しむことができた(ステレオイメージの再現ができないのは、多少残念だが)。売り文句の通り、小音量でも声が細ることなく、立派な聴こえ方(聴かせ方)となっていた。
BluetoothはSBCのみ、USB入力再生は不可(USBメモリー再生に対応)といった仕様はさておき、CDやラジオをメインに聴取するのであれば、かなり楽しめるのではないかと感じた次第。
CDプレーヤー部はアナログレコードをイメージした造形で、透明カバーがなかなかに目を楽しませてくれる(一見して、レコードがかかりそうな雰囲気はある)。
ちなみに、ホーン部分はスチール製だそうで、管の部分は2分割パーツを溶接、そこにホーンを取り付けて、サンドブラスト処理を施した上で塗装するという、手の込んだ製造をしているそうだ(実際に触ってみると、質感も上々)。
次は健康家電「まるでカメレオンシリーズ 実はこっそりマッサージしてるんです。」(¥12,980税込 10月発売)。商品名がそのまま製品の実相を表しているので、説明は省略するが、要はマッサージ機。開発担当者が、マッサージ機の力加減を間違えて発注したことで、力の強すぎるマッサージ機として人気を博した「ゴリラのハイパワーシリーズ」に続く動物マッサージ機になるそうで、仕事中――会社でも、リモートワーク中の自宅でも――に使えるマッサージ機を目指して開発したのだとか。椅子の背もたれ部分と同化する薄型(8cm)が特徴。でありながら、マッサージ玉は2つあり、きちんと上下するので、マッサージ機としての性能を充分に発揮できるそうだ。バッテリー内蔵で、15分で自動的に電源オフになるそう(1回の充電で6回使用可能という)。
続いては、浄水機能付きシャワーヘッド「PURESOME」(¥5,500税込・スターターキット 8月下旬発売)。韓国で人気の商品だそうで、今回は自社開発にこだわらず、提携にて国内への導入を図るということだ。製品には、2種類の浄水機能があり、持ち手の部分のフィルター(棒状)で水の中の不純物を、ヘッド部分のフィルターで残留塩素を除去して、ピュアな水を浴びることができる製品、となる。ちなみに水が出てくる穴は、マイクロホールになっていて、水圧は強いそうだ。
続いては、温度に専念したON℃ZONE(温度ゾーン)ブランドのマグカップ「白湯専科マグカップ クイックプチ 230ml」(¥2,728税込 9月下旬発売)。一つの用途に絞った専科シリーズは好評だといい、白湯(沸騰させて、不純物を取り除いた、40度以上のお湯を指すそうだ)は一度沸騰させていることもあり、すぐには飲めない(冷やさないといけない)ため、吸熱機能と保温機能を併せ持った既発の「白湯専科マグカップ」は、累計9万個もの販売を記録する人気を博したという。今回は、ユーザーが実際に飲んでいる容量をアンケートし(100~200mlあたりが多いそう)、それを元に180ml(水位線付)の容量(満杯にすると230ml)を持った本製品をラインナップしたということだ。95度のお湯を入れると、2分ほどで飲みやすい65度前後になるそうだ。以後、熱を吸い取った吸熱材が熱を保有し、それが保温機能を果たすそうだ。
あわせて、白湯ユーザーに好適な電気ヤカン「白湯専科電気ケトル 1.0l EKZ-102」(¥9,878税込 10月発売)も発表された。容量は型番の通り1リットルで、通常の白湯を作るモード(10分間沸騰させて不純物を取り除いてくれる)、時間予約で白湯を作るモード、設定した温度に温める加熱モード(50~100度の間で5度刻み)の3種類のモードを持つ。常温の水からは、およそ15分で白湯(お湯の温度は100度近い)が作れるという。そこに白湯専科マグカップ クイックプチ 230mlを組み合わせれば、2分ほどで飲みやすい65度前後の温度になる、ということだ。
続いては、スティック状の布団乾燥機「ふとんジェット HKZ-04/ZKH-04」(¥14,080税込 9月下旬発売)。一般的に、ふとん乾燥機というと、スクエアなボディからホースが伸びる、というスタイルを想起するが、こちらは最近流行のスティック状のヘアドライヤーのように、高速回転するモーター(11万回転/分)を内蔵、スリムながら、60度の音風を送り出すことが可能という製品だ。
寝る前にふとんを温めておくモード、乾燥モード、ダニ対策モード(60度の送風を80分とか)の3種類のモードを備える。駆動音は、海外のアノ扇風機とは比べ物にならないほど静か(笑)。送出口に専用のスペーサー(おひさまスペーサー)を付けることで、ふとんの隅々まで音風が送れ、均一な温度にできるという。担当者と話していたら、枕を温めるアタッチメント(?)の開発も考えているそうだ。