本日(8月21日)、ついに『ロッキー』シリーズ全6作品を4K化したBOXがリリースされた。『ロッキー』シリーズは今さら言うまでもない、シルベスター・スタローンの大ヒットシリーズで、現在はマイケル・B・ジョーダンが主演する『クリード』シリーズに引き継がれている。

「【初回限定生産】ロッキー:アルティメット・ノックアウト・コレクション<4K ULTRA HD>(6枚組+ブルーレイ ボーナス・ディスク1枚/豪華封入特典付)」 ¥34,860(税込)

画像: 『ロッキー:アルティメット・ノックアウト・コレクション』は、ベストな状態でシリーズ全6作を楽しめる。長年のファンも、初めて本作に触れる世代も必見!【フィジカル万歳24】

●収録内容:<4KULTRA HD>『ロッキー』『ロッキー2』『ロッキー3』『ロッキー4』『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』『ロッキー5』『ロッキー・ザ・ファイナル』<ブルーレイ>ボーナス・ディスク●特典:アートカードセット(両面/6枚組)●発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント●販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

 若い世代の中にはタイトルだけは知っているけど、見たことがないという人もいると思うので、まずは簡単にシリーズを振り返ってみたい。第1作の『ロッキー』(1976)は、売れない俳優だったスタローンが、王者ムハメド・アリと無名のチャック・ウエプナーとの15ラウンドに渡る死闘に感激して、3日で脚本を執筆。自身を主演にすることを条件に映画会社に売り込み、低予算で映画化が実現。だがその映画は公開されるや大ヒット。王者アポロに無名のロッキーが挑む姿に多くの観客が涙した。そして、その年のアカデミー賞で作品賞を含む3部門での受賞となり、『ロッキー』伝説が始まったのだ。

 3年後の『ロッキー2』(1979)ではスタローン自身が監督を担当。前作でアカデミー賞を獲得したジョン・G・アビルドセンと同じくていねいな人物描写でアポロとのリターンマッチまでが描かれる。さらに3年後の『ロッキー3』では新たな敵の登場と、トレーナーのミッキーの死という劇的な要素で再び大ヒット。スタローン人気も上昇する。

画像: 『ロッキー』(1976)

『ロッキー』(1976)

 『ロッキー4/炎の友情』ではソ連のイワン・ドラゴが現れ、アポロをリングで粉砕。ロッキーは敵地でリターンマッチに挑む。米ソの対立とMTV的な編集を取り入れ、シリーズ最大のヒットを記録。公開時、『最後のドラマ』と副題が付いた『ロッキー5』はスタローン人気が凋落していた時期だけに厳しい結果となったが、14年後の2007年にまさかの第6作『ロッキー・ザ・ファイナル』が完成。当時還暦のスタローンの復帰に多くの観客は驚いたが、これが第1作の精神を見事に引き継いだものになっていて、有終の美を飾ることとなった。

 『ロッキー』シリーズの素晴らしいところは、人間ドラマとしての映画の面白さを改めて観客に知らしめたという点に尽きるだろう。シリーズのどの作品から入っても、ロッキーとその周囲の人間たちに魅せられて、クライマックスの試合の迫力に夢中になってしまう。そして過去の作品も振り返りたくなる。80年代、人気だったとんねるずがバラエティ番組で『ロッキー』をパロディ化して人気を博していたのだが、そうしたパロディが通じるほど、映画が日常生活に浸透していたことも忘れないでほしい。

 オーディオビジュアル的には『ロッキー4/炎の友情』のLDが発売された時、4950円という当時にしては低価格で発売され、LDの普及に大いに貢献した。その後、DVD時代になると2001年に『DVDコレクターズBOX』が発売、2007年には音声をブラッシュアップした『ロッキー DTSコレクターズBOX』が再登場した。その後、仕様を変えて何度もリリースされている。

画像: 『ロッキー2』(1979)

『ロッキー2』(1979)

 ブルーレイ時代には2007年に『ロッキー』が単品でリリースされた後、2009年に『〜ザ・ファイナル』までを収録した『ロッキー ブルーレイ・コレクターズBOX』が登場。2014年には1作目を高画質化した『ロッキー MGM90周年記念ニュー・デジタル・リマスター版』がリリースされ、スチールブック付きなど、こちらも様々な仕様で発売が繰り返されてきた。そして今回、シリーズ全作を4K UHDブルーレイ化したBOXのリリースとなったのである。

 今回、収録されているUHDブルーレイは全作品、ドルビービジョン対応の高画質仕様。さっそく100インチのスクリーンと、85インチの直視型液晶モニターで全6作をチェックした。

 1作目では舞台となるフィラデルフィアの地面が濡れた感じがHDRでよく表現されているし、ロッキーが暮らすアパートの汚れた質感や、エイドリアンが働くペットショップのディテイルも確認できた。朝日を背にロッキーがロードワークに出かける場面では市場に活気も感じられるし、ロッキーが駆け上がるフィラデルフィア美術館の階段の様子もよりリアルに目に飛び込んできた。ボクシングシーンになると、俳優たちから噴き出す汗や、パンチを受けてファイターの顔が変貌していく姿も生々しく伝わってくる。

画像: 『ロッキー4/炎の友情』(1985)

『ロッキー4/炎の友情』(1985)

 これまでのソフトではクォリティが1作目ほどでないと思えた2作目以降も、ていねいなレストアが行われ、違和感を覚えることはほとんどない。個人的にはシリーズ中、自分が初めて劇場で見た『ロッキー2』に思い入れがあるのだが、大画面再生でもまったく問題を感じなかった。『ロッキー4』はややざらつきが残っているが、これは狙いだろう。

 面白く感じたのが、パンチの効果音がシリーズを通して見ると、どんどん進化していること。1作目ではパスパスなのが、作品を追うごとに重くなり、4作目ではドスンドスンと腹に響く音になっている。また今回、2〜5作に関しては公開時のドルビーステレオ音声が収録されているので、5.1ch音声と比較してみるのも一興だろう。

 特典では『ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ』と『ロッキー・ザ・ファイナル ディレクターズ・カット版』の2つの別バージョンが必見。一部の劇場で公開された『ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ』は、2021年にスタローン自身が再編集し、不評だった家庭用ロボットの登場などを無くし、未使用のドラマパートを追加。画面サイズもビスタからシネスコに変えたもの。劇場版を繰り返し見てきた身にとっては、音楽の使いどころが変わったことで、乗り切れない部分もあったが、それでも一見の価値はある。

画像: 『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)

『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)

 『ロッキー・ザ・ファイナル ディレクターズ・カット版』の方は、未使用だったドラマパートを大幅に追加し、劇場版より約15分長くなっている。人間描写が緻密になり、各サブキャラ、特に義兄ポーリーの存在感が大きくなった良質なバージョンと言えよう。海外でスチールブックに使われているビジュアルをアートカードにして封入しているのも細かい配慮だ。

 今年の2月にはアポロ役のカール・ウェザースが、昨年10月にはポーリー役のバート・ヤングが亡くなっている。また『ロッキー5』に出演していたスタローンの実の息子セイジ・スタローンは2012年に、トミー・“マシン”・ガン役のトミー・モリソンも2013年に若くして他界している。シリーズを支えてきた彼らを偲びながら、映画を鑑賞するのもいいだろう。

 長年、『ロッキー』シリーズを応援してきたファンにはもちろん、『ロッキー』に初めて触れる世代にも、ベストな状態を提供してくれる本ソフト。是非、このBOXでロッキーの勇姿を目に焼き付けてほしい。

シリーズ全6作品が、ブルーレイの廉価版で同時発売!

 今回のUHDブルーレイ発売に合わせて、『ロッキー』〜『ロッキー・ザ・ファイナル』のシリーズ全6作品のブルーレイが発売された。各¥2,619(税込)というお得なプライスなので、興味のある方はこちらもチェックを。

画像: 『ロッキー』ROCKY IS A TRADEMARK OF METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC. © 1976 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC. ALL RIGHTS RESERVED. 『ロッキー4』ROCKY IS A TRADEMARK OF METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOSINC. ROCKY IV © 1985 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOSINC. ALLRIGHTS RESERVED. 『ロッキー・ザ・ファイナル』ROCKY BALBOA is a trademark of Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. ROCKY BALBOA © 2006 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved.

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画像: 飯塚さんの『ロッキー』パッケージソフトコレクション。この他にブルーレイBOXもあるそうです!

飯塚さんの『ロッキー』パッケージソフトコレクション。この他にブルーレイBOXもあるそうです!

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