四谷怪談／牡丹灯籠／怪談雪女郎【世界映画Hakken伝 from HiVi】

海外盤発売情報
米国盤『四谷怪談』『牡丹灯籠』『怪談雪女郎』
2024年10月29日リリース

DAIEI GOTHIC: JAPANESE GHOST STORIES
- BLU-RAY／4K & 2K DIGITAL RESTORATION

大映名作怪談映画3作品を所収したBLU-RAY BOX『大映ゴシック：ジャパニーズ･ゴースト･ストーリーズ』が、この秋に英国と米国で登場する。収録作品は『四谷怪談』（1959／監督･三隅研次 ）『怪談雪女郎』（1968／監督･田中徳三 ）『牡丹燈籠』（1968／監督･山本薩夫）。リリースは英国インディーズ･レーベル、ラディアンス･フィルムスから。

SPECIAL FEATURES

LIMITED EDITION BOX SET SPECIAL FEATURES

THE GHOST OF YOTSUYA

THE BRIDE FROM HADES

THE SNOW WOMAN

Released: OCTOBER 29, 2024
List Price: $59.99 USD

大映のエース監督、三隅研次が描いた伊右衛門とお岩の愛憎劇。この年、新東宝の中川信夫監督作『東海道四谷怪談』と競作となる。四谷怪談ものとして初のカラー作品の『東海道四谷怪談』がフジカラー作品だったのに対し、本作はイーストマンカラー（大映カラー）作品となる。色調の違いは顕著だが甲乙つけがたい。本作のみHDリマスター（2Kレストア／最新SDRグレード）となる。主演の長谷川一夫は映画生活三十一年目にして怪談映画に初主演、円熟の味わいで伊右衛門を演じる。大スタアが悪役を演じた（当時の）タブー作でもあり、それゆえに伊右衛門を悪人たちに唆される悲劇の人物に仕立てた異色作となっている。お岩には中田康子。監督･黒沢清が「もっとも怖いお岩」と評したことでも知られる。ちなみに大映社長の永田雅一とは公私にわたる関係。撮影は大映娯楽時代劇や怪猫シリーズで知られる牧田行正。

三隅研次、池広一夫と共に「大映三羽烏」と称された田中徳三が、大映を去る（TV界に活躍の場を移す）前年に撮った作品。雪深い美濃と飛騨の国境の村。吹雪の夜、老仏師と弟子の与作は雪女郎に遭遇する。老仏師は殺されるが、与作は雪女との約束を守ることで命を救われる。名作怪談『雪女』をベースにしつつ、狂おしい恋愛劇を楽しむ趣もあり。藤村志保の美しさは、まさにこの世のものにあらず。撮影は邦画初の70mm作品『釈迦』の牧浦地志。本作に続いて撮った作品は下欄の『牡丹燈籠』となる。音楽は伊福部昭。本作でも独自の音楽世界が楽しめる。レストア4Kマスター仕様。

『白い巨塔』や大作『戦争と人間』三部作などで知られる名匠･山本薩夫が、三遊亭円朝の同名怪談噺の映画化に挑んだ名篇。脚本は『雨月物語』『山椒大夫』などの溝口健二や『悪名』シリーズの依田義賢。旗本三男坊の萩原新三郎は、盆の十六日、精霊を送る燈籠流しの宵に、吉原の遊女･お露と知り合う。新三郎はお露の不幸な身の上を知り、祝言の真似事をして契りを結ぶ。ひとり暮らしの新三郎の家から毎夜聞こえる話し声。怪訝に思った伴蔵が家の中を覘くと、蚊帳の中で新三郎と寝ていたのはこの世のものではなかった。新三郎に『大菩薩峠』『釈迦』の本郷功次郎。当時文学座の研究生だった24歳の赤座美代子は、お露役に抜擢されて注目を集めた逸材だけあり、背筋も凍る美しさを披露して観る者を魅了する。録音は林土太郎。口跡の素晴らしさは怪談映画の中でトップクラス。

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