パナソニックは本日、都内で会見を開き、デジタルスチルカメラLUMIXの新作となる、フルサイズミラーレス一眼カメラ「DC-S9」、および日常のスナップ撮影に便利な小型の交換用単焦点レンズ「S-R26」を発表した。ともに6月20日の発売で、価格は下記の通り。
フルサイズミラーレス一眼カメラ「DC-S9」
・本体のみ オープン(想定市場価格¥208,000前後)
・Kキット(本体+標準ズームレンズ) オープン(想定市場価格¥241,600前後)
・Hキット(本体+高倍率ズームレンズ) オープン(想定市場価格¥287,000前後)
Lマウントシステム用交換レンズ「S-R26」 ¥31,900(税込)
さて、今回発表されミラーレス機は、フルサイズセンサーを搭載した製品でありながら、小型・軽量化をすすめ、フルサイズの画質(主に背景のボケ感)を活かして、SNSに写真や動画を多数投稿しているアクティブなユーザーをターゲットに、ハイクォリティをより手軽に、というメリットを訴求した製品となる。
そこで、カメラの小型化を図るとともに、SNS利用(スマホとの組み合わせ)を便利にするアプリ「LUMIX Lab」を新開発、写真を撮って、すぐにSNSに載せるという作業の利便性を向上させる仕様としている。パナソニックでは、編集作業レス(概念を一新させる)で、すぐにSNSに投稿できるワクワク感を提供したい、と説明していた。
カメラの基本的な仕様としては、昨年発売のフルサイズ機「S5II」に近いもので、センサーの解像度は約24.2Mピクセル、ヴィーナスエンジン、像面位相差AF、アクティブI.S.、リアルタイムLUT、多彩な動画撮影モード対応(長時間撮影OK)といったフィーチャーを持つ。
ちなみにLUTについては、SNS投稿の利便性を加味して、対応スタイルは全モードに拡大され、カメラ内に保存できるデータも、従来の10種類から39種類へと拡大されている。また、カメラ内でLUTを掛け合わしたり、調整(濃度調整、粒状、カラーノイズの追加など)が行なえるようになったのは大きな進化点だ。これは後日、S5IIへもアプデで適用予定という。さらに、クリエイターが作った(公開した)LUTも、ダウンロードして自分の写真に適用できるようになる。
動画については、後からの編集(画面サイズの変更など)がしやすいように、放送規格にとらわれることなく、センサーサイズいっぱいの3840×2560(3:2)というサイズでの撮影を行ない、あとから横長、縦長(縦スマホ画面)といったトリミングが可能という。データ量(ビットレート)も軽めに設定されているそうで、データ転送速度は従来の1.7倍速く行なえるそうだ。
一方、同時発売の単焦点レンズ「S-26R」は型番の通り、26mm/F8の仕様のレンズ。いわゆるパンケーキレンズで、本体からのでっぱりも少なく、小型の本体と合わせ、日常使いにはぴったり、という組み合わせとなる。
その他、広角ズームレンズとして「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」の発売もアナウンスされた。型番の通り18~40mmをカバーするレンズで、薄型構造のため、上記S-26Rのように、常用レンズとしての用途を訴求しているようだ。こちらの発売日・価格は未定だが、年内には発売したい、とのことだ。
なお、S9の発売を記念して、購入して応募すると全員に同時発売の単焦点レンズ「S-R26」がプレゼントされるキャンペーンが実施される(キャンペーン対象の製品購入期間は、6月20日~9月1日 応募締切は9月15日)。ほか、S9+S-R26で撮影した写真限定で、フォトコンテストを開催する。応募期間は2024年7月1日~10月24日までで、賞金は総額で100万円を用意している。
さて、会見の後半には、モデルの高山 都氏が登壇してのトークショーも行なわれた。祖父が撮ってくれたという日常の小さな喜びを収めた写真に、後から見て嬉しさを感じたことで写真への興味がわき、その後仕事でカメラを使う経験を経て、いまでは日常的にスナップを撮り、積極的にSNSへの投稿を行なっているそうだ。そんな彼女が今回の新製品S9を使ってみての感想として、「軽くて持ち運びに便利。レンズの交換も簡単で、服を変えるみたいにレンズを付け替える楽しさがある」と絶賛。自身では濡れた花や、日常の中で遷ろう光の変化などを写真に撮っているそうで、「ピントも速いし、撮りやすい。LUTも綺麗で、(デフォルトで)登録されている1と2を使っています」と語っていた。また、「自撮りがしやすくて便利。まだ、動画の投稿はそれほどしていませんけど、これからは積極的に動画も撮っていきたい。素敵な相棒になりました」と笑顔で話していた。