近年、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を筆頭とする各種ポータブルオーディオ機器は高い人気を集めています。そこでステレオサウンドONLINEでは、ポータブルオーディオ機器に属するイヤホン/ヘッドホン(ワイヤレス、有線)、ポータブルオーディオプレーヤー(DAP)、ポータブルDAC/アンプなどについて、毎月テーマを決めて、おすすめの5製品を独自の視点でピックアップ。使い勝手や音質について紹介していく【おすすめ5選】企画を開始します。その第一弾となる今回は、完全ワイヤレスイヤホンの中でも熱い注目を集めている「オープンタイプ」の製品を取り上げ、そのレビューを紹介します。音源については王道とも言える、ロック、ポップス、クラシック、ボーカル、音声の5種類を用意し、その相性についても探っています。(ステレオサウンドONLINE)

画像: 各モデルの大きさ比較。ファーウェイのコンパクトさがよく分かる。なお、掲載は価格順に行なっています。

各モデルの大きさ比較。ファーウェイのコンパクトさがよく分かる。なお、掲載は価格順に行なっています。

【Model 1】 SOUNDPEATS「GOFREE 2」¥7,880(税込)

画像1: 【Model 1】 SOUNDPEATS「GOFREE 2」¥7,880(税込)

<主な仕様>
ドライバー:16.2mm径ダイナミック型
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
再生時間:最大9時間(本体のみ)/最大約35時間(収納ケース併用)
アプリ対応:〇(SOUNDPEATS)
https://jp.soundpeats.com/products/gofree2

【プロフィール】イヤホン専門ブランドSOUNDPEATSのオープンタイプの完全ワイヤレスイヤホンの第2弾モデル。初代(国内未導入)「GOFREE」の基本仕様を継承しつつ各部をブラッシュアップしているのが特徴。この価格帯でLDACをサポートしているところにも注目したい。

【装着性】耳にかけるフックの部分には回転機構はないが、柔らかいシリコン素材でできているため装着はしやすい。圧迫感はなく、長時間の使用でも苦にはならない。メガネの柄との干渉も少ないので、メガネユーザーでも使いやすい。ただし、ユニット部とフック部の間隔が狭いので、記者のように耳の大きい場合は、ユニット(音の出てくる穴)の位置が若干耳穴から外れてしまう。購入時には実際に装着して確認しておきたい。

画像2: 【Model 1】 SOUNDPEATS「GOFREE 2」¥7,880(税込)

【音質】音質はさすがLDAC対応(ハイレゾ認証)だけあって、厚みのあるサウンドが楽しめる。音場感もあり、創造されるサウンド空間には音が満ちている感覚が存分に味わえる。ジャンルとしては、音の強弱や高低のあるものよりも、常時ある程度の音が鳴っている楽曲があっているようで、ディテイルの再現よりも、パワーで押しまくるタイプと言える。今回試聴したコンテンツの中ではポップスやボーカルとの相性が良かった。また、上で記しているが、ユニットの音出孔がきちんと耳穴に合っていないと、中域の質感が減衰してしまうので、装着には気を付けたい。radikoとの相性もよく、ラジオパーソナリティの声もクリアで聴きやすかった。

【Model 2】 JBL「JBL Soundgear Sence」 ¥22,000(税込)

画像1: 【Model 2】 JBL「JBL Soundgear Sence」 ¥22,000(税込)

<主な仕様>
ドライバー:16.2mm径ダイナミック型
対応コーデック:SBC、AAC、LE Audio
再生時間:最大6時間(本体のみ)/最大約24時間(収納ケース併用)
アプリ対応:〇(JBL Headphones)
https://jp.jbl.com/SOUNDGEAR-SENSE.html

【プロフィール】昨年秋発売のJBLブランド初のオープンタイプの完全ワイヤレスイヤホン。ウェアラブルシリーズ「SOUNDGEAR」に属するだけあって装着性についてはよく考えられていて、フック部の回転、ユニット部の上下への稼働というように、装着のしやすさ、位置合わせのしやすさを備えている。

【装着性】装着性については、今回テストした製品の中ではピカ一と言えるもので、フック部、ユニット部の稼働によって、装着しやすく、装着後のユニットの位置合わせも快適。特に、フックとユニットの間隔が広くとられているので、記者のように耳の大きなユーザーであっても、ユニットの音出孔がきちんと耳穴の上に合わせられるので、充分な音圧・音量が得られる。着けているという感覚は弱く、無理なく長時間の使用できた。

画像2: 【Model 2】 JBL「JBL Soundgear Sence」 ¥22,000(税込)

【音質】音質については、特に音場感の再現が素晴らしく、特に左右方向の音場は充実していて、聴いていると音に包まれる感覚が味わえるほど。音調は“JBL”だけに、低音の量感は充分で、全体的に野太く、密度感のあるサウンドが楽しめる。こってりと形容できそうで、SOUNDPEATSと同様に、パワー感のある再現性となる。音漏れは比較的少ないので、多少音量を上げても、周囲に迷惑となるほどでではない。ジャンルでは、ロックとポップスとの相性が良く、横方向に充実した音場の中で、量感のある低音が楽しめた。一方で、radikoとの相性は今一歩だったが、音場の再現性の良さで言えばASMRとは合いそうだ。

【Model 3】 Anker「Soundcore AereFit PRO」 ¥22,990(税込)

画像1: 【Model 3】 Anker「Soundcore AereFit PRO」 ¥22,990(税込)

<主な仕様>
ドライバー:16.2mm径ダイナミック型
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC(アップデートで対応)
再生時間:最大14時間(本体のみ)/最大約46時間(収納ケース併用)
アプリ対応:〇(Soundcore)
https://www.ankerjapan.com/pages/soundcore-aerofit

【プロフィール】アンカーのオープン型ワイヤレスイヤホンAeroFitシリーズの上位モデル。16.2mmの大型ドライバーを搭載し、低音再生にもこだわったのがポイント。昨年末のファームウェアアップデートでLDACコーデックに対応しており(Android 8.0以降のデバイスとの組み合わせで、Soundcoreアプリver.3.4.4以降が必要)、今回はLDACで試聴している。

【装着性】フック部を耳に掛け、ユニット部を耳孔の前に配置するタイプ。フック部はTPU
(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)素材とチタン合金ワイヤーで構成されており、装着は簡単だ。本体は12.2gと軽量で、長時間使っても違和感を覚えることはない。ユニット部をきちんと耳孔の前に持ってくることが重要なので、自分に最適な向きや位置を探しておくことをお勧めする。

画像2: 【Model 3】 Anker「Soundcore AereFit PRO」 ¥22,990(税込)

【音質】サウンドモードは「デフォルト」「Podcast」「トレブルブースター」「ボリュームブースター」の4種類をアプリで選択できる。今回は「デフォルト」で試聴したが、押し出しのいいサウンドで、一聴して元気がいい。ロック、ポップスはもちろん、クラシックの大編成も不満なく楽しめた。胸板の厚い、低音ボイスもしっかり再現されるが、シンセや女性ボーカルなどはやや丸みを帯びた印象になる。解像度よりも音場感、豊かな音圧感を狙った音作りのようで、特にロックファンには好まれるのではないだろうか。弟モデルの「Soundcore AereFit」でも同じソースを聴いてみたが、こちらは低域がすっきりしたバランス志向で、radikoの試聴やリモート会議で活躍しそうだ。

【Model 4】 HUAWEI「FreeClip」 ¥27,800(税込)

画像1: 【Model 4】 HUAWEI「FreeClip」 ¥27,800(税込)

<主な仕様>
ドライバー:10.8mm径ダイナミック型
対応コーデック:SBC、AAC、L2HC(ファーウェイ独自コーデック)
再生時間:最大約8時間(本体のみ)/最大約36時間(収納ケース併用)※ワイヤレス充電対応
アプリ対応:〇(HUAWEI AI Life)
https://consumer.huawei.com/jp/audio/freeclip/

【プロフィール】ドライバーを内蔵したアコースティックボールとコンフォートビーンズのふたつをニッケルチタン形状記憶合金のブリッジでつないだ独得な構造を持つ、ファーウェイの最新完全ワイヤレスイヤホン。ふたつのピースで耳たぶを挟むように装着し、重さもわずか5.6gなので装着感はきわめて快適。

【装着性】装着性は抜群で、着けていることを忘れそうなほどの快適さで音楽を楽しめる。ブリッジの力加減も絶妙なので、耳が痛いと感じることもない。ただし、アコースティックボールの向き(音を放出する穴の位置)によっては音量が低めに感じられるので、装着時には注意したい。頭を軽く振っても、ランニングなどの運動時に使っても、まったくずれることはなかった。イヤホン本体にはL/Rの区別がなく、装着すると自動認識してくれるのも嬉しい。

画像2: 【Model 4】 HUAWEI「FreeClip」 ¥27,800(税込)

【音質】サウンドモードは「デフォルト」「高揚」「高音強調」「音声」が準備され、専用アプリから切替え可能。今回は「デフォルト」の状態で使用した。ロック、ポップス、クラシック、ボーカルなどいずれのジャンルもウェルバランスで楽しませてくれる。ただし音圧感や低音は抑え気味で、ロックやクラシックの大編成では音量を上げたくなった。ボーカル曲やシンセサイザーの高音はクリアーに聴き取れるので、こういった楽曲をよく聞くという方にはぴったり。radikoの声も聴き取りやすい。なお再生機(ソニー・ウォークマン)のボリュウムを90%近くに上げた状態で電車に乗ってみたが、音漏れはまったく問題なさそうだった。

【Model 5】 Cleer「ARC II MUSIC Edition」 オープン価格(¥33,000前後)

画像1: 【Model 5】 Cleer「ARC II MUSIC Edition」 オープン価格(¥33,000前後)

<主な仕様>
ドライバー:16.2mm径ダイナミック型
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive(96/24)、aptX LossLess、LE Audio
再生時間:最大8時間(本体のみ)/最大約35時間(収納ケース併用)
アプリ対応:〇(Cleer+)
https://www.cleeraudio.jp/arc2/

【プロフィール】ARC IIは、エミライ取り扱いのCleerブランドのオープンタイプの完全ワイヤレスイヤホンの第2弾。用途に合わせて「MUSIC」「SPORTS」「GAME」の3種類を揃え、それぞれの使い方に最適化した機能・性能を持っているのが特徴。本稿ではMUSICを選んでいる。

【装着性】装着は耳掛け式で、耳にかかる部分はシリコン製で柔らかく、適度にしなるようになっている。ドライバー部分は水平方向に可動するので、装着もしやすい。耳にもしっかりとはまってくれるので、頭を多少振り回してもイヤホンがズレたり、落ちたりすることはなかった。ただし記者は少し耳が大きいためか、ドライバー部分と耳掛けのフックの部分の隙間が狭く、耳に着けている感じは少し強め。

画像2: 【Model 5】 Cleer「ARC II MUSIC Edition」 オープン価格(¥33,000前後)

【音質】音質については、今回試聴したロック、ポップス、クラシック、ボーカルでは、いずれも相性はよく、定位感(おでこの内側あたり来る)や音場感も優れた印象。小さい音や細かい音もきっちりと聴き取れるので、楽曲の雰囲気や躍動感も充分に楽しめるし、特にボーカルものでは、息遣いや音の消え際の余韻まで楽しめた。ながら聴きを想定して声モノ(radiko)もテストしてみたが、少し低音が強調気味になるので、アプリのイコライザー機能を使うといいだろう。「ROCK」にすると、ほどよく低音が抑えられ言葉が聴き取りやすくなった。かなり大きな音が出せるので、室内のような静かなところだけでなく、ある程度の騒音のある屋外でも充分に使えるはずだ。

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