ソニーは、ポータブルデータトランスミッターという新しいカテゴリーのカメラアクセサリー新商品「PDT-FP1」(¥159,500、税込)を発表、3月22日に発売する。
その名の通り、ソニー製カメラをネットワークにつなぐためのアクセサリーで、5G回線を活用して撮影した写真や動画データをFTPサーバーやクラウドストレージに送信できる。もちろんライブストリーミングも可能だ。OSにはAndroidを採用する。
本体は6.1インチモニターを搭載した大型のスマホ(厚みはそれなりにあり)といったイメージで、高速/広範囲をカバーするために本体背面、側面に複数のアンテナを内蔵した。これにより高いスループット(時間ごとのデータ量)と、基地局から離れた場合でも安定した接続性を実現している。
デュアルSIM(物理SIM+eSIM)にも対応しており、片方のSIMの通信状況が悪くなった場合にも、もう一方のSIMの電波状況がよければ自動的にそちらに切り替えて通信品質を確保してくれる(2枚のSIMを同時に使ってデータ量を増やすといった使い方はできない)。
通信容量が増えると本体も熱を持ってしまうが、それに対しては本体中央に冷却ファン(静音+パワフル)を、さらに上部にヒートシンクを搭載することで高負荷状況でも高いパフォーマンスを実現している。ファンのモードは「冷却性優先」「オート(バランス)」「静音性優先」から選択可能だ。
本体下部にはUSB Type-Cコネクターをふたつ搭載。うちひとつはデータ転送用でカメラとの接続に使用。もうひとつは充電用なので、充電しながらの使用も可能となる。さらにフルサイズのHDMI端子もついており、こちらもカメラにつなげば、撮影したデータを受信できる。もうひとつのLAN端子からはネットワークへのデータ転送が可能となっている。
プリインストールアプリの「Camera Wired Connection」を使ってソニー製カメラにつなぐと、写真、動画を指定したFTPサーバーやクラウドに自動的に転送してくれる機能も備えている。その他、撮影しながらでも簡単に転送状況を確認できる転送用アプリも準備されている。
ちなみに本体には256GバイトのSSDを内蔵し、さらに1Tバイトまで対応のmicroSDスロットも装備しているので、通信をしない場合でも外部ストレージとして活用できるよう配慮されている。
撮影時の取り回しについては、背面下よりに4分の1インチネジ穴を備えて、カメラ用三脚などへの取り付けも可能。ストラップホールもついているので、市販のケーブル抜け防止アクセサリーを使うのもいいだろう。
ソニーとしては、報道系のプロカメラマンやテレビなどのメディア撮影といったB to Bから、ユーチューバー、ドローン撮影といったB to Cまでの様々なユースケースでの活用を想定しており、αの周辺機器として広く認知してもらいたいと考えているようだ。