ヤマハミュージックジャパンは、Steinberg Media Technologies GmbH(以下、スタインバーグ社)が開発した、業務用デジタル・オーディオ・ワークステーション(以下DAW)ソフトウェア「Nuendo 13(ヌエンド13)」のダウンロード販売を開始した。価格はオープンで、下記3種類を用意する。なお、パッケージ版については、順次発売するという。

NUENDO 13/R(通常版)
NUENDO 13/E(アカデミック版)
NUENDO 13/UD12(アップデート版)
※アカデミック版は、学生、学校教員の皆様向けの優待販売版です。ご発注の際には、学生証、教員証等のコピーが必要となります

 Nuendo 13は、映画やテレビ、ゲームオーディオなどの映像用音響制作に特化した業務用DAWソフトウェアの最新バージョン。新たに、ダイレクトオフラインプロセシングで吹き替え音声を最適化する「TonalMatch」や、AIを活用した「VoiceSeparator」などの新プラグインを搭載した。MPEG-H Audio ワークフローの統合やADR機能の向上なども実現しているそうだ。また、さまざまなユーザーインターフェースを改善し、全体のパフォーマンスの向上も図られているということだ。

 Nuendo 13へのアップデート・アップグレードについては、Steinberg Online Shopにて購入可(https://www.steinberg.net/jp/shop/)

なお、2023年10月19日以降に「Nuendo 12」をアクティベート(認証)したユーザーについては、「Nuendo 13」への無償バージョンアップが可能。

https://www.steinberg.net/ja/

●「Nuendo 13」の主な新機能
1.ダイレクトオフラインプロセシングの新プラグイン「TonalMatch」
新たなダイレクトオフラインプロセシング(DOP)のプラグイン「TonalMatch」を追加。任意のオーディオファイルの音色の特徴を解析し、他のクリップに適用することで、周波数プロファイル(EQ)とアンビエントノイズフロアを一致させることができる。EQや、その他のプラグインを用いていた従来よりも、すばやく正確に、吹き替え音声を元の録音に馴染ませることが可能となる。

2.AIを活用した新プラグイン「VoiceSeparator」
「VoiceSeparator」は、音声をクリアにしたりノイズを除去したりできる、AIを活用した新VSTプラグイン。複雑な背景音や他の声から話し言葉を検出し、分離する。背景音や環境音から不要な声の音を削減または除去できる。インサートエフェクトやDOPとして使用でき、必要な音を迅速に分離し、不要な音を除去できるようになる。

3.ADR Script Reader
「ADR Script Reader」は、ADR(台詞の別途録音:アフレコ、アテレコ)の際に、同一LANネットワークのタブレットやラップトップ上のWebブラウザに吹き替え台本を表示することで、台本を印刷して渡す手間を解消できるようになる。演者と制作側で台本を共有することや、現場での変更の即時反映も可能。台詞は「Nuendo 13」のマーカーデータに追記編集できるので、ドキュメントデータの同期は不要。また、「Dialogue Context View」を有効にすると、選択範囲前後の台詞も表示し、台詞とシーンとの関連が見やすくなる。

4.「MPEG-H Audio」のサポート
オブジェクトベースのオーサリング&ミキシング形式「MPEG-H Audio」を完全統合したワークフローを搭載。ADM オーサリングウィンドウにはこの新しいフォーマットに対応したオプションが追加され、トラックやグループを MPEG-H Audio コンポーネントのオブジェクトまたはベッドとして割り当てが可能に。新しいRenderer for MPEG-H プラグインでは、ミックスのバージョンである「プリセット」を作成するためのメタデータを設定できる。これらのメタデータはMPEG-H Audioの鍵となる機能。RendererからはプロジェクトをMPEG-H ADMまたはMPEG-H Masterファイルに書き出すことが可能。

5.新プラグイン「VocalChain」
搭載された多彩なモジュールを使って、ボーカルを総合的にコントロールすることができるプラグイン。左側のモジュールの上から下に信号は処理され、各モジュールはクリーン、キャラクターのセクション内で、任意の順番に変更することが可能。

6.新プラグイン「EQ-P1A」「EQ-M5」「Black Valve」「Vox Comp」「Vocoder」
新プラグインとして、「EQ-P1A」「EQ-M5」「Black Valve」「Vox Comp」「Vocoder」を追加。「Vocoder」を除くこれらのプラグインは、「VocalChain」にもモジュールとして搭載されている。

7.その他の新機能による編集ワークフローの向上
下記のパフォーマンスを改善
・VoiceSeparator
・無音部分の検出機能のアップデート
・空白部分のバウンス
・TTAL 1.1 対応
・Renderer for Dolby Atmos の強化
・サンプラートラック強化
・Headphones Match の機種追加
・MixConsole のリニューアル
・再生開始位置
・ビデオのオーディオ差し替え
・トラック読み込みの改良
・H264 デコードに対応
・DOP での処理前後の比較試聴
・ハイブリッド CPU 対応
・MIDI 2.0 対応
・MIDI エフェクトの強化
・シンプルな CC 入力
・New Sample Packs

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