finalは、東京ステーションコンファレンスで開催の「秋のヘッドフォン祭2023」内にて、新製品発表会を行ない、完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK 2」ほか、今後発売予定の製品、およびそのポイントについて紹介した(13:15~)。ちなみに同会は、プレス(報道陣)のほか、ヘッドフォン祭に参加の一般ユーザーも参加しており(事前登録制)、開始時には立ち見も出る盛況ぶりとなっていた。

 さて、今後発売される新製品群は下記の通り。これらはヘッドフォン祭の同社ブース内でも展示・試聴が行なわれていた。

<final>
・完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」 オープン価格(実勢¥36,800税込) 11月17日発売
・ヘッドホン「D7000」 11月下旬発売
・ワイヤレスヘッドホン「UX3000 WHITE」 年内発売予定
・ワイヤレスヘッドホン「UX2000」 年内発売予定
・有線イヤホン「VR500」 年内発売予定

<REB>
・有線イヤホン「GRID01」 11月21日発売 ¥5,980(税込)
・完全ワイヤレスイヤホン「GEAR01」

<DITA>
・有線イヤホン「Project M」

 また、伸び伸びになっていた「ZE8000」用の「自分ダミーヘッドサービス」が、いよいよ11月下旬より受付開始となる模様だ。予価は¥55,000。

 さて、発表会ではfinalの考える、そもそものいい音とは? という定義的なことから、それを実現する手法についての説明から始まっていたが、目標とするところを言葉で表せば「完全な没入体験を実現すること」。finalではそれを実現すべく、「音色」と「空間」という軸で技術開発を行ない、それを搭載した製品を投入してきたが、その両方を同時に満たすのが、昨年発売の完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000」になるという。アコースティックなもの(アナログ)と、信号処理(デジタル)を組み合わせ、それを「8K SOUND」というキーワードで表現していたが、今回、その次世代機として「ZE8000 MK2」を発表。

画像1: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 これは、音楽を聴くという行為をもう一歩進め、人が音楽を聴く際に注目している、フォーカス(特定の音)、情報(小さな音)を感じやすく、選定しやすくするために、フラットな再現性は前モデルを引き継ぎつつ、ディテイル(情報量)をさらに向上させているという。これを同社では、「オーケストラに没入できるイヤホン」と評している。

 MK2モデルでは、内部の構造にも変更が入っているそうだが、大きくは装着性と遮音性の向上のためにイヤーチップの形状変更、ノイキャン性能の向上(イヤーチップの遮音性向上と合わせ、32%アップという)、最大音量5dBの向上、といったフィーチャーを備える。先日、ZE8000に対して行なわれたマルチポイント対応も、MK2では発売時から対応済となる。また、ノイキャン性能のアップに合わせ、MK2ではノイキャン・オフモードが新設された(ZE8000への適用は未定という)。

画像2: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 ちなみに、自分ダミーヘッドサービスはまずはZE8000に対してのものとなり、MK2への適用は、内部構造の変更もあり、しばらく後になる、そうだ。ZE8000はMK2と併売で、価格は¥29,800(税込)に改定される。担当者曰く、「自分ダミーヘッドサービスはすごくいいので、ZE8000でも満足できる」そう。MK2用のイヤーチップはZE8000には装着不可とのことだが、自分ダミーヘッドサービス適用のZE8000については、ZE8000に合うように細工したMK2同様のイヤーチップが装着されて返却される、ということだ。

 別途、インプレッション記事は近々に掲載する予定だが、初耳で音が変わっているのが分かるほどの進化。細部の情報量が増していて、細かい音が掘り起こされるよう。音場も広くなっている。エージングはまだまだのようで音は少し硬いが、今後の熟成を感じさせてくれる仕上がり。イヤーチップの改良も効果は大きく、装着性は高くなっていて、少し圧迫感はあるもののしっかりと(イヤホンが)固定されているのが分かる。遮音性も高まっている。これなら、騒音の少ない場所ではANCオフでも充分に実用だろう。コンテンツをハイレゾにすると、違い(音質向上)はより顕著に感じられるようになる。
※追加 製品の発売時期まで、アプリとの接続はできないとのこと。初期状態でオフになっている機能は、それまで使えないことになる。

 次にヘッドホン「D7000」を紹介したい。同機はフラッグシップ「D8000」の兄弟モデルになり、同社の掲げる「イマーシブ」(没入感)を強化した製品になるという。D8000とは異なる手法にて「音色」の向上に努めているそうで、振動版はD8000をベースに新開発品を搭載し、人の聴こえ方の違いを加味して、特殊形状の専用ディフューザーを搭載している。

画像3: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表
画像4: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 「UX3000 WHITE」は人気の「UX3000」の新色、「UX2000」はUX3000の弟機でANC&ゲーミングモード搭載がキモ。「VR500」は、現行「VR2000」「VR3000」に対して、「座標」の再現向上を図ったモデルになるそうで、担当者曰く「前後左右どこでも、位置の把握がより行なえるようになる」ということだ。

画像5: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表
画像6: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表
画像7: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 オリジナルブランド・REBからも2モデルのアナウンスがあった。一つはfinalとREBの共同開発になる有線イヤホン「GRID01」。final「E3000」の美音を引き継ぎ、高音質で長く使えるイヤホンを目指しているという。もちろんREBから出るだけに、パーツ交換(フィルター)によるチューニングにも対応しており、それは数万以上になるそうで、自分好みの音質創造が楽しめるいやほんとなっている。

画像8: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 また、完全ワイヤレスタイプの「GEAR01」も発表された。これは、一般的に悪音の比喩として言われることの多い“ドンシャリ”音をあえて再現した製品になるそうで、でありながらボーカルの再現性には留意されているのだという。Bluetoothは5.4となり、コーデックはLDACをサポートし、ハイレゾオーディオワイヤレスの認証も受けている。なぜかノイズキャンセル機能付きだ。こちらも、後日インプレッションを紹介したい。

画像9: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 DITAからは、CEOのダニー氏が来日し、新製品についての紹介を行なった。それがスケルトンボディの有線イヤホン「Project M」だ。同ブランドではこれまで、主にハイエンドモデルを市場に投入してきたが、春先に発表したポータブルDACアンプ「Navigator」にて、(製品の)新しい方向性に気付くことができたそうで、日常持ち歩く製品という側面を見て、生活に役立つ、楽しさを感じてもらえる要素を感じられるもの(製品)へ目が向いたのだという。そこで、ハイエンドだけでなく、エントリークラスの製品で、ニューホビー=音楽を趣味として手軽に楽しめるものとして、「Project M」の開発に着手した、ということだ。

画像10: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

 ダイナミックドライバー1基(9.8mm径)という構成は引き継ぎつつ、そこにBAドライバーを追加し、高域の伸びやかさにつなげているそうだ。シェル内部の機器・補器類はモジュール化されていて、それをカスタムイヤホンを作る要領で、透明樹脂にてボディ(シェル)を成形し、内部が見通せるスケルトン仕様にまとめられている。試作機透明度は結構高く、内部の構造がある程度把握できるのは、イヤホンファンには嬉しいものだろう。なお、イヤーチップについてはfinalの蓄光モデル(全体)を改良し、軸の部分のみ蓄光するようにした特別品が同梱される。これは、現時点では「Project M」専用になるそうだ。価格についてはNavigatorと同程度という。

画像11: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表
画像12: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表
画像13: final、ヘッドフォン祭で完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」、DITA「Project M」など、新製品を大挙して発表

This article is a sponsored article by
''.