読売テレビに新たなドラマ枠「ドラマDiVE」が誕生。その第一弾作品となる「帰ってきたらいっぱいして。」が、いよいよ10月19日より放送開始となる。恋愛経験の少ないアラサーTL(ティーンズラブ)女性漫画家と、エリートだけど女癖の悪いサラリーマンが織りなす、ドキドキ感たっぷりの同棲生活を描いたラブストーリーだ。ここでは、W主演の一人、女性漫画家・福永朱音を演じた浅川梨奈にインタビューした。
――よろしくお願いします。まずは、本作に出演しての感想をお願いします。
私個人としても、(出演)作品としても、今までで一番攻めたものになったと思っています。TL(ティーンズラブ)漫画と呼ばれる、少女漫画よりも一歩踏み込んだラブシーンが描かれるジャンルの実写版に出演するのも初めてですし、ラブシーンの描写もいろいろあるので、私も大人になったなって、ちょっと思いました(笑)。
――最近は、TL漫画にも人気が集まっていますね。
漫画は大好きで、もともといろいろなジャンルのものを読んでいましたし、BLもTLも割と身近な存在だったので、ああ(ジャンルが)TLかって思いましたけど、それと同時に、TLって実写化できるの? とも感じましたので、(実写化すると聞いて)びっくりしました。
――TLと言うと、少女漫画よりもエッチな描写がありますが、どこまで再現されているのでしょう?
それこそ番組リリースにあるように“地上波ギリギリ”ですよ! 私も撮影しながら、これどこまで映すんだろう? どうなるんだろう? みたいな疑問は次々に浮かんできていましたから。でも、現場では女性スタッフさんが多くて、寄り添ってくれましたから、楽しみながら、一つひとつのシーンも積み重ねていくことができました。
まあ、撮影に関しては、ただただ楽しかったな~っていう感じですけど、撮影が終わって改めて考えてみると、どういう映像になっているんだろう? って、ドキドキしています。ギリギリまで攻めた作品になっていることは保証します!
――実際の撮影はどうでしたか?
現実世界(リアル)の朱音(あかね)と直哉(なおや)のシーンは、ごく普通の日常を描いていますが、朱音の妄想シーンの中では、南詩乃と秋川拓真というキャラに置き換えられていて、刺激的な部分にどんどん踏み込んでいきますし、撮影していても、ギリギリを常に探っている感じでしたからもう、本当にギリギリだと思います(笑)。
――期待できる!
はいっ! 初めてのことだらけだったので、私のファンの方も、初めての表情や姿、仕草などを、福永朱音という役を通してお見せできるんじゃないかなと思います。
――少し戻りますけど、出演が決まった時の感想は?
最初にプロットを拝見して、次に6話ぐらいまでの台本を読んだ時には、あぁなるほどTL漫画なんだと思っていましたけど、原作の漫画を読んで、えっ! こんなにすごい(描写がある)作品なの! ってびっくりしました。
私にとってのお芝居は、普段絶対に経験できないことを経験できることが一番の楽しさなので、ラブシーンに対しての拒否感はなかったですし、逆に、楽しそうだな、どこまでできるんだろうっていう興味が湧いてきました。
ただ、撮影入るまでの時間があまりなかったので、体を仕上げられるのかなっていう不安はありましたけど、とにかくできる限りのことを準備しました!
――体作りの後は役作りだと思いますが、朱音の役作りについて教えてください。
朱音は、台本を読んだ時には、理解してあげられる部分はありつつも、私自身とはわりとかけ離れている人物に感じたので、これまでは、これ分かるよね、ここは同じだよねっていう部分を元に作っていくことが多かったのですが、今回は、理解できるところを少しずつ積み重ねていくようにしたので、役作りをしていても楽しかったですし、すごく演じがいがあったなと思いました。
当初は、妄想シーンを含め、どこまで、どういう風にやっていいのかが、まだ手探り状態だったのですが、撮影の初期に、編集部のシーンを演じた(撮った)のは、大いに助けられましたし、その後のお芝居を決定づけることができました。
編集長(鷺坂)役の中村 中さんと、朱音の編集担当者(中野)役のめがねさんのお芝居がとにかくすごいんです(笑)。テンションが高すぎてっ! ここまでしていいんだっていう理解につながりましたし、朱音ちゃんならここまで行けるかな、という認識もできました。早い段階でお二人とお芝居ができたのは、朱音を作る上ではとても重要だったなと思いました。
――編集部での掛け合いを通して、発展していったものはありましたか?
本当にお二人がもうバチバチにふざけているというか、アドリブ祭りで、動きとか言葉の出し方とかもめちゃくちゃ面白かったんです! でも、朱音としては、そこにどこまで乗っかるべきなのか、それとも乗らない方がいいのか? そういうことを考えながら、最終話へ向けて徐々に乗っかっていくように、雰囲気を変化させていけたのは、助かりました。けど、常に笑い堪えているのはたいへんでした(笑)。
――二人の掛け合い(?)に、だんだん乗ってくと。
そうなんです。だから、最初はすっごくドン引きしていますけど、最後の方は、朱音自身もそこに入って行ったりします。表情についても、最初は引いていますけど、徐々に、この人がここまでやっているのなら、ここまでやっても大丈夫かなっていう風に、監督とも相談しながらやっていました。
監督に、今のちょっとやりすぎですと言われるのが、ある意味褒め言葉だと思っていましたから(笑)、やりすぎって言われた時は、よっしゃ! って思いつつ、そこから(表現を)引き算していく感じで演じていました。
――浅川さんはアドリブ得意ですからね。
いや、あの2人はいい意味でヤバいですよ。めちゃくちゃ面白いし、常識を超えた芝居をしてくるんです。でも、それでも台本通りだから、余計にすごいんです。台本を読んでいた時には、編集部のシーンがこんな感じになるなんて想像もできなかったし、このお芝居はこう来るんだろうなと想定していた10倍以上の熱量で来るんですよ。もう、すげぇとしか言えなかったです。
――最終話の頃にはもう、2人と渡り合うわけですね。
ただ、朱音のキャラを壊すわけにはいきませんから、他のシーン(直哉とのシーンなど)では、すぐに通常の朱音に戻せるようにっていう塩梅を考えるのが、楽しくもあり、めちゃくちゃ難しかったところです。
――直哉との芝居では戻せましたか?
編集部のシーンを3日ぐらい続けて撮った後だったので、どこまでやっていいのかが分からなくなっていて(笑)、たいへんだったことはあります。カットがかかった後で監督に、“今ので大丈夫でしたか?”って何度も確認していました。ただ、後半に行くにつれて、朱音の動きにもコミカルさが出てきますので、始めの方とのコントラストも楽しめると思います。
――1話から、いきなり押し倒されてキスされていました。その際のびっくりする表情がとてもリアルでした。
あら、ありがとうございます、褒められちゃいました。そうなんですよ、いきなりチュウしています。
――そうしたラブシーンの撮影は緊張するものですか?
撮影自体は本当に賑やかで、監督とかプロデューサーの方々がめちゃくちゃ明るくて、1人1人のキャストのことを、下の名前を呼んでくれたり、カメラマンさんにニックネーム付けたりして。私もそういう雰囲気に影響されて、いろいろなスタッフさんと話しも弾んだので、めちゃくちゃ現場の空気は良かったです。(直哉役の)小島さんもすごく人当たりはいいし、面白い方なので、用意・スタートの瞬間まで、みんなで笑っているような、すごく賑やかな現場でしたから、緊張することもなく楽しく撮影できました。
――そんな直前までキャッキャしていて、すぐに朱音に戻れるのですか?
私はカメラが回ったら比較的すぐに切り替えができるタイプなので(笑)。それで言えば、小島さんも同じタイプだったので、とてもやりやすかったですし、楽しかったです。
そういうキュンキュンするシーンも、朱音として受けるわけですから、恋愛が苦手で、何も知らなくて、というところをちょっと大げさに――ただ受けただけでは画面(映像)では伝わりづらいかなと思ったので――やることを常に意識していましたから、いまそう言っていただけて嬉しかったですね。
――そういうシーンも演じられる年齢になりました。
そうなんです、もう来年25歳ですから、●●サーだと思って、うわぁーってなりました。でも、この作品で朱音を演じていて、こういう役ができるようになったのかと、自分でもちょっと大人になれたのかなと思っていました。実際にアラサーに見えるかはさて置き、お芝居の面で見せられたらいいなって思って演じていました。
――朱音はドラマ版では30歳の設定です。その表現は?
崖っぷち漫画家というのがまずあったので、よく聞いたり見たりする“結婚を急いでいる女性”をイメージしていましたし、プライベートの友達の雰囲気とかを“ちょっぴり”参考にさせてもらった面もあります。あとは、年齢云々というより、考え方や仕草――漫画のことになると熱くなってめちゃくちゃ早口になるとか――で表現しようと思っていました。
今回は“ラブシーン”に目が行きがちですけど、そうではない部分を常に意識して、表情とか感情の芝居をいつもの倍、大事にしていましたから、人間ドラマとして見てもらえたらうれしいですし、それが見てくださる人に伝わるといいなと思います。
――妄想の中のエッチなシーンは、ちょっぴり中学生がする妄想っぽさにも感じました。
それこそ、恋愛が苦手で、恋愛経験がほぼない女の子が想像して描くTL漫画ですから、割とその思考は合っているかもしれないです。恋愛できる人が描いている作品ではない分、朱音は全力で受け身ですから、とにかく受けて受けて受けて受けてっていう感じを出すようにしていました。これまで、ラブシーンの経験もありましたが、意外と積極的な小悪魔系の役が多かったので、見てくださる方に初々しさが伝わるように気を付けました。
――冒頭の数話だけで、初心な朱音が、だんだんと積極的になっていくのが分かります。
そうなんですよ。あの恋愛が苦手だった朱音ちゃんが、自分の気持ちに気づいていって、紆余曲折がありながら、最終的にどうなっていくのか? 朱音ちゃんが、というより、普通の1人の女の子の成長物語という側面もあるので、そういう部分も楽しんでもらえたらいいなって思います。仕事人間で、とにかく仕事に一所懸命というところだとか、男の人との関わりが苦手みたいなところには、多分共感していただけると思うので、朱音の成長を見守りながら楽しんでいただきたいです。
――印象に残ったエピソードを教えてください。
原作を読んでくださっている方なら分かると思うんですけど、途中で一波乱あるんです。とにかく、そこはめちゃくちゃ面白いことになっているので、見どころですし、いろいろな恋愛の考え方も出てきますので、ぜひ女の子同士で、どっち派? みたいな感じで、盛り上がりながら見てほしいです。
――最後に、浅川さんが最もキュンしたエピソードを教えてください。
キッチンでバックハグされるところです。そこが意外とセクシーなことになっているんですよ。とにかくそのシチュエーションがすごくいいです。お見逃しなく。
ドラマDiVE「帰ってきたらいっぱいして。」
10月19日(木)スタート
読売テレビ・毎週木曜 深夜0時54分放送
キャスト:小島健、浅川梨奈 他
原作:ましい柚茉「帰ってきたらいっぱいして。~アラサー漫画家、年下リーマンに愛でられる~」(小学館『&フラワー』)
監督:澤田育子、高橋雄弥
脚本:下亜友美、澤田育子、湯田美帆
制作プロダクション:スタジオブルー
製作:「帰ってきたらいっぱいして。」製作委員会 ytv/エイベックス・ピクチャーズ
(C)ましい柚茉/小学館/「帰ってきたらいっぱいして。」製作委員会
帰ってきたらいっぱいして。
アラサーのティーンズラブ女性作家とエリートだがクズの年下サラリーマンが織りなすドキドキすぎる同棲ラブストーリー。ドラマ「帰ってきたらいっぱいして。」
www.ytv.co.jp浅川梨奈SNS
https://avex-management.jp/artists/actor/AKNN
ヘアメイク:石川ユウキ(Three PEACE)
スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud)
衣装クレジット
・ワンピース(シー ニューヨーク)
・イヤリング/リング(シースキー)