polkaudio(ポークオーディオ)から、同社SIGNATURE ELITEシリーズの新製品として、イネーブルドスピーカー(ハイト・モジュール)「ES90」が発表された。価格は¥66,000(ペア、税込)で、本体カラーはブラックとブラウンをラインナップする。
ポークオーディオでは、「RESERVE」「SIGNATURE ELITE」「MONITOR XT」の3つのスピーカーシリーズをラインナップしている。このうち2023年上半期でもっとも売上が好調だったのがSIGNATURE ELITEシリーズだったそうだ。
しかしこれまでSIGNATURE ELITEシリーズにはイネーブルドスピーカーはラインナップされていなかった。今回のES90の登場は、SIGNATURE ELITEシリーズのユーザーにもドルビーアトモスやDTS:Xなどのイマーシブサウンドを手軽に楽しんでもらいたというメッセージなのだろう。
フロントやサラウンドスピーカーの上に載せて使うタイプで、本体底面には「ES20」「ES55」「ES60」のラウンド形状にぴったり収まるようなラバーベースが取り付けられている。なおES90を単体で使う場合もこのラバーベースが点(線)設置を可能にするので、接地面の共振による低音のだぶつきなどを避ける効果があるという。
ユニットには、SIGNATURE ELITEシリーズと同一の130mmマイカ強化ポリプロピレン・コーン型ウーファーと25mmテリレン(英国ICI社製ポリエステル繊維)ドーム型トゥイーターを搭載。音色が揃ったユニットを使用することにより、リスナーを包み込むシームレスなサウンドを実現する。
そのふたつのユニットをスラントしたバッフル面に取り付けた、リニアフェイズコンストラクションを採用。さらにトゥイーターにはグラスファイバー強化樹脂製のウェーブガイドが組み合わせられている。このウェオーブガイドは指向性をコントロールする機能も併せ持っており、天井反射による音の包囲効果を高めてくれるそうだ。
ES90はイネーブルドスピーカーとしてラインナップされているが、ディーアンドエムホールディングスの澤田龍一さんによると、トゥイーターとウーファーのクロスオーバーも絶妙に設定されており、2chで聴いても音のまとまりがひじょうに優れているという。
実際に先日発表されたマランツの薄型ネットワークプリメインアンプ「STEREO 70s」と組み合わせて女性ヴォーカルのSACDを聴かせてもらったが、前方に広いステージ空間が再現され、その中央にヴォーカルがぴたりと定位した、聴きやすく心地いいサウンドが再現されていた。
もちろんコンパクトなサイズなので低域にはそれなりだし、上下方向の音場再現も極端に広いというわけではない。しかし例えばデスクトップや近接試聴などで使うならとてもバランスのいい音を楽しめるだろう。サラウンド用としてはもちろん、ハイファイ用コンパクトスピーカーとしても魅力的なモデルの登場だ。
「ES90」の主なスペック
●型式:2ウェイ2スピーカー、密閉型
●使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、130mmコーン型ウーファー
●インピーダンス:4Ω
●感度:86dB/2.83V/m
●クロスオーバー周波数:2,200Hz
●再生周波数帯域:52Hz〜40kHz(-10dB)、142Hz〜26kHz(-3dB)
●スピーカー端子:シングル、金メッキ
●寸法/質量:W189×H186×D306mm/3.8kg
※推奨スピーカー:Signature Elite シリーズ ES55、ES60、ES20