ステレオサウンドは、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの全面協力のもと、鬼太鼓座のアルバム『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』を、180g重量盤レコードとして、2023年9月30日に発売します。
鬼太鼓座『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』
■アルバム紹介
鬼太鼓座(おんでこざ)とは、1970年代初頭に結成された創作和太鼓のプロ集団のこと。結成当初は佐渡を拠点に活動を展開し、1980年代以降にはアルバムを次々と発表しています。今回発売される『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』は、1997年発表のアルバム『富嶽百景』に収録された9曲の中から厳選した6曲を収めた、高品位レコードになります。
オリジナルの『富嶽百景』は、デジタル録音全盛時代に究極のアナログ・レコーディングに挑んだ作品として、オーディオファン、音楽ファンの間で長年親しまれてきました。レコーディングを手掛けたのは、当時ビクタースタジオに在籍していた高田英男氏。高田氏は1969年にビクターに入社して以来、アイドル、ジャズ、フュージョン、そして純邦楽など幅広い音楽のレコーディングに携わってきた、日本を代表する録音エンジニアです。
その高田英男氏が1997年、鬼太鼓座の奏でる音楽の魅力を最大限捉えるため、アナログ・レコーディングを敢行し完成させたのが『富嶽百景』になります。収録にはスチューダーのアナログテープレコーダーを駆使し、ミックスダウンを経て1/2インチおよび1インチ仕様のマスターテープにまとめられた『富嶽百景』のCDは、発売以来、驚異的な和太鼓の音楽・サウンドが味わえる作品として聴き継がれてきました。
■アナログレコードの製作について
『富嶽百景』はこれまで、CD、SACDといったデジタル・メディアに加え、レコードについてもデジタルマスターから製作された商品が存在していました。今回発売する鬼太鼓座『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』は、おおもとのアナログマスターテープにまで遡って製作した初のレコードとなります。
そして、その製作にはオリジナル・ミキサーの高田英男氏が参画し、高田氏自らが『富嶽百景』から音質的に突出した6曲を厳選・収録しています。
加えて、高田氏の意向――本作をオーディオファン、および音楽ファン向けLPとして高品位に蘇らせる――に応えるため、国内のカッティング史上では初となる、1インチのアナログテープレコーダーをカッティングルームに持ち込むという快挙も達成しました。
オリジナルの1/2インチ、および1インチのアナログマスターテープに記録された音楽信号を余すことなくラッカー盤の音溝に刻み込むために、万全な調整を施したスチューダーのアナログテープレコーダー「A80」「A80VU MKIV」でプレイバックし、ノイマンのカッティングレース「VMS-80」を駆使して製作。本作の持つ底知れぬ魅力を最大限引き出すことに注力しています。
鬼太鼓座『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』LPは、名作『富嶽百景』全9曲の中からセレクトした6曲の収録になりますが、まさに、高田氏が長年思い描いていた究極のレコードを実現させた商品と言えるでしょう。大太鼓や尺八によるダイナミズムに溢れる音楽を、最高峰のサウンドでお楽しみください。
鬼太鼓座『富嶽百景・抄録 アナログマスター・ダイレクトカット』<収録曲>
<Side A>
1.鼕々(とうとう)/Toto~坎(かん)としてそれ鼓を撃つ~
2.三国(みくに)/Mikuni
3.弓ヶ浜(ゆみがはま)/Yumigahama
<Side B>
1.明暗(みょうあん)/Myoan
2.富嶽百景(ふがくひゃっけい)/Fujiyama
3.鬼太鼓囃子(おんでこばやし)/Ondeko-bayashi
<スタッフ>
スーパーバイザー:高田英男(ミキサーズ・ラボ)
カッティング・エンジニア:北村勝敏(ミキサーズ・ラボ)
テクニカル・エンジニア:菊地功(ミキサーズ・ラボ)/加藤拓也(ミキサーズ・ラボ)
1インチ2トラック・アナログテープレコーダー・システム・エンジニア:大橋正路(日本総合制作)
ライナーノート:小原由夫
LPレコード製作リポート:高田英男