キヤノンマーケティングジャパンより、業務用映像機器の新製品として、リモートカメラ、リモートカメラコントローラー、シネマレンズが、10月中旬より順次発売される。ラインナップは下記の通り。
<リモートカメラ>
「CR-N100」 オープン価格 10月中旬発売
<リモートカメラコントローラー>
「RC-IP1000」 オープン価格 12月中旬発売
<シネマレンズ>
「CN-R24mm」 オープン価格 2024年1月発売
「CN-R35mm」 オープン価格 2024年1月発売
「CN-R50mm」 オープン価格 2024年1月発売
「CN-R85mm」 オープン価格 2024年1月発売
「CN-R14mm」 オープン価格 2024年2月発売
「CN-R20mm」 オープン価格 2024年3月発売
「CN-R135mm」 オープン価格 2024年4月発売
※想定市場価格は各¥620,000前後
まずはリモートカメラCR-N100から紹介したい。リモートカメラとは、ネットワーク経由で遠隔操作が可能な据え置き型の比較的小さなカメラで、パン(P)・チルト(T)・ズーム(Z)が行なえ、被写体に追従するなど、画角の自由度を高く取れる製品となる。
キヤノンでは、業務用カメラで培ったノウハウを用いて、2021年にリモートカメラ市場に参入。これまでハイエンド、ミドルクラスの製品を投入してきたが、今回のCR-N100では、コロナ後に市場の拡大している企業のオンライン会議や文教用途、個人(YouTuber)などをターゲットにしたエントリークラスの製品となる。
製品の仕様としては、一つ上のクラスの「CR-N300」とほぼ同等で、センサーは1/2.3インチの4K対応で4K/30pの撮影が可能、光学20倍ズーム、対応というスペックを備える。CR-N300との差異は、SDI端子非搭載、フルHD解像度の出力非対応、Wi-Fi・free-d非対応、といったあたり。
リモート操作は、専用リモコン(赤外線・同梱)、PCアプリ(無償)、同社のコントローラー(別売り)から行なえるようになっている。
続いてはリモートコントローラーRC-IP1000。本機は現行「RC-IP100」の上位機となる製品で、より大規模な会場――音楽ライブ、スポーツ、あるいは、放送局(スタジオ)など、より多くの台数のリモートカメラを運用する環境を想定したものとなる。
操作性や視認性向上のために、本体には液晶モニター(タッチ式)が搭載され、コントローラー上で、最大9台のカメラのアングルを確認でき、素早い運用・操作が行なえるのが特徴となる(別途、モニターがなくても運用できる)。同時に、複数のカメラの認識・設定も、PCレスで本機のみで行なえるのも、現場での迅速なセッティングに役立つ機能と言えるだろう。映像入出力端子(IP/SDI/HDMI)、スイッチャー連携用端子(GPIO)なども装備している。
電源は、LANケーブルからの給電(PoE+)に加え、シネカメラなどとの共用も図れるDC IN 12V対応の4ピンXLRコネクターにも対応する(ACアダプターは同梱しない)。
最後はシネレンズ「PRIME LENS SERIES」。キヤノンでは現在、シネマ用の単焦点レンズとして、35mm判フルサイズ対応のマニュアルレンズ「PRIME」シリーズを、PLマウント、EFマウント用で展開しているが、今回の新製品は、ミレーレス一眼用のRFマウントに対応しているのが特徴。ラインナップは従来と同じで、14mm、20mm、24mm、35mm、50mm、85mm、135mmの7本を揃えることになる(発売時期は、上に記したように異なる)。
RFマウントのシネカメラも、現在では「EOS R5 C」「EOS C70」の2台がラインナップされており、同機ユーザーはこれまで、EFマウント用レンズを、マウントアダプターを介して装着する必要があったが、今回の新ラインの登場によって、カメラにダイレクトにレンズを装着できるようになり、堅牢性や信頼性は接点が少なくなる分、これまでよりも高められることになる。
仕様や設計はこれまでのシリーズと同等であり、ルックなどは、マウントが混在しても揃う、としている。操作性についても、従来のPRIMEシリーズと同等に設計されており、同じ操作感で導入できるようになっている。
なお、NEWな機能としては、カメラとの組み合わせによる「歪曲収差補正」が搭載された。これはその名の通り、レンズの持つメタデータをカメラ側が把握することで、“動画撮影時”に、レンズの特性に合わせた歪曲収差補正が自動で行なわれ、特に周辺部などでの歪が解消されるものとなる(R5C、C70との組み合わせ、かつ動画モード時に有効)。