この度、2023年7月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ポレポレ東中野ほか全国順次公開する、香港映画『星くずの片隅で』の舞台挨拶付先行上映会が、ポレポレ東中野にて開催された。
本作監督のラム・サム監督と、Vaundy「Tokimeki」MVに出演で話題の香港のトップモデルでキャンディ役のアンジェラ・ユンさんが登壇し、舞台挨拶が行なわれました。舞台挨拶ではファッションブランド「TOGA」デザイナー古田泰子から、アンジェラ・ユンさんへのサプライズメッセージが読み上げられました。
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新世代の香港映画『星くずの片隅で』(7月14日公開)の来日先行上映舞台挨拶が7月8日に都内映画館で行なわれ、女優のアンジェラ・ユンとラム・サム監督が参加した。
この日のチケットはソールドアウト。満員御礼という高い注目度の中で迎えた来日先行上映にラム監督は「日本で皆さんにお会いできたことを感謝しています。日本の上映には期待をしていて、そもそもこの映画はコロナ禍にある香港人に向けたストーリーゆえに、海外の観客に見せることを想定していませんでした。今回の日本上映に関して、皆様からの感想などを聞けたらとても嬉しいです」と大喜び。
一方、大の親日家でVaundyのMV『Tokimeki』出演でも話題のアンジェラは「コンニチワ。ハジメマシテ、キャンディヲエンジマシタ」と日本語で挨拶し「この映画は社会的弱者の物語です。コロナという大変な状況の中で、そんな社会的弱者がどのように生きていたのかをご覧いただけたら」と呼び掛けていた。
そしてラム監督は、本作製作の経緯について「構想はコロナ前の2018年頃ですが、撮影時はコロナ禍で大きな影響を受けました。清掃員という設定は変わらないものの、ザク(ルイス・チョン)とキャンディ(アンジェラ・ユン)が助け合う話に変わりました。コロナ禍で撮影場所も決まらず、政府からの集合禁止令などの社会的状況もあり、撮影も遅延しました。しかし映画の神様は見ていてくれたようで、撮影の遅延によってアンジェラがこの作品に関わってくれました」と報告した。
シングルマザーのキャンディを演じたアンジェラは、アドリブで日本語セリフを加えたことを明かし「映画の後半にはコスプレ大会が出てきますが、キャンディも香港の若者と同じで日本文化に影響を受けているキャラクターです。それならば日本語を普通に話していてもおかしくはないと思い、日本語セリフを付け足しました」と解説。キャンディが着こなす原宿系の奇抜ファッションもアンジェラのアイデアで「キャンディは社会的弱者かつ傍から見たら無責任な女性かもしれないけれど、自由な発想のもと自由に生きている人だと思いました。そんな複雑なキャラクターをファッションでも表してみました」と狙いを明かした。
清掃員のザクとキャンディの2人は心を通わせながらも、恋愛関係にはならない。この点についてラム監督は「それは僕と脚本家が恋愛物語が苦手だからです」と笑わせつつ「コロナ禍という生活すらままならない中で恋愛などできるのだろうか? と考えた。コロナ禍という状況下でザクとキャンディの2人は助け合う関係だけれど、必ずしも愛情にはならないのではないかと思った」と解説。一方のアンジェラも「2人は一緒になってもいいと思ったけれど、役者として脚本に従いました。でも一緒になったらそれまでの設定がおかしくなったと思うので、マイルドな方向に落ち着きました」と納得していた。
ここでアンジェラには内緒でサプライズを発動。なんとアンジェラが大好きな日本のファッションブランドTOGAのデザイナー・古田泰子氏から「世界中の政治家や権力者が、この映画が描く世界のように理解と優しさをもち、全てのマイノリティーにも最低限の生活しやすい社会を作り上げてくれたらよいのに。そんな願いがかなわずとも、せめて自分の小さな世界の周り、隣人、相手の気持ちに寄り添える。そんな希望の光を指しだせる自分でありたいと強く思いました。TOGAを好きといってくれてありがとう」などとのコメントが届いた。大好きなブランドのデザイナーからのまさかのコメントにアンジェラは「サプライズがあるならば教えてください!」とビックリしながら、古田氏からのコメントに感極まって号泣。そして「今回キャンディを演じて、社会的弱者の無力感を味わいました。香港のみならず世界中がもっと弱い立場の人たちに優しさと理解を示したら世界は変わると思います」と呼び掛けながら「元々は泣くはずではありませんでした。シャシン、ストップ!」と泣き笑いのキュートな姿を振りまいていた。
最後にラム監督は来週7月14日からの日本公開に向けて「この映画を観て温かさを感じてもらえたら嬉しいです。この映画からもし何かしらの力を得られたのであれば、周りの方にも勧めていただき、その力を色々な人に知ってもらいたいです」と日本での大ヒットを祈願していた。
≪コメント≫
■古田泰子/TOGAデザイナー
この映画に太陽は似合わない。朝焼けか夕暮れなのか光は常に薄暗い。
人々が寝静まる静かで遠慮がちに届く光の世界で、真面目に生きる若い2人は
家族を背負いながら崩れそうな心を隠し必死に立っている。
派手な装いは心のカモフラージュ。心の添え木となる本当の支えって何だろう。
映画『星くずの片隅で』
7月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ポレポレ東中野他全国順次公開!
■ストーリー
生活の息吹が感じられる街の光、朝焼けの空、小さい窓から見上げるまぶしい太陽…。
コロナ禍の静まり返った香港の片隅で、誰にも気付かれずに生きる人々の孤独な心を、新世代の香港映画の旗手がやさしい眼差しで掬い取ったヒューマンドラマ。
2020年、コロナ禍で静まり返った香港。「ピーターパンクリーニング」の経営者ザク(ルイス・チョン)は、車の修理代や品薄の洗剤に頭を悩ませながら、消毒作業に追われる日々を送っている。リウマチを患う母(パトラ・アウ)は、憎まれ口をたたきながらも、たまに看病にくるルイスのことを心配している。
ある日、ザクの元にド派手な服装の若いシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)が職を求めてやってくる。まともな仕事をしたことがなさそうなキャンディだったが、娘ジュー(トン・オンナー)のために慣れない清掃の仕事を頑張りはじめる。しかしキャンディがジューのために子供用のマスクを客の家から盗んでしまい、ザクは大事な顧客を失ってしまう。
幼い娘を抱え、まともな暮らしもできずにいるキャンディをみて、ザクはもう一度だけチャンスを与える。心を入れ替え仕事に打ち込んでいくキャンディに、心惹かれていくザク。そんな中、ルイスの母が急死してしまう。葬儀に向かうザクを送り出し、ひとりでの仕事に張り切るキャンディ。しかしジューがうっかりこぼしてしまった洗剤をきっかけに、追い詰められたキャンディはちょっとした嘘を重ねていってしまう。それがザクと会社を窮地に追いやることになり…。
ルイス・チョン アンジェラ・ユン パトラ・アウ トン・オンナー
監督:ラム・サム プロデューサー:マニー・マン 脚本:フィアン・チョン 撮影:メテオ・チョン 美術:ウミ・ンガイ 編集:エミリー・リョン 音楽:ウォン・ヒンヤン 日本語字幕:最上麻衣子 宣伝デザイン:100KG 予告編監督:秦岳志・星善 配給:cinema drifters・大福・ポレポレ東中野 宣伝:大福・木村洋子 原題:窄路微塵 英題:The Narrow Road
2022|香港|カラー|DCP|5.1ch|115分
(C)mm2 Studios Hong Kong
≪ポレポレ東中野イベント情報≫
★公開記念舞台挨拶
7/14(金)16:30回上映後
7/15(土)12:00回、17:00回上映後
登壇:ラム・サム監督
★トークイベント
7/17(月・祝)16:30回上映後
登壇:くれい響(映画評論家)、リム・カーワイ(映画監督)
※チケット購入方法、開演時間等の 詳細は劇場HPにてご確認ください。
※ゲスト・イベント内容は予告なく変更となる場合がございます。ご了承ください。
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