女優・グラビアと多彩に活躍している沢口愛華が初主演を飾った『札束と温泉』が、いよいよ6月30日より公開となる。温泉宿を舞台に、さまざまな登場人物たちの思惑が入り混じって起こる混沌とした一夜を、ワンカット撮影したクライム・コメディ作。ここでは、その沢口にインタビュー。出演の感想、役作りの苦労などを聞いた。

画像1: 「沢口愛華」初主演作『札束と温泉』がいよいよ公開。「面白い作品になっているので、観てクスっと笑ってほしい」

――よろしくお願いします。公開が近づいて来ました。まずは、今の心境をお願いします。
 割と冬っぽいシーンが多かったので、秋口の公開かと思っていましたけど、6月30日の公開と聞いて、意外に早いなって思いました。その分、公開までのイベントが一気に進むようで、すごく楽しみです。ただ、完成した映像を観た時は、動画の自分を見るのはまだ見慣れないこともあって、本当に心臓がドキドキしていました。

――自分の映像(作品)を観るのは、まだドキドキする?
 そうですね。でも、きちんと登場人物になれていたなって感じられたので、ちょっとだけ安心できました。そうして安心した途端に、反省点もいっぱい出てきてしまって……。あのセリフもっと頑張れたんじゃないかなとか、いろいろ考えてしまいましたけど、最終的には、面白い作品になっていたので、ああよかったって思いました。

――少し戻りまして、待望の映画初出演です。決まった時はいかがでしたか?
 えっ私が主演!? ってビックリするのと同時に、私で大丈夫なのかなぁ~という不安は大きかったです。でも、任されたからには絶対に演じ切ろう! 絶対に成功させよう! という気持ちがすごく溢れてきました。加えて、別府に行ける! 温泉に入れる! おいしいものが食べられる! っていう嬉しさ(期待)もありました!

――本作のスタッフは、これまでも旬の女優を起用するのが得意でしたから、沢口さんへの期待も大きかったのでは?
 私にそういう期待をかけてくださっているのが、とにかく嬉しくて!! 絶対に期待を裏切りたくない! いい意味で裏切りたい! ってより気合が入りました。

――プレッシャーは?
 もちろんありましたよ。ただ、主演がというより、映画自体を成功させないといけないというプレッシャーの方が大きくて、もう、何から手を付けよう、どうしよう、どうしたらいいんだろうって、悩みました。

画像2: 「沢口愛華」初主演作『札束と温泉』がいよいよ公開。「面白い作品になっているので、観てクスっと笑ってほしい」

――さて、今回演じられた高梨リサは、どのように役作りをしていったのでしょう。
 もちろん、台本を読み込んでいって役のイメージを掴むんですけど、最初はなかなかそれがうまくできなくて……。読み合わせが始まってから、そこでちょっと暗いとか、もう少しこういう感じにしてほしいと言われた時に、役作りって周囲のキャストとの温度感が大事なんだなって気づいたんです。その温度感を意識するようにしながら、言葉の裏にある感情とか、その前後の脈絡を見て、感じ取ってという作業をすることで、一気に台本が読みやすくなって、役作りも進んだように思います。

 ただ、名古屋弁が抜けていなかったようで、例えば靴という単語は、何度話しても“それ訛ってるよ”って言われてしまって(悩)。とにかく稽古中には、アクセントを注意されることが多かったのですが、基礎的なところから今一度演技に向かうことができで、すごく有り難かったです。

――ところで、なぜそんなに別府で盛り上がったのですか?
 別府って九州じゃないですか。小旅行というか、修学旅行に行くような感覚も少しありました(笑)。もちろん、到着したら旅行じゃないわけできちんと仕事しました!

――オフはなかった?
 撮影は日没からでしたから、日中がオフみたいな感じでしたけど、実は私、ずっと部屋に居て……。1日だけお出かけして、有名な冷麺のお店に行きました。

――あんなに楽しみにしていたのに?
 そうなんですよ。外出しようと思いつつも、ずっと温泉を楽しんでいて、ほかは、旅館の談話室で好きな本を語り合う会が開かれていたので、ほぼ毎日出席していました(笑)。ちょうど、出席されていた方々と本の趣味が合ったので、えーそんな本読んでいるんですかとか、今度読んでみますねとか話したりして、楽しかったです。

――本作はワンカット撮影も特徴の一つになります。撮影はいかがでしたか?
 NGを出すと、最初から撮り直しになってしまうので、緊張感はありましたね。特に、冒頭のシーンは、かなり気を張っていましたけど、撮影していくうちに、東京での事前練習を思い出しながら、少しずつ感覚が馴染んでいって、段々とやりやすくなっていきました。キャストの年齢が近いこともあって、失敗しても“ごめん、もう一回頑張ろう”って言える雰囲気が出来ていたので、チームワークを感じながら撮影できました。

画像3: 「沢口愛華」初主演作『札束と温泉』がいよいよ公開。「面白い作品になっているので、観てクスっと笑ってほしい」

――ワンカット撮影ですから、撮影はずっと続いていたのですか?
 基本的に、食事休憩以外はずっと続けていました。ただ、大広間のシーンは、そこがスタッフさんの寝泊まり&荷物置き場になっていたので、みんなで荷物の大移動をしたりして、撮影に向けた準備(?)が、たいへんな部分はありました。加えて、出番がない人(スタッフ)は他の部屋にいるんですけど、ちょっとした物音で撮り直しになってしまうこともあって、結構気を遣うことは多かったです。

――同じ建物の中に、荷物が全部あったのですか。
 そうなんですよ。旅館をまるごとお借りしての撮影でしたから、そこに荷物や機材を揃えていたので、“今からここで撮影しますので、全部どかしてくださーい”っていう感じで、荷物の移動はたいへんでした。それも含めて、映画を撮るのってこんなに大変なんだ、こんなに労力がかかっているんだって、初めて実感しました。

――すると、観ているうちに建物の構造・位置関係も分かってきますから、いまどこに荷物があって、なんていうことも把握できるようになりますね(笑)。
 観て下さる方にも、段々と、位置関係が分かってくると思うので、今はここで撮っているんだとか、この動線だと荷物はどこかへ隠して(動かして)いるんだろうなとか、そういう部分も楽しんでいただけたらと思います。

――少し戻りますけど、演じられた高梨リサの印象は?
 真面目だな~って思いました。こんなしっかりした役を私が演じるんだっていう、少し不思議な感じも受けました。私って、結構人見知りだし、こうした役はあまり合わないんじゃないかって思っていましたから。

――名古屋にいた頃の沢口さんを見ている人間からすると、ぴったりかなと思いました。ただ、上京してきてからは、かなり明るくなったように思います。
 一人暮らしをするようになって、自分で自由の度合いを決められるようになったことが大きいのかもしれませんね。自分の好きな時間にお風呂に入ったり、ご飯を食べたりと、自由ってこういうところから始まるんだと感じて、それをもっと伸ばしたいと思ったからでしょうか。

――上京して、本来の沢口さんが出てきた?
 どうなんでしょう?

――ヲタクっぽさも出てきたように思います。
 いや~、そこはバレ始めているなと思いますし(笑)、自分でも加速しているように感じます。ただ、元々何かを追求することは好きだったので、それがどんどんオタクに向かってしまっているのかなぁ~と。自分でもびっくりしています。

――話は変わって、ラスト付近、宿の玄関で水無月綾乃(星 れいら)と話しているところは印象に残りました。
 私も好きなシーンですね。撮影がワンカット長回しなので、引きの画しかなくて、寄り(アップ)がないんですけど、撮影が終わってスタッフさんが、「そのシーンのリサの表情は、寄りで撮りたかったな」って言ってくださったんです。自分でも気づかない内に、そういう表情ができていたんだ。そうやって思わせる表情を作れていたんだって感じて、その言葉はすごく嬉しかったですね。ずっと、お芝居の中で、何かが変化したとか、何かが動いたっていうのを見せたい(表現したい)と思ってきたので、それが伝わってすごくよかったって思いました。

――これからリサは変わっていくんだろうなと思わせる余韻がありました。
 そうなんですよ。高校生って自立をし始める年齢だと思うので、役を通してその表現ができたのは、良かったと思いました。嬉しいです。

――これから活動の目標・抱負はありますか。
 20代はこうやってたくさんの現場を踏んでいけるように、その現場を疎かにしないように、一つひとつにきちんと向き合っていきたいと思います。目先の成功よりも、長い期間で見た成功を目標に頑張っていこうと、この作品に出演して思いました。

――女優としては。
 どういう女優像を目指すというよりかは、行く道を正解にしたいです! 自分で言って難しそうですけど、ずっと女優でありたいです。

――やってみたい役は?
 最近の邦画に多い、展開が速かったり、心理的な負荷の大きい作品・役柄にも興味はありますし、逆に、ゆったりとした時間の流れる映画にも出てみたいです。

――ちなみに、劇中では2000万円の札束がキーワードになっていますが、実際に2000万円あったら何に使いたいですか?
 これは一択です。弟と海外旅行に行きます。ヨーロッパの、イタリアとかイギリス、スペインなどがいいですね。

――いよいよ初主演作がいよいよ公開を迎えます。最後にメッセージをお願いします。
 年齢の近いキャストが集まったこともあって、テンションの高いお芝居の掛け合いがあちこちに入っていて、シリアスとコメディが両方楽しめる作品になっています。そういうところを観て、クスっと笑ってもらえたら嬉しいですね。よろしくお願いします。

画像4: 「沢口愛華」初主演作『札束と温泉』がいよいよ公開。「面白い作品になっているので、観てクスっと笑ってほしい」

映画『札束と温泉』

2023年6月30日(金)よりシネマート新宿他 全国公開

<キャスト>
沢口愛華 小浜桃奈 糸瀬七葉 大熊杏優 佐藤京 星れいら

<スタッフ>
監督・脚本:川上亮 プロデューサー:岩淵規 主題歌:群青の世界「ハイライト・トワイライト」 撮影:今井哲郎 照明:中嶋裕人 録音:小畑智寛 スタイリスト:小磯和代 メイク:和田弥生 音楽:沢田ヒロユキ 制作担当:田山雅也 助監督:湯本信一 編集:佐野公子 製作・企画:コザイク 制作プロダクション:メディアンド 配給:渋谷プロダクション
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●沢口愛華(高梨リサ役)プロフィール
2003年2月24日生まれ。2018年ミスマガジングランプリを受賞後、様々な雑誌の表紙を続けて飾る話題のネクストガール。2021年カバーガール大賞10代部門2連覇。22年ABCドラマ『彼女、お借りします』にレギュラー出演。

公式サイト https://incent.jp/incent/talent/sawaguchi/
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インスタグラム https://www.instagram.com/sawaguchi_aika_official/?hl=ja

スタイリスト:マルコ マキ
ヘアメイク:今関梨華
衣装:SHIROMA

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