華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)から、血圧測定機能を装備したスマートウォッチ「HUAWEI WATCH D」(¥60,280税込)が発売された。ここでは同製品のインプレッションをお送りしたい。
まずは製品の概要を紹介すると、近年の日本においては、およそ3人に1人が高血圧(血圧に問題を抱えている)になっているといい、しかもその3分の1は自分が高血圧であること自覚していないという。そこで、手軽に血圧測定を行なえるように、身に着ける=ウェアラブル機器で、正確な血圧の測定ができるデバイスとして、今回のHUAWEI WATCH Dを開発・製品化したということだ。日常的に血圧を測定し、その数値を把握することで、高血圧症だけでなく、高血圧によって引き起こされる病気の予兆を感じ取ることで、未病対策にもなる、としている。
▼関連記事
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17630696
では、製品について紹介すると、スマートウォッチとしては少し大きめで、先月紹介した「HUAWEI Band 8」に比べると、そのサイズは二回りほど大きく感じられる。というのも、本体(時計部分)内部には、血圧測定に必須の加圧機構(マイクロポンプ)が内蔵されているから。とはいえ、手首式の血圧計に比べれば、メーカー資料によればサイズは1/25、質量は1/6というコンパクトさを実現している。
さて、箱から出して実際に使えるようにするには、まずは組み立てが必要。同梱の紙ストラップで手首の太さを測り(記者はLサイズ)、そのサイズにあったカフ(加圧パーツ)を選択、ベルト部分に装着する。その際、日本語の取説がないので、イラストを見ながらの組み立てになるが、貸出品はベルトのバックル部分がカチッと固定されていたため、これ気づく(解除する)のに時間がかかった。その後で、手首の太さに合わせて、ベルトの穴を決める。ピッタリよりも、少し余裕を持たせたほうがいいようだ。
装着感は良好。バンドタイプのスマートウォッチに比べれば重量感はあるが、機械式(のクロノグラフ)に比べれば軽い。あとは、アプリと連携させれば、使用準備はOK(あいかわらず、アプリを使えるようにするには、携帯電話の番号の登録が必要。登録できないと、製品は使えない)。
今回は、血圧測定に絞ってテストしているが、測定の方法や注意点、姿勢などは、手首式の血圧計と同じ。利き腕ではない方(記者の場合は左腕)に本製品を装着し、血圧測定ボタンをタッチで測定開始。手は開き、鎖骨のあたりを触るような感じで、右手で左ひじを支えてあげるといい。姿勢よく椅子に座っての測定が指示されている。これにて1分ほどで測定は完了する。腕時計式とはいえ締まりは結構強く、数値では250~300mmHgぐらいまで上がる。
結果としては、160~170mmHgとかなりの高血圧。直前の健康診断では、少し血圧が高いですね、という診断は受けていたが、その際の数値は130台。自宅で使っている手首式の血圧計でも130台の数値。ということで、この数値は正しいのか? を調べるために、血圧測定ができる場所を探すが、実はこれがなかなかに難儀した。病院やクリニックには当然、血圧計が設置されているが、気になるのでちょっと測らせてください、と行くにはハードルは少し高い。
調べると、調剤薬局にも血圧計が設置されていることが多いそうで、そこで計測してみたが、梅雨のこの時期、熱さと湿気のある中、荷物を担いで歩いて、汗かいて、お店まで行って計測したら、見事に200超え。量販店の店頭で計測してみても、同様に歩いて歩いての後の計測であることもあって、こちらも200超え。ということで、結局は、自宅で安静時の血圧を(比較用に)測るために、腕巻き式の血圧計を購入したところ、その数値はHUAWEI WATCH Dと同じ、160~170mmHg。つまり、HUAWEI WATCH Dが正解だった、ということ。
手首式の血圧計も、メーカーのHPを見ると、製品の耐用年数は5年、カフ(加圧する帯の部分)は毎年交換してください、と記述してあるので、それを加味すれば、壊れてはいないものの、その数値は正確ではなかった、ということだ。肝に銘じておきたい。
ということで、今回テストしたHUAWEI WATCH Dは、価格は少し張るが、血圧測定が手軽に行なえ、アプリと連携することで、日・週・月などの統計データも確認できる。腕時計タイプなので、持ち運び、持ち歩きが楽々、というところが一番の特徴になるだろうか。睡眠ログも、最新のアルゴリズムに対応しているので、自分の睡眠状況の確認・把握にも便利に使える(ただし、時計上でのデータの表記は簡便化されている)。