アマゾンジャパンは昨日、音声サービスAudibleの最新状況や国内外の顧客の変化や動向、全体戦略等に関する記者発表会を開催した。

 まず登壇したAudibleカントリーマネージャーの逢阪志麻さんから、Audibleの概要が紹介された。そもそもAudibleは、1995年にDon Katz氏によってアメリカ、ニュージャージ州郊外のニューアークで創業した。“We Ignite Imaginations”(想像力を掻き立てる)というビジョンを持ち、新しい可能性を生み出す力を持つという哲学に基づいて設立された。

画像1: “聞くと読みたくなる、読むと聞きたくなる” アマゾンがAudibleの新しいサービス展開を発表。村上春樹作品や湊かなえ作品など人気タイトルがさらに充実

 この哲学を受け継いで、アマゾンでは世界有数のクリエイターと協力してオーディオブック、ポッドキャスト、オリジナル作品を製作、世界中の何百万人ものリスナーに新しいアイデアや声を届けているという。

 そんなAudibleのサービスは世界180ヵ国、47の言語で楽しまれており、数百万人のユーザーを獲得している。聴取時間も伸びており、2022年には40億時間を達成、前年比13%の成長を遂げたという。

 コンテンツのダウンロード数も1人当たり年間20冊に届いており、75%の人は1年以内に電子書籍や紙の本も読んでいるというデータもあるそうだ。つまり音で聴くだけでなく、読書の習慣も持っているユーザーが多いということだ。

画像2: “聞くと読みたくなる、読むと聞きたくなる” アマゾンがAudibleの新しいサービス展開を発表。村上春樹作品や湊かなえ作品など人気タイトルがさらに充実

 日本のサービスでは、12万冊以上の作品を揃え、月額 1500円の聴き放題で楽しめる。12万冊の中には文学作品からミステリー、ビジネス書、ポッドキャストなど幅広いタイトルが準備されているという。多くのユーザーは通勤、通学やリラックス時間、また入眠の際にスマホやスマートスピーカーなどのデバイスで楽しんでいるとのことだ。

 実はAudibleは2022年1月にビジネスモデルを変更し、聴き放題サービスに移行した。それを受けアマゾンでは、コンテンツの拡充とマーケティングの施策に力を入れてきている。2023年もそれを継続し、戦略的にコンテンツへの投資を拡大していくという。そこではコンテンツ拡充→ 会員満足度の向上 → 利用時間の増加といった成長・好循環を目指している。

 そのキーとなるコンテンツ拡充の詳細については、Audibleシニアディレクターコンテンツの宮川もとみさんから紹介された。コンテンツ拡充を進める上での取り組みは、オーディオブック、オーディオファースト、ポッドキャスト、オーディオンターテイメントの4つのカテゴリーで展開される。

画像3: “聞くと読みたくなる、読むと聞きたくなる” アマゾンがAudibleの新しいサービス展開を発表。村上春樹作品や湊かなえ作品など人気タイトルがさらに充実

 オーディオブックについては、ユーザーの要望に応える形で作品数を増やしてきた。昨年は村上春樹作品の配信もスタートし、好評を得た。今年も新たに7つの村上作品を、映画や舞台で活躍中の俳優陣による朗読で配信する。『猫を捨てる 父親について語るとき』は中井貴一さん、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は向井 理さんといった配役だという(どちらも配信中)。

 他にも湊かなえ作品5タイトルの配信も予定されている。こちらは『贖罪』を小池栄子さん(配信中)、『Nのために』を永倉奈々さんが担当している。

 それら人気作品の拡充はもちろん、Audible用に書き下ろされたオーディオファースト作品も増やしていくとのことだ。これらの作品は、配信後に書籍化もされるもので、出版社や著者とのコラボレーションということになる。古内一絵さんの『百年の子』(小学館)、汐見夏衛さんの『さよならごはんを今夜も君と』(幻冬舎)といった具合だ。宮川さんによると、Audibleと紙の本はコンテンツとしてまったく異なる体験で、“聞くと読みたくなる、読むと聞きたくなる” コンテンツとのことだ。

画像: Audibleカントリーマネージャーの逢阪志麻さん(左)とAudibleシニアディレクターコンテンツの宮川もとみさん(右)

Audibleカントリーマネージャーの逢阪志麻さん(左)とAudibleシニアディレクターコンテンツの宮川もとみさん(右)

 他にもポッドキャストではバラエティ豊かなコンテンツがラインナップされている。バラエティ番組では、加藤浩次/山口一郎両氏による『とんぼとサカナ』や、大竹まこと/きたろう/斉木しげるの『SAYONARAシティボーイズ』などが既に配信がスタートしており、話題となっている。

 他にも聞くアニメとして、劇場作品『LUPIN THE IIIRD』から『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』『峰不二子の嘘』が、栗田貫一さんを始めとする現在のキャストでAudibleコンテンツ化されるとのことだ。まさに “声” で勝負する作品になるわけで、どんな風に演じられるのか興味深い。

 グローバル展開としては、マーベル作品から30年後の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を描く『ウェイストランダーズSTAR-LORD』が古田新太さん、多田野曜平さんといったキャストによって配信される。他にもトップアスリートによる発信も多く予定されている。

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