叫んだら、死ぬ!?

デッド・サイレンス 2007年

監督 ジェームズ・ワン
製作 グレッグ・ホフマン オーレン・クールズ マーク・バーグ
製作総指揮 ピーター・オイラタゲレ
脚本 リー・ワネル
撮影 ジョン・R・レオネッティ
音楽 チャーリー・クロウザー
出演 ライアン・クワンテン アンバー・ヴァレッタ ドニー・ウォールバーグ ボブ・ガントン

画像1: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

マレーシア系オーストラリア人監督ジェームズ・ワンは、かのホラー映画『ソウ』で一躍有名となり、最終的に9つの続編や関連作品を生み出すことになった。現在、ハリウッドでもっとも引っ張りだこの監督のひとりとなったワンのキャリアは、『ソウ』はもちろん、『インシディアス』『死霊館』などの大成功の上に築かれたものだ。さらに収益性の高いシリーズを生み出し、独自の怪奇世界で魅了し続けている。あらゆる点からみても、ワンのホラー・ブランドは、その人気においてスティーヴン・キングなどと肩を並べており、常に一貫した恐ろしい品質で高い信頼を得ている。

『ポルターガイスト』のピエロ人形の恐怖は、7歳の私に大きな心の傷を残した。それ以来、どういうわけか腹話術のダミー人形や古い人形に興味を持つようになり、その美しく不気味な感じに魅了されてきた。これはまさに『ポルターガイスト』のピエロ人形へのオマージュなんだ。ただ新しい感覚の映画にはしたくなかった。リー(ワネル/『ソウ』の脚本)と私が求めたのは『トワイライト・ゾーン』や昔のハマー・ホラー、そしてエドガー・アレン・ポーの小説のムードだった。(ジェームズ・ワン)

画像2: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

ある日、帰宅したジェイミーは、寝室で絶命した妻の惨殺死体を発見する。自分に容疑がかかる中、ジェイミーは殺害前に届けられた謎の腹話術人形に不審を抱く。人形を見た妻がつぶやいた不気味な詩を思い出した彼は、その詩が語り継がれる生まれ故郷レイブンズ・フェアへと向かうのだった・・・。主演は『ハイネケン誘拐の代償』のライアン・クワンテン。

スタジオ(ユニバーサル)に縛られた部分もあったが、私たちは巧くやったと思う。恐ろしいストーリーラインに古典的な美学を与えることができた。この映画に欠けているのは、クリストファー・リーとヴィンセント・プライスだけだ。(リー・ワネル)

画像3: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

撮影は『マスク』『死霊館』のジョン・R・レオネッティ。スーパー35方式/35mmアナモフィック撮影。アスペクトは2.39:1(4パーフォーレーション)スコープ。35mmオリジナルカメラネガからの2023年4Kデジタルレストア/HDRグレード。HDRはHDR10とドルビービジョンをサポート。

ジミーが求めたのは『ソウ』の浴室のモノトーンの色合いと、『キャット・ピープル』(1942)『恐怖の足跡』(1962)のような白黒映画のトーンだった。そのために何をしたかというと、基本に戻ること。ワンショットずつ三点照明の技術を見直し、キー(主光)とフィル(補助光)とバック(逆光)のライティング・バランスを決めていった。また赤も重要な色だった。これは以降のジミーの作品の、赤い色合いの基礎を築いた映画でもあるんだ。最終の仕上げは有能なカラリストでもある、ウォルター・ヴォルパート(『インターステラー』『ダンケルク』)のお陰さ。(ジョン・R・レオネッティ)

画像: 2015 UNIVERSAL BLU-RAY

2015 UNIVERSAL BLU-RAY

画像: 2023 SHOUT FACTORY UHD BLU-RAY

2023 SHOUT FACTORY UHD BLU-RAY

大半をクールトーンのローキー・ショットが占め、鈍い鉛色の青を含んだ青灰色の外観になっているが、2015年BLU-RAYの解像感を大いに高めている。極度の低照度ショットでも、細粒の粒子感を維持、ディテイル描画は鮮やかで精細。恐怖ムードを盛り上げる、光の欠如感が素晴らしい。クローズアップでは、血の気の失せた肌質、人形の不気味な質感、オールドスクールなファブリック、家屋のインテリアやプロダクション・デザイン、身の毛もよだつ特殊メイクの特徴が明らかになる。

HDRグレードは数少ない色域とコントラストを拡張。観どころはなんといっても黒レベルと陰影ディテイル。BLU-RAY版で引き締まりすぎていた陰影描画(見映えはよい)、散見された白トビや黒つぶれ、集中を欠かせるバンディングも解消。ワン十八番のさまざまな赤の存在感も目覚ましい。なにより明暗の層が格段と滑らかになり、一条の暗闇の縞が劇的な緊張効果を生み出している。ドルビービジョンも良好。怪奇メイクを際立たせ、あなたの背筋を凍らせよう。

画像4: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

音響エンジニアは『きみに読む物語』『炎のメモリアル』のケリー・カブラル(編集監修)『glee/グリー』『Xファイル』のケネス・コベット。2015年BLU-RAY収録5.1chトラックをリユース。比較視聴ではほぼ同等のクオリティを持つ。緊迫の会話や不気味な効果音で満ちるフロントステージ。サラウンドチャンネルはいくぶん控えめに使用されるが、不穏なサスペンスとショッキングなホラー効果を高めることに成功している(なかでも屋内シーン)。

音楽はチャーリー・クロウザー。ご存じの通り、トレント・レズナーとともにナイン・インチ・ネイルズのメンバーとして活躍し、『ソウ』のスコアで映画音楽デビューを果たしている。デビュー当時のブライアン・タイラーの作風を思わせ(特に『黒の怨(うらみ)』)、緊張を高めるライトモチーフの使い方がめっぽう巧い。アップミックス再生推薦。

画像5: 4K SCREEN CAPTURE

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冒頭を飾るありきたりなオルゴールの子守唄のテーマを通り過ぎると、『デッド・サイレンス』は驚くほど微妙なエレクトロオーケストラ・ホラースコアで染められる。ストリングスがリスナーに向かって斬りかかり、魅了し、サンプリングされた合唱効果が不気味な不安感を生み出し、ピアノがバックグラウンドで不気味にチリンチリンと鳴り、合成エフェクトがミックスの奥でうなり声を上げ、ゴロゴロと鳴り響く。そこにはチャーリーのインダストリアルロックの背景が染み込んでいる。(編集マイケル・N・クヌー)

UHD PICTURE - 4.5/5  SOUND - 4/5

画像: 4K SCREEN CAPTURE 映像平均転送レート 76498 kbps(HDR10)| 8543 kbps(DOLBY VISION 10.05%) 音声平均転送レート 3678 kbps(DTS-HD Master Audio 5.1 | 48kHz | 24bit) 2015 kbps(DTS-HD Master Audio 2.0 | 48kHz | 24bit)

4K SCREEN CAPTURE

映像平均転送レート 76498 kbps(HDR10)| 8543 kbps(DOLBY VISION 10.05%)
音声平均転送レート 3678 kbps(DTS-HD Master Audio 5.1 | 48kHz | 24bit)
          2015 kbps(DTS-HD Master Audio 2.0 | 48kHz | 24bit)

画像: DEAD SILENCE - SLEEPING WITH THE ENEMY SCENE youtu.be

DEAD SILENCE - SLEEPING WITH THE ENEMY SCENE

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