Amazon(アマゾン)から、Echoシリーズの新製品「Echo Pop(エコーポップ)」が発売された。先日の発表会イベントリポートでも紹介した通り、スマートスピーカーをZ世代の若者たちにも使ってもらいたいという願いを込めたラインナップで、価格も¥5,980(税込)と、先に発売された「Echo Dot(第5世代)」よりも2割ほどお安くなっている。

 とはいえ基本機能的には、Echo PopとEcho Dot(第5世代)はほぼ共通している。音声コントロール機能の「Alexa」も搭載済で、音声操作でAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスを楽しんだり、タイマーや天気予報、ニュースなどのサービスも使える。家電を音声で操作するスマートホーム機能にも大きな違いはない。

画像: 左の「Echo Pop」はW99×H91×D83mmで重さは196g、右の「Echo Dot(第5世代)」はW100×H89×D100mm/304gと、本体はわずかに小型化し、質量は約3分の2に軽量化されている

左の「Echo Pop」はW99×H91×D83mmで重さは196g、右の「Echo Dot(第5世代)」はW100×H89×D100mm/304gと、本体はわずかに小型化し、質量は約3分の2に軽量化されている

 違いとしては、Echo Popには温度センサーやモーションセンサーが搭載されておらず、現在の室温を確認したり、誰かが部屋に入ってきた時に自動的に照明をつけるといったことはできない。また内蔵されたスピーカーユニットのサイズはEcho Popが49.5mm、EchoDot(第5世代)は44mmで、口径は一回り大きくなっている。

 ちなみにEcho Popの本体は蚕の繭を斜めにカットしたようなフォルムで、前面はスラントした直線、背面はわずかに膨らみを持った球形になっている。アマゾンが公開している透視図によると、スピーカーユニットはスラント面の下寄りに取り付けられており、接地面からやや上向きに音を放射する仕組みだ。なので、Echo Popは耳の高さよりもちょっと低い場所に置いたほうがいいだろう。

画像: 49.5mmフルレンジスピーカーユニットは本体下寄りにマウントされている

49.5mmフルレンジスピーカーユニットは本体下寄りにマウントされている

 デジタル信号はAmazon Music HD(48kHz/24ビット)に対応しており、ここもEcho Dot(第5世代)と同等。ただ、筐体サイズ(エンクロージャー容量)や内部回路に違いがあるようで、再生される音質も異なることが予想される。

 なおEcho Popは新色のラベンダー、ティールグリーンと、従来同様のチャコール、グレーシャーホワイトという4種類が準備されており、インテリアにこだわりのある若者も好みのカラーを選びやすいよう配慮している。

 さて今回、Echo Popの取材機(ティールグリーン)を借用できたので、1週間ほど使ってみた印象を紹介したい。セットアップはEchoシリーズ共通で、同梱されている電源アダプターを取り付け、Alexaアプリに登録するだけ。既にEchoシリーズをお使いの場合はネットワークなどの情報が自動で共有されるので、数分あれば設定が終了する。

画像: 本体前面が斜めにスラントしたデザイン。背面上部にはマイクのオン/オフとボリュウムボタンを搭載

本体前面が斜めにスラントしたデザイン。背面上部にはマイクのオン/オフとボリュウムボタンを搭載

 さっそくAmazon Musicから楽曲を再生してみる。前回Echo Dot(第5世代)の取材時に試聴した
Adoの「新時代」では、軽やかなヴォーカルが飛び出してきた。くったくのない元気な声で、気持ちよく音楽を楽しませようという方向性と感じる。特に高域のヌケの良さが印象的だ。

 続いてノラ・ジョーンズ「カム・アウェイ・ウィズ・ミー」やKISS「ラヴィン・ユー・ベイビー」などをかけてみたが、どの楽曲でもクリアーで輪郭が明瞭な音を元気よく聞かせてくれる、といった基本的な印象は変わらない。試しにクラシックから辻井伸行「ラ・カンパネラ」を聴いてみたが、こちらも明るい音調で、ピアノのタッチが明瞭に響いてきた。

 同じの楽曲をEcho Dot(第5世代)で再生すると、若干中低域に厚みが出て、音場がふくよかになる。ノラ・ジョーンズやKISSでは楽器の響き、残響感がわずかに増しているようにも思える。

 Echo Popが、情報を整理してきちんと聞かせようというコンパクトモニター的な音作りだとすると、Echo Dot(第5世代)は音の余韻感、ある種の雑味なども含めて素直に再生しようとしている、そんな違いがありそうだ。

画像: Echo Popの電源を入れて、Alexaアプリを起動、指示に従って設定すればOK

Echo Popの電源を入れて、Alexaアプリを起動、指示に従って設定すればOK

 スピーカーをEcho Popに戻して「注目の楽曲」からYOASOBIを再生すると、ikuraのヴォーカルが耳に心地いい。こういったZ世代に人気のある音楽を好んで聴く人なら、Echo Popはぴったりだろう。

 ここまではEcho Popを単体で聴いてきた。Echo Popは2台ペアリグしたステレオ再生やFire TVと組み合わせてテレビの音も再生できる(ARC経由)。今回はEcho Popは1台しか借用しなかったので、Fire TV 4K MAXと組み合わせて映像コンテンツの再生を確認した。

 有機ELテレビのレグザ「55X9400S」のARC対応HDMI端子にFire TV 4K MAXを取り付け、AlexaアプリでEcho Popとグルーピングする。Fire TV 4K MAXのメニュー指示に従って設定すれば、こちらも数分かからずに音が出るようになった。

画像: ホームシアターシステムの設定もAlexaアプリで可能。ソースに使うFire TVをテレビのARC対応端子につないでおけば、放送番組の音声もEcho Pop経由で楽しめる

ホームシアターシステムの設定もAlexaアプリで可能。ソースに使うFire TVをテレビのARC対応端子につないでおけば、放送番組の音声もEcho Pop経由で楽しめる

 Prime Videoからお馴染みの『ブルース・ブラザース』のアレサ・フランクリン歌唱シーンや、ドキュメンタリーの『2001年神話の創造』を再生すると、ヴォーカルの張り出し感もあるし、ナレーションも明瞭で大きな不満はない。テレビ放送の音もARC経由ですんなり再生されたし、ボリュウム調整もテレビのリモコンで可能だ(PrimeVideo再生時はFire TV 4K MAXのリモコンのボリュウムを使う)。

 とはいえ、やはりモノーラルでは音場が狭く、55インチ画面と組み合わせるには音が寂しい。またアクション映画を見るときにはもっと低音が欲しくなるだろう。Echo Popは2台ペアリングしてステレオ再生もできるので、テレビと組み合わせて使うなら、Echo Popの2台使いをお薦めする。

 これまでの僕の経験から、音楽ストリーミングを再生する場合もステレオ再生の方が音場も広くなってより楽しめること間違いなしなので、Echo Popを使ってみようとお考えの方は、ツーアレクサ(by ゆうちゃみ)でスタートしてみてはいかがだろう。(取材・文:泉 哲也)

「Echo Pop」の主なスペック

●使用ユニット:49.5mm前面放射型フルレンジ、ロスレスHD音源対応
●WiFi接続:デュアルバンド802.11a/b/g/n/ac(2.4/5GHz)
●スマートホーム製品の接続性:WiFi、Bluetooth Low Energy Mesh、Matter
●寸法/質量:W99×H83×D91mm/196g

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