来る5月1日、東京・調布市にある「イオンシネマ シアタス調布」にIMAXシアターがオープンする。そして本日、マスコミに向けた内覧会が行われた。
シアタス調布は、2017年にオープンしたシネコン施設だ。今回スクリーン10をIMAXシアターに改装し、劇場としては全11スクリーン、1562席＋車椅子スペース20席という規模になった。ちなみにIMAXシアター以外は、スクリーン3がグランシアター仕様、スクリーン6は4DXシアターとなっている。
最後列からみたIMAXシアター
まず、イオンシネマ シアタス調布の総支配人、小原洋介氏からIMAXシアターオープンについての挨拶＆紹介が行われた。
イオンシネマではこれまでに2016年のイオンシネマ大高を皮切りに、2022年にはイオンシネマ市川妙典とイオンシネマ四條畷にIMAXレーザーシステムを導入した。小原氏によるとこれらの劇場が幅広い映画ファンから高い評価を集めたそうだ。
実際にシアタス調布のお客さんからもIMAXシアターを作って欲しいというリクエストがあったとかで、“映画のまち” を宣言している調布市の映画館として、そういった声に応えたいという思いもあったのだろう。
座席には適度な傾斜がついており、前列の人の頭もほぼ気にならないだろう
なお5月1日には、イオンシネマ福岡（福岡県糟屋郡）とイオンシネマ各務原（岐阜県各務原市）にもIMAX レーザーシステムが導入され、合計6館が揃うことになる。さらに今年の夏までにはあと4館のオープンを予定しているそうだ。ちなみにシアタス調布のIMAXシアターは座席数432席（うちプレミアシートが26席）で、同社最大級の劇場だという。
オープン時にシアタス調布で予定しているIMAX上映作品は、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー（IMAX 3D上映）』などで、どちらもお客さんの期待値がひじょうに高い作品なので、オープン初日からたくさんの方が来場してくれるものと期待していると小原氏は語っていた。
さらに今後は、シアタス調布のIMAXシアターをより多くの方に体感してもらえる機会を増やすことで、今まで調布に来ていなかった映画ファンにも支持され、選ばれる映画館を目指していくと話してくれた。
プレミアシートは中央やや後ろのL/M列に設けられている。椅子はレザー製で、横幅は通常シートの1.3倍ほど
続いてIMAX社APACディストリビューションのウォルト・チョウ氏が登壇し、シアタス調布にIMAXシアターが加わることをたいへん喜んでいると語った。
読者諸氏もご存知の通りIMAXシアターは、劇場の設計、プロジェクション（映像投写）、音響システムのすべてをIMAX社が手掛ける没入型映画体験を提供するシステムだ。今回導入されたIMAXレーザープロジェクターは4K解像度を備え、優れたシャープネスと明るさ、コントラスト、そして広い色域再現を実現している。ウォルト氏はそれらを多くの映画ファンに体験してもらえることを期待していると話していた。
そしてここからIMAXシアターの体験動画が上映された。そこでのIMAXらしい巨大スクリーン（サイズは非公開）と12chサラウンドからなる没入体験は圧巻だった！
StereoSound ONLINE読者なら必ず見たことがある名作のワンシーンや、この夏公開予定の話題作の予告編など、ひじょうに鮮明で色彩豊かな映像として上映されているし、何しろスクリーンサイズが大きいのでこちらに迫ってくる迫力も半端じゃない。
サイドとサラウンドスピーカーに加え、天井にもトップスピーカーを備える
ちなみに今回はJ列（前から9列目）の中央寄りに座ってみたが、座席の傾斜もきちんと設けられているので、前に人が座っても気にならないし、視線が画面の中央に来るのでとても見やすいと感じた。なおプレミアシートも26席準備されており、こちらはL/M列に位置している。
12chサウンドは迫力十分で、セリフもとても聞き取りやすい。音圧も結構なレベルで再生されているようで、アクションシーンの低音など地響きのような振動を持って伝わってくる。分析的というよりも力強さで押してくる、これぞ映画館の醍醐味とでも言いたくなるサウンドが楽しめた。
デモ映像の上映後にウォルト氏にインタビューしてみた。スピーカーシステムについては、スクリーン裏にフロントL/C/Rとセンタートップ、左右の側面にワイドスピーカー、後方にサラウンドスピーカーを各2基、さらに天井にトップスピーカーを4基配置しているそうだ。この他にスクリーン裏にはサブウーファーもセットされているとかで、このシステムで独自のイマーシブサウンドを再現していることになる。
IMAX社APACディストリビューションのウォルト・チョウ氏（左）と、イオンシネマ シアタス調布の総支配人、小原洋介氏（右）
その他にもウォルト氏にいくつか質問をしてみた。まず日本でのIMAXシアターの反響についてたずねたところ、「おかげさまで日本ではIMAXシアターが好評で、劇場数も増えています。それだけではなく、日本のコンテンツをIMAXで上映することにも注力しています。日本のマーケットには大きなポテンシャルを感じているのと同時に、ファンの方々からも応援の声をいただいているので、今後も期待していきたいと思っています」と、かなり好意的な印象を持っているようだ。
また、「最近はIMAX認証カメラを使った撮影が増えており、それらは “FILM for IMAX” と呼んでいます。近日公開の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー：VOLUME 3』もIMAX認証カメラで撮影されています」と、IMAX作品の制作環境が整ってきていることを教えてくれた。
IMAXプロジェクターのイメージ
シアタス調布については、4K IMAXプロジェクターはCora（コーラ）と呼ばれるモデルが使われているそうで、これは1台タイプのプロジェクターとしては最新世代になるそうだ。
最後にウォルト氏がIMAXシアターで見てもらいたいお薦め作品を聞いてみたところ、「アメリカで11月に公開される『DUNE2』です。一作目もとても美しい作品でしたが、パート2もIMAXの画角を活かした素晴らしい映像を楽しんでいただけると思います」との返事だった。
確かに『DUNE/デューン 砂の惑星』は縦長画角を活かした映像が印象的な作品だった。その続編を楽しむのに、シアタス調布のIMAXシアターはベストな選択になるだろう。（取材・文：泉哲也）
イオンシネマ シアタス調布
●住所：東京都調布市小島町2-61-1 トリエ京王調布C館
●IMAXシアター料金：IMAX 2D＝通常料金＋600円、IMAX 3D＝通常料金＋1,100円（3Dメガネを持参すれば＋900円）
