前回はAmazon(アマゾン)の新製品「Echo Dot(第5世代)」と「Echo Dot with clock(第5世代)」について、スマートスピーカーとしてのクォリティを確認した。

 どちらも単体でも音楽再生用として安定感のあるサウンドを聞かせてくれるが、やはりモノーラル再生ではヴォーカルの定位感もないし、音声の広がりが物足りない。

スマートスピーカー:Amazon
Echo Dot with clock (第5世代)
 ¥8,480(税込、グレイシャーホワイト/クラウドブルー、写真右)
Echo Dot(第5世代)
 ¥7,480(税込、チャコール/グレイシャーホワイト/ディープシーブルー、写真左)

画像1: アマゾン「Echo Dot with clock」「Echo Dot」の第5世代機は、音質にとどまらない進化を遂げていた。新しい可能性を秘めたデバイスの使いこなしに挑む(2)

●使用ユニット:44mmフルレンジ
●対応ネットワーク:802.11a/b/g/n/ac (2.4/5GHz)
●寸法/質量:W100×H89×D100mm/304g

 そこでEcho Dot with clock & Echo Dotを組み合わせたステレオ再生で音楽を鳴らしてみた。ペアリングは、両機を同じネットワークにつなぎ、Alexaアプリのメニューから「ステレオペア/サブウーファー」を選んでどのスピーカーをペアにするかを指定するだけ(L/Rもここで指定する)。

 システムとしては44mmフルレンジ・アクティブスピーカーを2台使ったステレオ再生ということになり、音場も1台使いと比べると格段に広くなる。今回はテレビラックの上、55インチテレビの両脇に約1.3mの間隔でEcho Dot with clockとEcho Dotを置いているが、この設置でAmazon Musicを再生すると、ヴォーカルがちゃんとセンターに定位して、歌手の実在感もある。

 テレビラックの高さが40cmほどなので、ソファに座った状態ではスピーカーの位置がやや低くなるが、Echo Dot with clockとEcho Dotのユニットは上向きに取り付けられていることもあり、ヴォーカルが下から聞こえてくるような印象はなかった。

画像: ステレオ再生時は、有機ELテレビ「55X9400S」の両脇に「Echo Dot with clock」と「Echo Dot」を設置した

ステレオ再生時は、有機ELテレビ「55X9400S」の両脇に「Echo Dot with clock」と「Echo Dot」を設置した

 前回同様Ado「新時代」を再生すると、ステレオ再生らしい定位感と広がりがあり、テンポのいいサウンドが楽しめる。楽器の力強さも向上し、低域もそれなりに厚くなってきた。これだけの違いがあるのであれば、Echo Dot with clockとEcho Dotは2台セットで使うことをお薦めする。

 さて、上でEcho Dot with clock & Echo Dotを55インチテレビの両脇に置いたと書いたが、実はこれも狙いがあってのこと。この状態で、Amazon Fire TV Stick 4Kを追加すると、テレビ放送の音もステレオ再生で楽しめるようになるからだ。

 というのも、AlexaアプリからEcho Dot with clock & Echo Dotをグルーピングして、Fire TVのメニューでそのグループを出力先として設定すれば、テレビの音声がFire TV Stick 4Kから無線伝送されるのだ(Fire TV Stick 4Kはテレビ側のARC対応HDMI端子に取り付ける)。

画像: Fire TV Stick 4Kは55X9400SのARC対応HDMI端子に接続した

Fire TV Stick 4Kは55X9400SのARC対応HDMI端子に接続した

 Echo Dot with clock & Echo Dotがサウンドバー的な役割を果たしているわけで、しかもステレオスピーカーとして画面の両脇から音が鳴っているから音場はそれなりに広い。前述したヴォーカルと同様にセリフが程よく持ち上がっているので(映像の誘導効果と合わせて)、声が画面の下から聞こえるという違和感も少ない。

 実際の放送番組を見ても、ニュースやバラエティならまったく不満なく楽しめるし、アナウンサーの声などは内蔵スピーカーより聞き取りやすい印象だ。映画や音楽のブルーレイでは、さすがに低音の迫力充分とはいかないが、55インチの画面サイズに相応しい音場感を楽しむことができる。

 もちろんFire TV Stick 4Kでプラムビデオなどの動画配信を再生しても同じ環境で再生できる。放送と配信シームレスに楽しむという意味で、使い勝手もとても快適だ。

 ただしFire TV Stick 4KはHDMI CECに対応していないようで、ボリュウム調整はFire TV Stick 4Kのリモコンか、Alexaによる音声コントロールで行う必要がある。つまりテレビのリモコンでは音量調整ができないわけで、ここは残念。ぜひアップデートによる対応を期待したい。

画像2: アマゾン「Echo Dot with clock」「Echo Dot」の第5世代機は、音質にとどまらない進化を遂げていた。新しい可能性を秘めたデバイスの使いこなしに挑む(2)
画像: Fire TV Stick 4Kの設定画面から、音声出力先の設定を行う

Fire TV Stick 4Kの設定画面から、音声出力先の設定を行う

 ここまでスマートスピーカー機能を中心としたEcho Dot with clock & Echo Dotの使いこなしを試してみた。第5世代機になって基本的な音楽再現能力が向上したこともあり、(特にステレオモードで使えば)リビングでの音楽再生、テレビや動画配信を充分楽しめるクォリティを実現している。

 加えて注目したいのが、Echo Dot with clock & Echo Dotは温度センサー、モーション検知機能を搭載していることだ。例えば温度センサーで室温が28度を超えたらエアコンをオンにするといった設定をしておけば、夏場にペットを残して外出する際にも安心できる。

 またモーションセンサーを使えば、外出から帰ってきてリビングに入ったら自動で照明が付いて、さらに音楽が流れ出す……といった一連の動作も設定しておける。

 最近は様々な機器にセンサーが内蔵され、我々の動きに応じて快適な環境を演出してくれるが、Echo Dot with clock & Echo Dotはそれを能動的に使いこなす際にも有用だ。そこに置いてあるのが当たり前で普段は気にもしていないが、裏では様々な役割を果たしてくれる、Echoシリーズはスマートライフを支えるキーアイテムとして活躍の場を広げていくだろう。(取材・文:泉 哲也)

画像: Alexaアプリの設定画面。温度センサーや超音波モーションセンサーの詳細な設定を行うことで、自分の使用環境に合ったコマンド操作ができるようになる

Alexaアプリの設定画面。温度センサーや超音波モーションセンサーの詳細な設定を行うことで、自分の使用環境に合ったコマンド操作ができるようになる

https://www.amazon.co.jp/dp/B09B9B49GT/ref=ods_dp_ps_aucc_che

This article is a sponsored article by
''.