英Nothingから、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「Nothing Ear(2)」が、3月30日に発売される。価格は¥22,800(税込)。

画像1: Nothingの完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear(2)」はハイレゾ認証で、微細なサウンドが楽しめる逸品

 Nothing Ear(2)は、同ブランドのデザインアイコンでもある透明ボディを引き継いだ魅力的な製品で、第一弾製品となる「Nothing Ear(1)」の後継として、種々の新機能・新機構を搭載して、性能アップを図った、ブランドの第4弾モデルとなるものだ。

画像: 左からStick、Ear(1)、Ear(2)。みんなスケルトン仕様

左からStick、Ear(1)、Ear(2)。みんなスケルトン仕様

 前モデルEar(1)は、2021年に登場以降、世界で60万台以上の好調なセールスを記録しているそうで、その後発売されたスマートフォン「Nothing Phone(1)」も好評で、こちらも65万台以上の販売を記録しているという。また、中でも日本市場では堅調なセールスを記録しているそうで、メーカーでは今後、日本市場でのプレゼンスを拡大していきたい、としている。

 さて、今回は発表のEar(2)は、見た目は前モデルEar(1)と似ているが、中身はまったくの別物と言えるほどの進化を果たしている。同社の開発体制も、上記モデルの好調によって大幅に増員されたそうで、初期の30名から170名あまりに拡大。特に、メカ系やアーキテクチャー系のエンジニアが増えているそうで、その結果が今回の製品に大いに反映されている。

画像2: Nothingの完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear(2)」はハイレゾ認証で、微細なサウンドが楽しめる逸品
画像: 右がEar(2)。測定用の孔が追加されている。タッチセンサー部の形状も変更されているのが分かる

右がEar(2)。測定用の孔が追加されている。タッチセンサー部の形状も変更されているのが分かる

 主なトピックを列挙すると下記のようになる。
ハイレゾオーディオ認証
LHDCコーデックのサポート
パーソナルサウンドプロファイル対応
11.6m径カスタムドライバーの搭載
デュアルチャンバー設計
アクティブノイズキャンセル機能
パーソナルアクティブノイズキャンセレーション
 などなどとなる。

 Bluetoothコーデックは、上述のようにLHDC5.0をサポートしており、日本市場においてはなかなかに対応スマホは少ないが(OPPO、Xiaomiあたりか)、開発担当者は、「192kHzをサポ―トしているコーデックであることから、今回、音質にこだわった製品を開発・発売するにあたって採用した」とコメントしていた。残念ながら現時点では、日本での採用の多いLDACへの対応は未定ということだ。

 ドライバーについては、より強力なマグネット(N45⇒N52)の搭載、11.6mm径の振動板には2つの素材(ポリウレタンとグラフェン)を組み合わせて、豊かな低域と、明瞭な高域の再現性を実現。さらに、ドライバーを格納するチャンバーはデュアル構造とすることで、エアフローを最適化。というように、音質向上のための方策が種々採用されている。

画像: 構造図

構造図

画像: マグネットやエアフロ―の改良で再現性が向上しています、の説明

マグネットやエアフロ―の改良で再現性が向上しています、の説明

 そして面白いのが、パーソナライゼーション機能への対応も図られているところ。これまでもスカルキャンディやnuraphone、audiodoなどなど、聴こえ方の測定にはいろいろな種類、方式があるが、Ear(2)ではMimiの技術を用いてこれを実現。専用アプリ「Nothing X」アプリを介して測定を行なうことで、ユーザーの聴こえ方にフィットさせたサウンドにイコライジング(最適化)してくれる。

専用アプリ「Nothing X」

 その他、バッテリーの駆動時間も延長されており、イヤホン単体で6.3時間(ANCオフ)、ケース併用で最長36時間(ANCオフ、オンで22.5時間となる。急速充電にも対応する。

 さて、発売に先駆けて本Ear(2)のサウンドをチェックすることができたので、簡潔に紹介したい。まずは、パーソナラウイズする前の音調について。そのサウンドは、ハイレゾ認証という売り文句の通り、AACコーデックでの再生においても、高域まですっと伸びた綺麗な音を再現してくれるし、音の粒立ちも細かく繊細なもの。音場感も結構広めで、定位としては目、あるいはおでこの当たりとなり好印象。全体的に、繊細な音に包まれる印象で、Ear(1)は聞いたことがないので何とも言えないが、前作「Ear(Stick)」と比べると、さすがはハイレゾ認証と言えるサウンドで、高域や細部の再現性が向上しているのが分かった。

 さて、次に専用アプリを使って聴力測定を実施してみる。鈴虫の囀りのような音(バックノイズ?)の中に、ビープ音が再生され、それが聴こえたかどうかで判定するものとなる。片耳ずつの測定で、5分ほどで終了する。補正(最適化)されたグラフを見ると、高域にいくにつれて補正量も多くなっているのだが、まあ記者の場合、発信されたビープ音はすべて聴こえているので、聴こえの補正というよりかは、コーデックによる高域減衰を補っているようにも感じた。

パーソナライズの結果。高域にいくほど補正量も多くなり、AACコーデックながら厚みのあるサウンドが楽しめるようになる

 最適化されたサウンドについては、特にボーカルの再現性がよくなっているのが分かり、メロディの中から浮き立ってくるような再現性となっているため、音量を絞っていてもはっきりとボーカルを聴き取れるのは美点。一方で、DSPで補正をかけていることもあり、音の粒立ちが粗く、響きが抑制されてしまうのは残念なところ。響きの豊かさを取るか、ボーカルの聴きやすさを取るかで、選ぶといいだろう。LHDCコーデックも試してみたが、スマホ(Xiaomi 11T Pro)再生なこともあり、ハイレゾらしさはあまり感じられなかった。

 ノイズキャンセルはかなり効果が高く、周囲の騒音を的確に抑制してくれる。こちらもパーソナライズ機能があり、オン(測定)にすると主に中域の騒音をより抑制してくれるようになる。機能の切り替えはアプリか、イヤホンのタッチセンサーで行なう(長押しする)が、まずタッチセンサーの操作性のよさは特筆しておきたい。ちなみに、イヤホン側で操作すると、ノイズキャンセルと外音取り込みモードのトグルとなり、ノイキャンオフへの切り替えはできないのは残念。なお、外音取り込みモードに切り替えた際、女性の声(だと思う)で「はあぁ」と耳に吐息を吹きかけられるようなジングルが鳴る(聞こえる)のは、開発陣の遊び心なのだろうか(笑)。総じて、イヤホンとしては3機種目となる若いブランドながら、音作りの勘所をきっちりと押さえた製品にまとめられている、と感じた。

ノイズキャンセル機能も搭載。効果の強度も変えられるが、常に強で問題はナシ。オフはアプリからしか選択できない

Nothing Ear(2)の主な仕様
通信方式:Bluetooth5.3
対応コーデック:SBC、AAC、LHDC
ドライバー:11.6mm径ダイナミック型
バッテリー持続時間:<ANCオフ>イヤホン単体6.3時間、ケース併用36時間、<ANCオン>イヤホン単体4時間、ケース併用22.5時間
充電端子:USB-C
付属品:イヤーチップ(SML)、充電ケース、充電用USB-Cケーブル、ユーザーガイド

https://jp.nothing.tech/products/ear-2

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