既報の通り、アンカー・ジャパンはプレスイベント「AnkerPower Conference 2022 Fall」を開催、Ankerグループの日本における取り組みや、各ブランドからの新製品群の発表を行なった。
今回はその中でホームシアター向けの製品となるNEBULAの「Nebula Capsule 3 Laser」(¥119,900、税込)について紹介したい。Capsule 3 Laserは、その名の通りレーザー光源を搭載し、フルHD解像度の映像が投写できる、モバイルプロジェクターだ。本体サイズは直径83mm×高さ167mmの円柱形で、重さは約950g。
型番にもあるが、Ankerのモバイル/スマートプロジェクターは今回で3代目となる。モバイルプロジェクターはコンパクトで大画面が投写できる点が人気を集め、最近は多くのメーカーから製品が発売されているが、同社の製品はスマートプロジェクターとして2020年から3年連続で売り上げ1位を達成しているそうだ(全国家電量販店の販売実績やGfK社のデータを元にした自社調べ)。
Capsule 3 Laserの第一の特長は、レーザー光源の採用により前モデルの2倍の明るさを獲得した点だろう。画面サイズも40〜120インチに対応できると同社では説明している。
投写方式はDLPで、2K(水平1920×垂直1080画素)のDMDチップを搭載した。光源は青色レーザーから作りだした白色光で、カラーホイールとの組み合わせでカラー映像を再現する。前モデルのCapsule 2は3原色LED光源による時分割投写だったので、このあたりが画質の違いにつながっているのだろう。
そうして再現される映像は従来より広色域で、HDR10にも対応したことで高コントラスト再現も可能になっている。ちなみに今回、Capsule 2からレンズがf値の低いタイプに変更になっている。こちらの方がシャープネスやコントラスト再現に優れているそうで、明るさが落ちる点についてはレーザー光源の輝度が上ったことでカバーしているとのことだ。
そのピーク輝度は400ANSIルーメン、平均輝度で300ANSIルーメンを獲得。前モデルのCapsule 2はピークが300ANSIルーメン、平均で200ANSIルーメンだったので、基礎体力が確実に向上しているのがわかる。
Android TV 11.0を内蔵しており、YouTubeやAamzon Prime Video、Netflixなどの動画配信サービスが本体だけで再生できる。さらに7000を超えるアプリも使えるそうだ。
加えて背面下部にフルサイズのHDMI端子を備えており、BDレコーダー等をつないでテレビ番組を楽しんでもいい。HDMI端子はARCに準拠しているので、対応サウンドバーをつなげば配信動画の音をサウンドバーから再生できる。
サウンドフォーマットは新たにドルビーデジタルプラスにも対応するなど、圧縮音源ながら、音質向上にも配慮されている。
小型プロジェクターの場合、設置の簡単さも重要だ。Capsule 3 Laserでは垂直、水平の自動台形補正を搭載した。スクリーン中央から上下・左右30〜40度の範囲が目安だが、内蔵センサーで位置を計測し、歪みの少ない映像を再現してくれる。ただしこの機能では映像回路側で逆補正をかけているので、画質は落ちる。いい絵で楽しみたい場合は、スクリーン正面に本体を設置すべきだろう。
なおCapsule 3 Laserはバッテリーも内蔵し、屋外に持ち出して大画面を手軽に楽しめる。レーザー光源になったことで消費電力は45Wに増えているが、今回はバッテリーの容量をCapsule 2の約1.5倍に増やしており、前モデルと同等の約2.5時間の連続再生が可能になっている。
ちなみに映像モードは「標準」「ムービー」「ゲーム」「映像カスタム」が準備され、リモコンで切り替え可能。他にもフォーカス調整や台形補正などもメニュー画面から行える。
Anker Power Conference 2022Fallの会場でCapsule3 Laserの映像をチェックした。Capsule 2の映像と横並びで50インチ弱の映像が投写されていたが、Capsule 3 Laserでは黒浮きが抑えられ、かつピークも感じられて、高コントラストな映像になっている。これくらいのサイズであれば2K解像度でも不満は感じないだろう。
またDLPのカラーホイール方式ということで色割れノイズが心配だったが、回転速度が上がっているのか、輪郭部分でも色の尾引は気にならなかった。手軽に楽しめる大画面再生機として、満足いくレベルに仕上がっていると感じた次第だ。