Premium Audio Company, LLC(PAC)は本日、ONKYO、INTEGRA及びPIONEER、Klipsch(クリプシュ)、Jamo(ヤモ)、ブランドの日本国内での販売に関する発表会を開催した。
先日ニュースリリースされた、PACとティアックとの間で日本における販売代理店契約が締結されたことを受けたもので、会場では同社の今後の事業戦略と、日本で発売される新製品について紹介が行われた。
まず冒頭で、Premium Audio Company,LLC APACシニアバイスプレジデントVince Bonacorst氏のビデオレターが上映された。Vince氏は、PACは世界のお客様に音楽や映画のプレミアムな体験を届けることを目的としていると説明、そこでは日本も重要な市場だと述べた。さらに今回のティアックの協業はベストな選択で、この協業によってビジネスの安定化を進めたいと語っていた。
続いてPAC日本担当ダイレクターの上山洋史氏が登壇し、今回発売される新製品について説明してくれた。
今日に至るまでの経緯としては、2021年9月にPACの親会社であるVOXXとシャープ株式会社の合弁会社としてオンキヨーテクノロジー株式会社(OTKK)を設立、OTKKがオンキヨー、インテグラのブランド、事業、知的財産を取得した。さらにパイオニア株式会社とライセンス契約も締結しており、これらのブランドの販売が可能になっているという。
OTKKには約80名のエンジニアが移籍しており、大阪でオンキヨー、インテグラ、パイオニアブランドのAV機器の開発設計、生産管理をになっているそうだ。そこではオンキヨー、パイオニアのDNAが息づいており、日本のものづくりが伝承されているのは、日本のオーディオビジュアルファンとしても嬉しい限りだ。
ちなみに今回発売されるのは以下のAVセンター5モデルで、9月の発売を予定している。これらホームシアター機器のメインの市場はアメリカということもあり、製品についての企画はアメリカ市場を見ながら行い、仕様規格はOTKKが、さらに生産はマレーシアにあるシャープ工場で行うそうだ(上記3ブランドのAVセンターの場合)。なおこれらの製品については、本日からティアックのウェブサイト( https://store.teac.co.jp )で予約受付をスタートしている。
今回発売されるAVセンター新製品
●オンキヨー
TX-RZ50(ティアックストア価格¥242,000、税込)
TX-NR6100(ティアックストア価格¥168,300、税込)
TX-NR5100(オープン価格、年末発売予定)
●インテグラ
DRX-3.4(ティアックストア価格¥253,000、税込)
●パイオニア
VSX-LX305(ティアックストア価格¥181,500、税込)
各製品は基本的にブランドの独自技術(MCACCなど)を継承しており、デザインもこれまでのイメージを採用する。新しい要素としてはルームイコライザーソフトの「Dirac Live」も搭載、室内環境の最適化も可能にしている。
なおその他のブランドとして、クリプシュ、Jamoもラインナップされており、クリプシュについて以下のような製品が発売される。クリプシュには埋込みスピーカーも揃っているので、将来的にはインシーリングホームシアターも推奨していく考えのようだ。
●クリプシュ
RP-8000F II Ebony(ティアックストア価格¥286,000、ペア、税込)
RP-6000F II Ebony(ティアックストア価格¥215,600、ペア、税込)
RP-800F II Ebony(ティアックストア価格¥171,600、ペア、税込)
RP-600M II Ebony(ティアックストア価格¥118,800、ペア、税込)
RP-500M II Ebony(ティアックストア価格¥96,800、ペア、税込)
RP-504C II Ebony(ティアックストア価格¥110,000、1本、税込)
RP-500CII Ebony(ティアックストア価格¥88,000、1本、税込)
RP-404C II Ebony(ティアックストア価格¥85,800、1本、税込)
RP-502S II Ebony(ティアックストア価格¥154,000、ペア、税込)
RP-500SA II Ebony(ティアックストア価格¥107,800、ペア、税込)
R-600F(ティアックストア価格¥132,000、ペア、税込)
R-50M(ティアックストア価格¥52,800、ペア、税込)
R-40M(ティアックストア価格¥44,000、ペア、税込)
R-30C(ティアックストア価格¥60,500、1本、税込)
R-50C(ティアックストア価格¥49,500、1本、税込)
R-40SA(ティアックストア価格¥74,800、ペア、税込)
※この他に受注生産モデルもあり
次にティアック国内営業部長の山本浩史氏から、日本国内に向けてのマーケティング戦略が紹介された。
今回同社はPACと代理店契約を取り決め、国内販売をスタートしたわけだが、北米では一昨年からPACがティアック製品を販売していたという。今後は相互支援の形で手を携えていくことになるわけだ。
ティアックは総合音響メーカーとして製品やサービスを提供している。さらに今回オンキヨーやパイオニアの製品を扱うことでホームシアター市場にも進出するわけで、2chからマルチまで、幅広い事業領域の拡大も視野に入れているのだろう。
最後に、特別ゲストとして南野陽子さんが登場、OTKKマネージングディレクター 宮城謙二氏とトークセッションを展開してくれた。南野さんは1980年代にオンキヨー製品のCMに多く登場、当時の中高生に大きな印象を残している。
会場では当時南野さんが出演したRADIAN SD7のCMが上映され、それを観た南野さんは、「10代の私がいましたね。久しぶりにCMを見ましたが、懐かしいです。この時は色々な媒体が合同で海外ツアーを組んで撮影していたと思います。会社によって雰囲気を変えたんですが、オンキヨーさんのCMはファンが喜んでくれたと思います」と話してくれた。
また宮城さんによると、当時はミニコンポがよく売れた時代で、特に南野さんには助けられたそうだ。というのも、高校合格のお祝いにミニコンポを買ってもらう人が多く、その際に“南野さんのオンキヨー”といった指名買いがひじょうに多かったというのだ。「本当に営業いらずで、南野さんのカタログとテレホンカードがあれば大丈夫でした。お世話になりました」と宮城さんは当時を懐かしそうに語っていた。
ちなみに南野さんは先日アナログシングル『空を見上げて/大切な人』を発売している。これについて問われると、「またレコードも楽しんでみたいですね。以前使っていたステレオを“ぽい”してしまったので、オンキヨーさんで新しく揃えないと(笑)」と語り、会場の笑いを誘っていた