クリエイティブメディアから、aptX Adaptiveコーデックを採用したBluetoothオーディオ トランスミッター「Creative BT-W4」が、本日5月26日に発売される。価格はオープンで、同社直販サイト価格は¥6,800(税込)。同社直販サイトで購入すると、登場記念セールということで、送料が無料になる(終了期間未定)。
Creative BT-W4(以下、BT-W4)は、USBドングルタイプのBluetoothオーディオトランスミッターで、今回、新たなBluetoothコーデックaptX Adaptiveをサポートしたのが特徴となる。同コーデックは可変ビットレートを採用しており、ワイヤレス接続の状態やデータ量に応じてオーディオデータの伝送レートを自動的に変化させることで、音質に加え、接続の安定性も高められている。
aptX Adaptive対応のワイヤレスイヤホン/ヘッドホンと組み合わせれば、最高で48kHz/24bitのオーディオ伝送が楽しめるようになるし、一般的なSBCやaptXもサポートしているので、さまざまなワイヤレス機器との接続にも対応する。
本体後端にあるボタンを押すことで、ペアリング済で接続待機状態のBluetooth機器を順次切り替えて接続・利用する、といった使い方も可能。複数のBluetoothヘッドセットやBluetoothスピーカーを、利用状況に合わせて切り替えることもできる。
接続端子は、現行「Creative BT-W3」と同様に、USB Type-Cを備えており、USB-Cポート搭載の「PS5」や「Nintendo Switch」、PC/Macとの接続が可能。USB Type-Aポートとの接続を行なえるUSB C to A変換アダプターも同梱しているので、一般的なPCや「PS4」とのUSB接続も行なえる。ドライバー不要のプラグ&プレイで動作するので、様々なUSBオーディオ対応機器と組み合わせて、ワイヤレスでのオーディオ再生を手軽に楽しむことができる。
また、BluetoothプロファイルのA2DP(オーディオ再生用)、ワイヤレス通話用のHFPにも対応しており、音声通話に対応したBluetoothヘッドセットなどに搭載のマイクでの音声通話も可能。この場合、モノラル音声とマイクを同時に利用することができ、PC/Mac上でのビデオ会議やボイスチャットソフトウェアで、手持ちのワイヤレスヘッドセットなどによる通話が行なえ、テレワークやリモート学習にも役立つ機能性を持っている。
なお、家庭用ゲーム機にBT-W4を接続してボイスチャットを行なう場合、Bluetoothヘッドセットのマイクを利用するとHFPプロファイルによってゲームオーディオもモノラルで再生されてしまうが、本機に同梱のアナログマイクをゲーム機のマイク入力端子に接続すれば、A2DPによるステレオサウンドのままで、ゲーム音を再生することができるという。
また、本BT-W4は、新たにPC用ソフトウェア「Creativeアプリ」に対応。Sound Blasterオーディオ エンハンスメントのAcoustic Engineでオーディオをカスタマイズしたり、イコライザーでの音質調整も可能になった。ほか、BluetoothペアリングやBluetooth接続切り替えの操作をPC上から行なえたり、ゲーム機などで同梱のアナログマイクを利用する場合に、HFP機能を無効化することもできるそうだ。
今回、発売に先駆けて本BT-W4をチェックする機会を得たので、そのインプレションを簡単に紹介したい。
形状は現行BT-W3と同じで、USB-C端子や、後部にあるボタンも同様。見た目の違いは、ランプが光る面(正面?)に、大きく「X」という文字が印字されたこと。聞くところによれば、「aptX」の「X」だという。USB C to Aの変換アダプター、アナログマイクの同梱は、前モデル同様。使い方もBT-W3と同じだ。
今回は、会社で使っているノートパソコンと、finalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000」と組み合わせてみた。パソコンとの接続にはUSB A変換アダプターを使用している。
イヤホンとのペアリングは前モデルBT-W3同様に簡単で、本体後ろのボタンを5秒ほど長押しするだけ。すぐにZE3000とのペアリングは行なえた。BT-W3ではボタンを押すとコーデックを切り替えられたが、BT-W4では組み合わせる機器のサポートコーデックに合わせて固定されるため、今回のテストではaptX Adaptiveに固定されている(ランプが紫に光る)。
まずはradikoを聴いてみたが、BT-W3よりも厚みのある、結構しっかりとした音が楽しめた。伝送レートやサンプリング周波数がどうなっているのかの判別は難しいが、本機がサポートするaptX Adaptiveの48kHz/24bitというスペックの恩恵は充分に感じられるもの。粒立ちが細かい音が聴こえてくる。レンジは狭いものの、音場感は広めで、縮こまった印象はしない。音の定位もよく、響き感も良好。
ここでBT-W3に変えてみると、aptXでの接続となり、両者の差はつまりコーデックの違い、という話になるのだが、それは予想以上に大きく、音の粒立ちは荒くなり、レンジ感や音場感が如実に狭くなるのが分かる。
音楽コンテンツによる比較試聴では、ボーカルのニュアンスはもちろんBT-W4の方が豊かであり、音場感や響きといった点に優位性がある。ただし、低域は少し強調気味。BT-W3のほうがすっきりとしている。
映像配信にて動画コンテンツの視聴もしてみたが、aptX Adaptiveを使えるBT-W4の方がリップシンクの精度は高い。音質の傾向は音楽コンテンツと同じで、BT-W4の方が、繊細な音が楽しめた。
SBCコーデックの音も確認すべく、クリエイティブメディアの「Creative Outlier Pro」とも組み合わせてみたが、Creative Outlier Proの音質云々というより、SBCによる音調の方が優勢らしく、音楽コンテンツの再生では、細かい楽器の音はほぼ消えてしまい、大げさに言えば、低音域の楽器(ドラム)の音とボーカルだけになってしまう印象。レンジ感も音場感も大きく制限されてしまう。
ちなみに、お遊びで、aptX Adaptiveをサポートしていないスマホ(Pixel6)にBT-W4を挿してみたところ、なんときちんと動作し、ZE3000とaptX Adaptiveでの接続が行なえた。
最近ではaptX Adaptiveをサポートする完全ワイヤレスイヤホンも増えてきており、本BT-W4を組み合わせれば、最大で48kHZ/24bitのサウンドが楽しめるのは魅力的。これから、Bluetoothオーディオトランスミッターを購入を検討しているユーザーには、いい選択肢となるだろう。
BT-W4の主な仕様
Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.2
対応プロファイル:A2DP(ワイヤレスステレオBluetooth)、AVRCP(Bluetoothリモートコントロール)、HFP(ハンズフリープロファイル)
対応コーデック:aptX Adaptive、aptX、SBC
通信距離:約50m(見通し距離)
付属品:専用USB C to A変換アダプター、3.5mm 4極アナログマイク、クイックスタートガイド/ハードウェア保証書
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