ポータブル機器の一大展示会「ヘッドフォン祭」が、およそ2年半ぶりにリアルイベント「春のヘッドフォン祭2022mini」として4月29日に、毎回恒例の中野サンプラザを会場に開催された。ここでは13Fの展示の模様を紹介したい。

アユート

 アユートブースでは、発表されたばかりのAstell&Kern初の完全ワイヤレスイヤホン「AK UW100」が人気を集めていた。担当者も「評判がいいです」と笑顔で答えてくれた。また、同ブランドUSB DACアンプ「PEEK51」の後継機も参考展示。USB Type-C端子はそのままに、4.4mmバランス出力(プラグ)を搭載する。仕様や発売時期などの詳細は未公開。

画像: 「AK UW100」

「AK UW100」

ソニー

 ソニーブースは、社内の事業再編にともなって、これまで出展していたカスタムイヤホンJust earが、プロオーディオ部門と統合されたことで、プロ用モデルを多数展示。ソニーとしては、コンシューマー(家庭用)への認知度をアップしたい、ということだ。

画像: 女性が手にしているのはモニターヘッドホン「MDR-M1ST」

女性が手にしているのはモニターヘッドホン「MDR-M1ST」

ラディウス

 ラディウスでは、前日に発表されたばかりのLDAC対応の完全ワイヤレスイヤホン「HP-R300BT」が人気を集めていた。装着の方法は独特ながら、半スティックタイプっぽい形状はバランスがよく、耳孔にうまく収まってくれた。LDACなのにペアリングも素早く、無線電波が飛びかっていた会場内においても、途切れることなく安定した接続ができていた。サウンドは、低音やボーカルの再現力は強く、繊細なもの。音場感は少しセンター寄りとなっていた。

画像: 完全ワイヤレスイヤホン「HP-R300BT」

完全ワイヤレスイヤホン「HP-R300BT」

テクニクス

 テクニクスでは、昨年発売して人気の完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ60」と「EAH-AZ40」の試聴モデルを多数揃えており、来場者はそのテクニクスサウンドにじっくりと聴き入っているようだった。ほかに、有線モデルの「EAH-TZ700」の展示(試聴可)もあり、ユーザーは自身のDAPなどを組み合わせていた。

画像: 全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ60」(左)と「EAH-AZ40」

全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ60」(左)と「EAH-AZ40」

トライオード

 トライオードでは、クロスゾーンの頭外定位ヘッドホンシリーズを一覧展示。一番人気は、最新モデルでもある「CZ-8A」だそうで、昨年の発売ながら、試聴できるイベントへの展示は都内では初ということで、実際にその効果を体験した来場者の評判も上々だったそう。販売も好調という。

画像: クロスゾーン「CZ-8A」

クロスゾーン「CZ-8A」

リアルアシスト

 リアルアシストでは、aune audio、KINERA、TACableなどなど取扱ブランドの製品を多数展示。中でもSee Audioのイヤホンには力が入っていて、フラッグシップモデルが2製品、参考出品されていた。一つは平面振動板(EST)×4、BA×4の合計8ドライバー搭載の「Kaguya」(予価\160,000~170,000前後)、もう一つはBA×10基搭載の「Neo」(予価¥140,000前後)。来場者に実際に聴き比べをしてもらって、製品開発に役立てたい、としていた。

画像: 参考出品された「Neo」

参考出品された「Neo」

画像: 参考出品された「Kaguya」

参考出品された「Kaguya」

画像: Tin HIFiからは完全ワイヤレスイヤホン「P1 max」(予価¥25,000前後)が参考展示。得意の平面ドライバーを搭載する

Tin HIFiからは完全ワイヤレスイヤホン「P1 max」(予価¥25,000前後)が参考展示。得意の平面ドライバーを搭載する

STAX

 STAXブースでは、イヤースピーカー(ヘッドホン)のフラッグシップ「SR-X9000」とハイエンドモデル「SR-009S」の聴き比べができるという豪勢な試聴展示を実施。組み合わせるドライバーユニットは、X9000にはフラッグシップ「SRM-T8000」を。009Sには半導体仕様のハイクラスモデル「RM-700S」。なお、X9000は人気で、現在4~6か月待ちの状態という。

画像: STAX

KORG

 コルグブースでは、小型真空管「Nutube」を搭載した評価ボードを展示。何ができるのかというと、Astell&KernのDAP「A&ultima SP2000T」と同じく、Nutubeのオン/オフ、半導体とNutubeの組み合わせ時のレベル調整、というもの。発売の予定だが、時期や価格は未定とか。

画像: Nutubeを搭載した評価ボード

Nutubeを搭載した評価ボード

ORB

 ORBブースでは、ラインナップするリケーブル用モデルを厳選して展示。中でも注目は、純銀線を導体に採用した「Celestial force」シリーズで、4芯モデルと8芯モデルを多数展示。来場者は気になるモデルを実際に所有する機器で確かめることができるため、どのユーザーも熱心にリケーブルの効果のほどを聴き比べていた。

画像: 右端の2列が「Celestial force」シリーズ

右端の2列が「Celestial force」シリーズ

MUSIN

 MUSUNブースでは、同社取扱iBasso Audioブランドの新DAP「DX320」が注目を集めていた。「DX300 max」の後継となるフラッグシップモデルになるそうで、発売は6月を予定。価格は未定だが、300よりは高くなるそう。特徴しては、ROHM製のDACチップ「BD3430EKV」をデュアルで搭載していることだそうで、どのようなサウンドを聴かせてくれるのか期待したい。

画像: iBasso Audioの新型DAP「DX320」

iBasso Audioの新型DAP「DX320」

Wise Tech

 Wise Techブースでは、NOBUNAGA Labsのリケーブルを各種展示。試聴も可能なので、ユーザーは気になるモデルを実際に、自分の所有機器と接続して、その音質の具合を熱心に聴き比べていた。会場では参考出品もあり、“究極”を追求したという、4N純銀に、パラジウムメッキを施した8芯モデルが並べられていた。コネクターはMMCXとカスタム2ピン、プラグは3.5mmと4.4mmバランスで、2.5mmバランスはラインナップしないとのことだ。

画像: 考出品された純銀線+パラジウムメッキモデル

考出品された純銀線+パラジウムメッキモデル

Acoustune/MADOO

 昨年10月に設立されたばかりの新しい輸入代理店「ピクセル」が、ヘッドフォン祭に初出店。取り扱いブランドは、上述の通りAcoustuneとMADOOであり、MADOOについては、Acoustuneでイヤホン開発を手掛けてきた日本人エンジニアを迎えて発足した、イヤホン専業ブランドとなる。その特徴はマルチドライバー構成になるそうで、会場では当日が発売日となる有線イヤホン「Typ711」を多数展示。フェイス面には、潜水艦のような覗き窓があるのもデザインアクセントと言える。プラナーと呼ばれるいわゆる平面ドライバーを3基、BAを1基の合計4基を内蔵したハイブリットモデルとなる。

画像: MADOO「Typ711」

MADOO「Typ711」

 一方のAcoustuneでは、試作機を2台展示。一つは「HS1697TI」の後継となる「HS1790TI」。もう一つは「HS1657CU」の後継となる「HS1750CU」だ。ということで、現行「HS1677SS」の後継はラインナップされてない模様。1790、1750ともに振動板は同じになるそうで、現行モデルと同じく、チャンバーが1790はチタン製、1750は真鍮製となるのが違い。どちらも6月中旬の発売を予定している。

画像: Acoustuneの試作機「HS1750CU」

Acoustuneの試作機「HS1750CU」

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