デノンは、同社のDenon Homeシリーズ専用ワイヤレスサブウーファーとして「Denon Home Subwoofer」を3月下旬に発売する。市場想定価格は¥77,000前後(税込)。
ネットワークオーディオプラットフォームのHEOSを搭載し、同社Denon Homeシリーズのワイヤレススピーカーやサウンドバーと組み合わせて低音を強化するアイテムだ。
信号伝送には5GHzの無線を使っており、ワイヤレスであっても遅延を抑えた再生が可能だ。なお本機はワイヤレス専用モデルで、ケーブルでAVセンター等とつないで使うことはできない(背面にも端子はついていない)。
組み合わせる製品としては、サウンドバー「Home Sound Bar 550(SB550)」、ワイヤレススピーカー「Home 150」「Home 250」を想定しており、HEOSアプリからHone Subwooferをシステムに追加するだけで迫力ある低音を楽しめるようになる。
なおHome Subwooferを追加すると、組み合わせるモデルの低域再生能力に合わせて、アプリが自動的に最適なフィルター特性を選んでくれるという(マニュアルでの微調整も可能)。つまりサウンドバー、スピーカー側はゆとりを持った再生ができるようになるわけで、音質の改善も期待される。
製品としては、20cmウーファーユニットを搭載したバスレフ型で、120Wのパワーアンプを内蔵している。映画、音楽といったソースを問わず余裕のある低音を再生できるよう、20mmのロングストロークウーファーを採用、マグネットにはストロンチウムフェライトを使用し、直径120mm×厚さ25mmと薄型ながら強力な駆動力を得ている。
そのユニットは本体底面に下向きにマウントされるが、このバッフル面は厚さ30mmもあり、ウーファーをがっしり支えている。なおウーファーの隣にはバスレフポートが設けられ、背圧を床に放出することで壁からの影響を受けにくい仕様になっている。
このバスレフポートは内部と外側の両端に大型のフレアを備えることで風切り音を抑制、さらにポート自体も流体力学に基づいた形状とすることでエアフローノイズを徹底排除している。
本体は丸みを帯びたキュービックデザインで、サイズはW330×H373×D330mm、重さ12.5kg。落ち着いたグレーのファブリック仕上げはインテリアとの馴染みもいいだろう。
さて今回、Hone Subwooferによる音の変化を体験するチャンスがあった。サウンドバーのSB550を使い、Home Subwooferのあり/なしでCDの音がどのように変わるかを確認した。
SB550のピュアモードによる2ch再生でもヴォーカルがしっかり前に出てきて、心地よく広がりのあるサウンドとして楽しめる。そこにHome Subwooferを加えると、声の輪郭が明瞭になって実体感が増した印象になる。当然ながら低音も下支えされるので、迫力ががぜん増してくる。Home Subwooferが加わったことで、中低域の情報がより明瞭に再現されるようになっているのは間違いない。
次に、フロントにはサウンドバーのSB550を、サラウンド側にワイヤレススピーカーのHome 150を2基組み合わせた4.1chリアルサラウンドシステムでUHDブルーレイ『ボヘミアン・ラプソディ』を再生した。
本作はドルビーアトモス収録で、SB550もドルビーアトモス対応機なので、高さ感を伴った豊かな立体音場が展開される。ライブシーンでも、ヴォーカルの迫力、ドラムの響きなどサウンドバーを核にしたシステムとは思えないほどだ。ワイヤレスの4.1chシステムでこれだけの映画サウンドを楽しめるとは、いい時代になったものだと思った次第だ。