NHK
NHKはJEITAと共同でブースを出展、4K8Kに関連した展示を行っていた。4K8K放送の受信方法などはStereoSound ONLINE読者諸氏にはお馴染みなので今回は割愛するが、他にIPを使った8K映像&22.2ch音声伝送実験なども紹介されている。
広島球場でのカープ戦を8Kカメラと64chぶんのマイクで収録、これをIPネットワーク経由でパブリックビューイング会場に送り、22.2chで上映したものだ。音声収録の設備は5.1ch用の機材のままだというが、その64ch素材から7.1.4のドルビーアトモス(オブジェクトベース)を生成し、それを22.2chのチャンネルベース用に変換しているそうだ。
テレビとタブレットを組み合わせたAR技術を活用した番組への没入体験も提案されている。出演者や楽器などの番組を構成する要素(オブジェクト)を独立したデータで伝送し、受像機側で再構築することで様々な楽しみ方をしてもらうというものだ。実際の映像はタブレット上に合成されるが、タブレットの位置情報(視点、視線)を認識することで見ている場所を識別、それに合わせた音も再生してくれる(Bluetoothで送信し、ネックスピーカーやイヤホンを使う)。
アストロデザイン
アストロデザインブースでは、22.2ch体験ができるチェアスタイルスピーカー「TamaToon SA-1852」に行列ができていた。こちらも連載「いいもの研究所」で紹介したことがあるアイテムで、卵型のシェル内部に埋め込んだ24基のスピーカーで22.2chサラウンドを再現、圧倒的な臨場感が体験できる。同社では22.2chの業務用デコーダー等も開発しており、会場には32chマルチチャンネルパワーアンプ「PA-1853」も展示されていた。
SHIZUKA
レコーディングスタジオやハイエンドホームシアターで使われている音響用防音・吸音パネル「SHIZUKA Stillness Panel」を販売している株式会社 静科は、自社パネルを使った防音ルームを設置、その中ではイクリプス5.1chシステムでのサウンド体験が可能だ。同社の製品は音響ハウスやサイデラ・パラディソといった著名なスタジオでも採用されており、プロの間でも定評がある。今回の体験ブースも、一歩中に入ると会場の喧噪が消え、耳をそばだてなくても微細な自然音まで聴き取ることができた。
KIC
展示会や会議室などで使われる業務用スクリーンを手がける株式会社ケーアイシーでは、長短焦点プロジェクター用スクリーンを出展していた。スクリーンの表面にレンチキュラーレンズを備えており、上方向からの光を吸収、下方向からの光を正面に反射することで、照明のついた室内でもクリアーな映像を再現する仕組みだ。ピークゲインは0.5、半値角は80度。