モダニティから、7月の一般発売がアナウンスされているアメリカのオーディオブランドSTATUSの完全ワイヤレスイヤホン「BETWEEN PRO」。現在、クラウドファンディングを展開中で、価格は、完全ワイヤレスイヤホンとしては高級ゾーンに入る¥19,800(税込)となっている。ここでは、発売に先駆けて本機を試聴する機会を得たので、そのインプレッションを簡潔に紹介したい。

画像1: 3ドライバー仕様で、音階構造を感じながら音楽性豊かなサウンドを楽しめるSTATUSの完全ワイヤレスイヤホン「BETWEEN PRO」、7月に登場
画像2: 3ドライバー仕様で、音階構造を感じながら音楽性豊かなサウンドを楽しめるSTATUSの完全ワイヤレスイヤホン「BETWEEN PRO」、7月に登場

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 BETWEEN PROは、上記記事でも紹介したように、10mm径のダイナミックドライバー×1と、2基のバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーの、合計3基のドライバーを搭載したマルチドライバーモデル。ワイヤレスイヤホンで3ドライバー仕様というと、Noble Audioの「FALCON PRO」や、AVIOTの「TE-BD21j」「WE-BD21d」、あるいはクリエイティブメディアの「AURVANA TRIO WIRELESS」などの製品が思い浮かぶが、音質の傾向はそられモデルに近く、一般的なスピーカーの仕様に準じて言えば、3ウェイ3スピーカーというその構成は、音階がきちんと低音から高音に向かってピラミッド状に積み重ねられていくさまがきちんと再現されており、音質的にも音楽的にも楽しめるようにまとめられているのが、印象に残った。

 音場感についてはそれほど広くはないが、狭いという印象はなく一般的なもの。ただし、音の定位については、筆者の印象としては、左右の耳穴を直線で結んだ中央、鼻の奥、その少し後頭部寄りに集まる感じとなる。経験的に、音導管を使ってドライバーから出てくる音を曲げて耳に届ける製品については、その傾向が強く感じるので、音質うんぬんは抜きにして、デザイン・配置から来るものと思われる。

 さて、気になる音質については、先述したようにマルチドライバーの恩恵を存分に生かしたサウンドが楽しめ、パワフルでありながらきちんと躾けられた低音が量感豊かに迫ってくるし、ボーカルについても発声の一音一音(一語)がとてもクリア。3ドライバー仕様の利点・恩恵を、存分に享受できていると感じた。

 高域については、詰まる感じはしないものの、コーデックがaptXであることもあり、それほど伸びてはいない印象(当たり前だが)。

 再生するコンテンツをハイレゾにすると、響きなどの細かいニュアンスもより再現されるようになり、ここでも3ドライバーの実力の高さを、遺憾なく発揮してくれている。ただし、一つのアンプで3つのドライバーを駆動していることもあり、シングルドライバー・シングルアンプの完全ワイヤレスイヤホンと比べると、音の印象は少し痩せているように感じてしまう部分も、あるにはある。今後、マルチドライバー搭載のワイヤレスイヤホンについては、マルチアンプ仕様の製品の登場にも期待したいところだ。

 耳への装着感については、ハウジングが耳に触らないこともあり、かなり良好。耳甲介(耳穴周辺の窪んだ部分)にスッと収まるタイプの完全ワイヤレスイヤホンに比べても、安定感で劣る部分はない。音導管の断面が楕円なためか、イヤーピースを装着しても詰まった感じがしないのはいい。一方で、圧迫感がない(少ない)ということは、遮音性が高くないということで、満員の通勤電車で使うと周囲の音がよく聞こえてくるが、音楽が聴こえなくなるほどうるさい、というほどではないので、充分実用ではある。

画像3: 3ドライバー仕様で、音階構造を感じながら音楽性豊かなサウンドを楽しめるSTATUSの完全ワイヤレスイヤホン「BETWEEN PRO」、7月に登場
画像: ▲音導管の出口は楕円形

▲音導管の出口は楕円形

 さて、イヤホンのハウジングの外面(盾みたいなところ)の上面には、物理ボタンが設置されているが、これはとても使いやすい。最近のスティックタイプの完全ワイヤレスイヤホンでは、装着するたびにタッチセンサーを触ってしまう製品も多いので、今様ではないとしても、使いやすさを考えると、物理ボタンのほうが操作しやすいし、エラーは少ないと感じる。一つ注文をつけると、イヤホンをケースヵら取り出す際に、つかむ部分が少なくて(狭い)取り出しにくいので、一般販売までに何かしらの改善ができるようであれば、期待したい(筆者はイヤーピースの傘の部分を引っ張って取り出している)。

画像: ▲充電端子はUSB-C

▲充電端子はUSB-C

画像: ▲イヤーピースは3サイズ、フィットウイングスと呼ばれるシリコン製カバーも3サイズ同梱される

▲イヤーピースは3サイズ、フィットウイングスと呼ばれるシリコン製カバーも3サイズ同梱される

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